前回の続きです!主に四巻以降の部分になるので、小説で直接読みたい方や、ネタバレNGの方はご注意ください。

①(花城が銅炉山の影響を受けて、子供の姿になった時)「こんな姿が一番嫌いなんだ!こんな役立たずな姿を見られたくないし、あなたに守ってもらうなんて!」

 

花城は謝憐のことが守れなかった弱い自分が大嫌いなのです。でも謝憐は「頼むから、たまには私にも君を守る機会をくれよ」と返すのです。甘すぎませんかおやすみ

 

ちなみにこの後、「殿下、僕は一番強くないといけないんだ。誰よりも強くなることでしか...」と続きます。花城が「絶」にまで上り詰めたのは、謝憐をどんなことからも守れるようにするためなのです。

 

 ②「もし好きでも、最後別れたのなら、それはただ好きだっただけだ。道が歩きやすいかどうかは決められないが、それでも歩くかどうかは決められる」

 

花城は八百年間、ただ謝憐一人を想い、唯一愛によって「絶」になった鬼なのです。この言葉は紛れもなく、花城の生き様を表しています。

 

謝憐が八百年越しの花城の思いを知った時に、この言葉を思い出したら、きっと悶絶しますよね。

 

「誰か触るなら触ってみろ。俺が何よりも大切にしているものを、お前らが好きに触って良いと思ってるのか?」

 

この会話は花城と謝憐が傀儡師と人形になりすまして、鬼達に向けて言ったものですが、この言葉、もはや告白同然ですおやすみ詳しくは記事40「二人の甘い会話」で詳しいやりとりをまとめていますラブラブ

 

思いが通じ合う前なのに、謝憐の、花城は自分のもの宣言。花城の、謝憐は自分のもの宣言。お互い、誰にも触らせない宣言。花城の謝憐が好き宣言。花城の謝憐を大切に思っている宣言。尊すぎますおやすみ

 

④「覚えておいて、万事僕がいるから。永遠にそばにいる」

かっこ良すぎませんかおねだり

 

⑤「死なないことは分かっているし、死ぬことが怖くないことも分かってる。でもどんなに強くても、傷つかないとは思わないで」

 

「死なないからと言って、傷つかないわけではないし、痛くないわけでもない。何か奇妙な危険なものを見た時は、みだりに触らないで、先に知らせてほしい。僕が処理するから」

 

花城はもはや、謝憐が強い武神だということを忘れていませんかおねだり

 

「・・・殿下。こんなことされたら本当に... 命がもたないよ」

 

心が通じ合う瞬間の言葉です!!このあたりの詳細は描写は記事66「謝憐の心が動いた瞬間②」で詳しく書いています照れ

 

八百年かけて、必死に追いかけてきた、愛する人からの答えなのです。直前までは、拒否される覚悟を持っていたので、抱きしめられた時の嬉しさを考えたら、もう...こっちの心臓が持ちませんラブラブ

 

「三郎、骨灰はちゃんと隠してる?」「とっくに隠してるよ」「本当に大丈夫?そこは本当に安全?誰にも見つからない?」「僕にとって世界で一番安全なところだ」

 

「そんなに自信あるの?」「もし隠している場所がなくなれば、僕ももういる必要はないんだ。だから自信があるに決まってる」

 

謝憐が首にかかっている指輪が、花城の骨灰だとはっきり気がつくのは、花城の法力が尽きて消えてからなのですぐすん

 

「貴重なものじゃないから、遊び感覚で着けて」と気軽に骨灰を渡した花城ですが、結構早い段階から、自分の命を謝憐の命と結びつけていたんですね。

 

謝憐に何かあれば、自分ももう生きられないし、生きる必要もない。愛し方が男前すぎますおやすみ

 

「愛する人がまだこの世界にいるんだ」「どうしたいの?」「守りたいんだ」「でも、君はもうこの世界に属さない。もし強引に残れば安らかな眠りにつけないよ」「安らかな眠りはいらない」

 

「その人がそのことを知ったら、きっと思い悩むよ」「じゃあその人に分からないように守る」

 

仙楽国が滅びてから、日々の生活にも困る謝憐が、魂で作られた花灯をなけなしのお金で買い取って、魂を逃しました。

 

その中の一つの魂がどうしても離れないので、謝憐がどうして離れないのか尋ねたときに、この会話をします。

 

のちの黒武者「無名」も、八百年後の花城も、自分から名乗らなかったのは、この時に「その人に分からないように守る」と言ったからなんですね。

 

「殿下、恐れないで。覚えてる?僕にとって、輝かしいあなたも、地に落ちて埃まみれなあなたも、大事なのは''あなた''で、どんなあなたかではない。何があっても、そばを離れない。僕には何でも言って」

 

実はこの言葉を後半で二回言っています。一回目は謝憐が不意に、花城に過去の惨めな自分を見られていないか心配になった時に、花城がこの言葉を返します。

 

そして二回目は、君吾が花城の前で、かつて謝憐が白無相になりかけたことを暴露しようとして、それに謝憐が怯えた時に、花城がもう一回この言葉を伝えています。

 

謝憐は、もし自分がかつて白無相になりかけたことを花城が知って、万が一にも神妙な表情でもされたら、もう二度と花城に顔向けできないと思ったのです。でも実際は、花城はどんな謝憐も見ているのです。

 

華やかな太子殿下だった謝憐、戦に負けて失意している謝憐、怨恨に心を曇らせている謝憐、人面疫を発動しかけた謝憐。どれも見ているのに、それでも花城の中では、謝憐は誰にも替えられない、彼の唯一の神明なのです。

 

誰かを愛するということは、すべての欠点も、短所も受け入れることなのです。成功した姿も、失敗した姿も、すべて愛することができるからこそ、本物の愛なのです。

 

⑩「殿下がどう選ぼうと、決定するのは殿下だ。僕は永遠に反対しない」

 

慕情が断崖にいて、下には燃えたぎる赤い溶岩が流れていて、落ちれば一瞬で死んでしまうような状況で、謝憐は何も考えずに慕情を助けに行きます。

 

この時、風信は花城を見て「殿下のそんな危ない真似、止めるかと思った」と言うのですが、花城は「慕情は救うに値しないと思うが、殿下がどう選ぼうと、決定するのは殿下で、僕は永遠に反対しない」と返すのです。

 

風信はそれを聞いて、一瞬呆然とします。そんな言葉、今まで一度も聞いたことがなかったのです。

 

「千万の信徒の力が君吾の手にはある」「だから?千万の愚人達でしかない。あなたは一人で十分だ」

 

謝憐には、花城一人で十分なのです。彼一人で、何千何万の信徒にも匹敵するのです。

 

「殿下、どうして僕がこの世界を離れないかわかる?」

 

「この世界にはまだ愛する人がいるんだ。愛する人は勇敢な金枝玉葉の貴人なんだ。僕の命を救ってくれて、小さい頃から憧れてた。でも、それよりも追いつきたくて、彼のためにもっと素晴らしく、もっと強くなりたいと思った。多分、あまり僕のことは覚えていないし、話したことも少ししかないけれど、守りたいんだ」

 

「でも...そうしたら、君は安らかに眠れない...」「安らかな眠りはいらない」「その人がそのことを知ったら、きっと思い悩むよ」「じゃあその人に分からないように守る」

 

かつて魂を助けられた時にした会話とほぼ同じです。でも今回のこの会話は、花城の法力が尽きて消える直前の会話なのです。

 

そして花城の思い人がずっと自分だったことも知った上で聞いています。

 

謝憐はこの会話を通して、今になってやっと花城の思いに気がついたことの悔いや、花城がかつていつでもそばにいてくれたことへの感謝、花城が消えることへの寂しさなどを表しています。

 

花城はこの会話を通して、この世に謝憐がいる限り、また絶対に戻ってくることを伝えようとしています。

 

「もしあなたの夢が万人を救うことなら、僕の夢は、あなただけだ」

 

花城は人間の時も、小さな鬼火の時も、絶の鬼王になっても、いつでも全力で謝憐を守って、支えて、愛しているのです。彼は唯一、愛によって「絶」になった鬼王なのです。

 

「終わらない宴はない。でも僕は永遠にあなたのそばを離れない。戻ってくるから。殿下、信じて」

 

他の人が言う「永遠」や約束はあてになりませんが、花城が言う「永遠」は必ず永遠だし、花城がする約束はどんな困難があってもきっと守ってくれるのです。

 

「僕は永遠のあなたの忠誠な信徒だ」

花城が帰ってきてから、謝憐が回想するシーンに出てくる言葉です。ほぼ締めくくりの言葉でもあります。

 

花城が消える直前に謝憐に言っていて、もはや声は聞こえませんでしたが、謝憐には花城が何を言ったのかが分かったのです。それは花城が小さい頃から一貫して言ってきたこの言葉だったのです。

 

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前回の前半は、割と甘い言葉が多かったのですが、今回の後半は謝憐に対するまっすぐな気持ちを表している言葉が多くて、心に重く刺さります。「愛する人がいれば、人は無敵になれる」そう思えて仕方がありません。

 

本当にどれでもいいから誰かに言われたい...。いや、今日からは、誰かに言われることを目標にしよう。