『2年生存率０％を生き抜いて』
28歳で腎臓の希少がんに罹患。
22年前の発病当時、
一番の希望は生の体験談でした
発病からの生還記録を綴っています。
少しでも生きる力となりますように。
抗がん剤治療の副作用で髪が抜け落ち、
まだ生えてきていないとき。
当時、写真を撮る心の余裕もなく、
退院後、友人の結婚式でのこの写真が
治療時に一番近いです。
生還記録・最初はこちら
1999年10月14日に、
左腎摘出手術。
2クールの化学療法を経て、
12月24日退院。経過観察に入る。
詳しい診断名は、
腎臓の未分化原始神経外胚葉性腫瘍、
現在はユーイング肉腫ファミリー腫瘍。
当時、２年後生存率0%でした。
退院後は
再発予防のための
治療法、養生法探し、
心と向き合う日々でした。
2000年10月、
早くも仕事復帰したものの、
体調悪化で退職を決意し、
国内で養生した後、
ついに海外へ。
会社を辞めたことで
有り余った時間を使い、
いろいろなところを旅しました。
長野から帰り、すぐに沖縄、
年明けて2001年1月は、
バリ島を訪れ、
2月はスコットランドにある
フィンドホーンへ。
初日の様子は前回↓↓↓
2000年2月末、
旅で出会った方の勧めで、
スコットランドの北部にある
フィンドホーンという場所を訪れました。
ここはスピリチュアルに
関心のある人が多く集まり、
一つのコミュニティが出来上がっていて
知る人ぞ知る聖地でもあります。
参加したワークショップ。
その中に
「Love in action」
という労働体験実習がありました。
労働に愛を注ぐ。
くじ引きで配属されたのが、
レストランのキッチン。
とって素敵なドイツ人女性、
アネッタに
出会ってしまいました！
何だか仲良くなって、
ぼくは毎日、
キッチンに行くのが楽しみになりました。
相手もそうだったと思う･･･
いや、思いたい！
しかし、２日目くらいから
雲行きが怪しくなってきました。
そのキッチンを統括していた
大柄なフランス人シェフが
どうも邪魔をしてくるのです。
ぼくがアネッタと話していると、
いつも間に入ってきて、
ぼくにウィンクをし、
３人での会話となってしまいます。
その勝ち誇ったようなウィンクに
やたらと腹が立ちました。
そして英語をうまく操れないぼくが
次第にその輪から外れていく･･･。
彼らは英語でとても仲良く話しています。
ぼくはただため息･･･。
そして「Love in action」最終日、
キッチンでそのフランス人シェフが
ケーキを作っていました。
ああ、
アネッタにプレゼントするんだろうか～
完全に勝ち目はないな～
キッチンでの労働が終わり、
メンバーの分かち合いの時間も終わって
解散となりました。
すると、
待ってましたと言わんばかりに、
フランス人シェフが
ケーキを持ってこちらにやってきました。
アネッタに渡して、
これで決めるんだな！
もう完敗だ。
そう思って諦めの境地にいると、
なんと！
そのケーキは
ぼくに手渡されたのです！
「Taka！ for you！」
（みんなからTakaと呼ばれていました）
えっーーー？
えっーーーー？オレ？オレ？
「Me？Me？Really？
Thank you very much･･･」
あ、ありがとう・・・。
そのフランス人シェフは、
アネッタではなく、
ぼくにケーキを作ってくれていたのです。
まさか！
あのウィンクは
ぼくへの好意の証だったのか･･･。
彼の仲間から聞いたところによると、
彼はぼくのことをこう言っていたといいます。
「Taka is pretty！」
（Takaはプリティ～、プリティ～！）
プ、プリティかぁ～。
シェフはゲイでした。
自分の想いに蓋をするのではなく、
素直に表現するってすごいな･･･。
今の自分なら、
もっと違う対応をしていたと思います。
あのときは衝撃で、
感謝をうまく伝えられなかったような気もします。
ごめんなさい。
でも、
ケーキはとても美味しかったです。
そして、
すぐに次の出会いが待っていました。
つづく。
続きはこちら！
感謝を綴った歌『Love song ～ありがとう～』
現在はとても元気です！
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