(※2024年2月、少し加筆修正しました。)


 前にiDeCoの受取方について記しました。

 

 

 上記のブログでは、いくつかの受取方法を記していて、これがいいですよ。という結論めいたことは書いていないんですが、それは個々人のその時々の所得、資産、あるいは老後の生き様や余命の捉えようによって大きく変わってくるから、実際のところ書けないということです。

 

 では、私の場合はどうなのか、参考に書いてみようと思ったのですが、計算してみると判断が難しいというか、逆に言うとバランスのとれた(くやしいけど、いい)制度だと気づいてしまうことになりました。

 

 また私のiDeCoなのですが、月に12000円(上限額)。この2024年1月拠出分で丸7年、これまでに拠出した額は今月分を含めて、100万円(正しくは100万8千円)、これまでに減額となった税金は所得税、住民税合わせて30万6千円ほどとなっています。これまで国内株式のアクティブ運用に一括投資、平均利率は年6%、ついた利息は30万円ほどになっています。株高が続いたので、たまたま成績が良かったのだと思います。

 現在の上限額12000円は今年2024年12月から上限が20000円になることが決まっています。12月に掛け金を変更して満額まで掛けたとして、来年度以降の利回りを3%だとすると、

  1. 59歳11ヶ月まで、残高は435万円、拠出時の減税額累計 91万6千円
  2. 役職定年となる60歳6ヶ月(60歳の3月)での残高は454万円 拠出時の減税額累計 95万円
  3. 年金をもらえる64歳11ヶ月までの残高は632万円 拠出時の減税額累計 116万4千円

という感じになりそうなのです。

 

思ったよりも多い。ありがたいことです。

ちなみに、嫁のぶんもあり、同じ金額です。(所得が異なるので、拠出時の減税額累計は異なります。(小さいです。))

足したら、まぁまぁの金額になります。

 

この中で選択肢として考えているのは、1か3です。

1の場合は年金をもらう前の60歳から64歳の公的年金等控除を有効活用しようというものになりますし、

3の場合は拠出時の控除として最大限、小規模企業共済等控除を活用しようというものになります。

 

1と3を比較した場合、3が24万8千円、拠出時の減税額が増えます。

 

受取時の税金は、

 

1の場合は、60歳から64歳の5カ年で受け取るとすると、毎年の受給額が87万円程度になるので、公的年金等控除(60万円)で控除しきれない分の税金がかかることになり、おおよそ27万。

 

3の場合、税金と社会保険が安くなる一括受取で、税金が安くなる退職金と異なる年となる67歳時に受け取ったとすると、

すでに退職金で退職金控除は使い切っているので、税金は所得税と住民税を合わせて45万8千円。

その差は17万8千円です。1の方が有利に見えます。

 

ところが、拠出時の減税額24万8千円を加味すると、なんのとその差は逆転して、3が5万2千円有利になり、実はほとんど変わらない感じになるのです。これぐらいの差であれば、どちらでもいいかといえるようになると思います。

 

イヤーよく考えられている制度だと再認識した次第。

 

私の場合の一例ですが、所得によって有利不利は変わること、その差は大きくないこともあるというお話でした。

 それだったら65才までかけて、75才ぎりぎりまで寝かせるのも手かもしれません。亡くなって相続となったときには、相続人が2人の場合1000万円まで、つまり自分の場合は掛け金が小さいので75歳時のiDeCo残高1000万円まではとうてい行かないので、iDeCoの死亡給付金全額がみなし退職金として、相続税がかからなくなります。(ほかに退職金があれば、事情は異なります。合算して計算します。合わせて相続人2名の場合は1000万円までが無税です。)

75歳から20年分割で95歳までもらう方法も採れます。95歳までいきることは少ないと思うので、死亡時にiDeCo残高が残っていて死亡給付金が発生すれば、おそらくは相続税は無税か安い税金になると思います。

なお一時金で受け取れば、退職所得として所得税や住民税が計算されるので、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料にも反映されないのでいいかもしれません。


ちなみに1の場合で、今の職場に65歳まで働くとした場合、iDeCoを60歳で受け取れば一時金で受け取れば、退職所得控除が65歳で受け取る退職金と、60歳のiDeCoと2回使えることになります。このパターンだと両方とも受取時の税金は0となり、また再逆転が起こります(1の方が有利になり、20万円ほどの得になります)。


 こういう複雑なiDeCoの仕組みを、とても他人様に説明する自信はありません。世の中のFPさんはちゃんと説明できているのか、気になるところではあります。まだ今の職場に65歳まで働くのか、60歳ぐらいでやめるのか、決めかねている自分もいます。