バリ島の我が家のアパートとビラの経営が続けられたのは初期投
資が少なく、開業当初に全額回収できたのが大きな理由、その後
は従業員の給料と建物の維持費が家賃収入で賄えれば、夢見た無
職の南国極楽生活となるはずであった。
コロナ禍、チェンマイで暮らす和太郎の生活費はバリ島からでは
なく、すべて日本で稼いだお金、バリ島の資金は和太郎がチェン
マイを離れる前に残した僅か50万円、半年程度は新規入居者が
無くても何とかなるが、資金が枯れると従業員マーリンの給料が
払えず倒産、幸いにも新規入居者を確保することができた。
バリ島経済の収入源の多くは外国人観光客からという、典型的な
貧乏国の産業構造、当然ながら、コロナ禍の我が家の家賃収入も
旅行者からではなく、日本へ帰国するタイミングを逃した日本人
と長期契約の外国人の入居者からであった。
コロナ終息宣言が出た後、バリ島はインドネシア政府が発表した
外国人観光客の増加は感じられず、バリ島でビジネスを営む在住
日本人を始め、バリ島の一般庶民が実感し始めたのは昨年2023
年後半以降のことである。
そんな中、またしても、和太郎の働くモチベーションが一気に失
せる事件が発生した。
ーーー 続く ーーー
↓チェンマイの茶飯女食堂が休業、カオソーイが食べられない。