【八王子市】長房日光神社 | ぼっちあるき

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歩きながら考えてみた

武蔵陵を後にして、陵墓の東側を北へ歩いていきます。

 

 

舗装されてはいるものの、昔ながらの蛇行した田舎道が続きます。ペットボトルの風車を発見。カラス除けでしょうか。ペットボトルは、水を張って猫除けに使われることもありますね。

 

 

おぉ!あんな所に神社がある。古墳のようにも見えます。これは行かざるを得ません。

 

 

社額はありませんが、案内板には日光神社と記されています。徳川家の旗本で、家康と秀忠に仕えた鈴木正三(しょうさん)が、葵紋の太刀を御神体として築いた神社だそうです。十代の頃から生死を身近に感じていた正三は、後に遁世して出家しています。

 

旗本の出家は御法度でしたが、秀忠の温情でお咎めはなく、家も養子を迎えて存続しています。出家後に三河へ戻った正三は、不動明王のような力づくの教化を推奨しつつ、仮名草子を利用して分かり易い布教にも努めており、井原西鶴等にも影響を与えています。

 

 

山の麓という立地条件もあるでしょうが、苔生した鳥居と階段が廃墟感を演出しています。ヒグラシはアリーナ席で聴くロックコンサートの音量で鳴き、蚊なのか何なのかも分からないくらい大量の虫が襲ってきます。手で払い続けないと先へ進めません。

 

 

なんとか社殿に辿り着くと、持ち帰り自由のお神札がありました。珍しいですね。せっかくなので一体頂いて帰ります。

 

 

おや?白山神社の神璽(しんじ/御印)ですね。合祀されているのかな。ククリちゃん(菊理媛)好きだからいいけど。ここで魔法陣グルグルのキャラを思い出したあなたは私の仲間です。菊理媛というのは白山比咩(しらやまひめ)神社の主祭神で、白山神社でも祭神として祀られています。

 

黄泉の国にいる伊弉冉(イザナミ)に、禁を破って会いに行った伊弉諾(イザナギ)は、黄泉の国から逃げ帰る途中で伊弉冉に追いつかれて口論となります。そこへ現れた菊理媛が仲裁し、事なきを得たことから、菊理媛は死者(伊弉冉)と生者(伊弉諾)を繋ぐ巫女(シャーマン)とも言われています。

 

ちなみにククリは「括る」の意味で、古代では菊を「くく」と呼んだことから、「菊理」の字が当てられています。括る媛なので、縁結びの神様なのです。

 

次回はさらに北へ向かって、庚申塔を見に行きます。それではまた!