【川崎市】二枚橋 | ぼっちあるき

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歩きながら考えてみた

細山神明社から稲城読売ランド前停車場線(県道124号)へ出て、五反田川に沿って南東へ歩いていきます。

 

 

道辻に庚申塔がありました。蜜柑が置かれている庚申塔は立派なのですが、他の仏像は損壊が激しく、右端は頭部が失われています。これも廃仏毀釈かな。それも含めての歴史なので仕方ありません。

 

国の命令でなければ、「罰が当たる」から誰もこんなことはしないと思うのです。ただ、明治政府は仏教の廃止を求めたのではなく、神仏習合に異を唱えたのです(神仏分離令)

 

しかし長い歴史の中で、仏教寺院が権力を持ち続けたという事実があり、民衆の反感を買ってしまった。とはいえ、仏教は庶民にも根付いた信仰であり、その反感には地域差もありました。そういった事を勘案すると、色々ごちゃ混ぜな民間信仰である庚申講は強いですね。

 

 

おや?これは義経と弁慶では?なぜこんな所に?ひょっとしてここを通ったとか?

 

 

あ、通ったんだ。しかもこの橋は弁慶達が架け替えたと記されています。並べた丸太の上に土を盛った橋が、横から見たらのし餅が二枚載っているようだったから二枚橋と名付けられたと。

 

なんか、何気なく歩いていたのに「時を超えた遭遇」をしたようで、ちょっと感動しました。この橋を渡った義経は当時21歳。まさかその9年後に兄に討伐されてしまうなんて、努々思っていなかったでしょう。

 

弁慶については資料が乏しく、その年齢は不明ですが、主君と共に没しています。源氏によって始まった武家社会は660年余続きましたが、そのスタートに大きな汚点を残してしまいました。

 

武力で国を統べるということは、いつ寝首を掻かれるか分からないという不安との戦いでもあったのでしょう。親兄弟をも信じられぬ世の中で、それでも強くなければ家族(家臣を含む)を守れない。義経の謀反の意が事実か否かよりも、それが不安の種となってしまったんでしょうね。

 

 

二枚橋が架けられた流れは、当時とは違っているかとは思うけど、川というより用水路ですね。五反田川の支流のような感じになっていますが、西側は流れが途絶えています。暗渠になっているのかもしれないけど、その先に流れを確認することはできませんでした。

 

 

二枚橋を渡るとすぐに津久井道(県道3号)と合流して、麻生区から多摩区へと入ります。しばらく小田急線に沿って東へ歩くと、読売ランド前駅に差し掛かりました。駅名こそ読売ランド前ですが、ここからよみうりランドまでは結構あります。ちょうど今歩いて来た道のりをバスで行く感じです。

 

ちなみに反対側の京王よみうりランド駅からは、スカイシャトルというゴンドラが運んでくれます。ゴンドラからはジャイアンツ球場を真上から見れたりするのでお勧めです。デートならゴンドラ一択でしょう。テンションの上がり方が違います。

 

それと全然関係ないけど、京王線側には「ありがた山」という心霊スポットもあります。神社やお寺や庚申塔もあり、城跡もあるので、個人的には超絶お勧めです。

 

 

小田急線に乗った時にも思ってたけど、読売ランド前駅のホームと津久井道って、フェンス一枚で並んでるんですよね。ありそうでなさそうな光景です。逆走したり、「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」とか言い訳する車が、ホームに突っ込まないことを祈るばかりです。

 

次回は山の中へ彷徨い込みます。それではまた!