こんな本を週末に読み終えました。
作家はPermanente Medical Groupと言うアメリカで最大の医療組織の元CEOで形成外科医でもある。スタンフォード大学の教授でもあり、かなり名誉ある著者。
アメリカ医療に関わっているナースとして、また、アメリカに住んでいて莫大な医療保険を毎月払っている身分とし、これは確実に読まなければいけない本である。
最良の医療とは何か?
それは最新の技術や薬、有能なドクターを提供していると思われているアメリカの医療とは訳が違う。
アメリカ市民は毎年給料の20%以上を医療に使っているのだ。
病気になると貧乏、もしくは破産する国である。
それに加え、毎年10万人ほどの患者さんが医療ミスで亡くなっている。
この著者のお父さんもドクター間のコミュニケーションミスで敗血症で亡くなってしまった。たった一本の肺炎球菌ワクチンを打っていればこれが防げたけど、誰もこの事実をキャッチしなかったのだ。
これもあまりにも医者の専門職が増え、一般医が減っているからだと著者は言っている。
一人の個人が重病で入院すると、複数の別の科のドクターがこの患者を受け持つ。
すると余計この患者をトータルで診ることが不可能になるのだ。
私も今の小児科外来で働く前は大学病院の熱傷病棟で働いていたので痛いほどわかる。
沢山の科が患者に関わるほど、ドクター間のコミュニケーションが乏しくなるのだ。
そして、数十年前までは一般医(primary care)と言う職は人気だったらしいが、最近は給料が安く、整形外科や形成外科ほどキラキラしていないので断然人気がなくなってきた。
これが大問題になっている。
一般医こそ、患者さんが病気になるのを予防するドクターなのだ。
高血圧や糖尿病を予防したらそれだけで国が負担する医療費が削減される。
私が今やっていることもprimary careなのである。
ちびっこたちが大きな病気をしないために頑張っているのだ。
他の国から見たら輝いて見える(かもしれない)アメリカ医療も実は問題だらけなんだよって言う本です。
読み応えがあった!!
ゆ
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