今日は天官賜福の最大の謎 ’’花城の通霊口令’’ について考察してみたいと思います。(''謎''とされているだけあって、正式な答えはないので、あくまで考察止まりです!最後まで読んでもスッキリしないのでご注意ください!)
まず、他の人の通霊口令を紹介したいと思います。(ちなみに通霊口令はみんな自分で設定するもので、現代で言えば、言葉の電話番号みたいなものです。離れている誰かと話したい時にこれを三回唱えると相手と繋がります。)
各神官の通霊口令
謝憐は、’’背诵一千遍道德经就是了''(道徳経を千回唱えよ)
霊文は、“灵文灵文百事通”(霊文霊文物知り!)
風師(師風玄)は、“风师大人天纵奇才,风师大人风趣潇洒,风师大人善良正直,风师大人年方二八”(風師殿は天賦の奇才、風師殿は愉快で瀟洒、風師殿は善良な正直者、風師殿は若さ弾ける十六歳)・・・用事ある時にこんなに相手に褒めさせるお茶目な風師、大好き
花城の通霊口令の特徴
花城の通霊口令を初めて聞いた時の謝憐の反応から、以下の特徴を持っていることがわかります。
・第一反応が“……這?真是這個?三郎,你沒弄錯?”(・・これ?本当にこれが?三郎、間違ってない?)なので、普通の口令ではなく、謝憐が意外に思う口令であること、または通常は口令にしないような少し特殊もしくはふざけた口令であること。
・謝憐は口に出すことはおろか、心の中で唱えることも恥ずかしくてできないと思います
・謝憐は花城が設定した口令を「太坏了」(意地悪すぎる)と思います
・花城は自分の通霊口令のことを、他の人にとって「知难而退,不敢找他」(困難だと知って、花城との通霊を諦める)を意識し、相手が謝憐なら「いつでも大歓迎」と言っています。
終盤の文中の記載で花城が本物か偽物かを見分けるために、花城が謝憐に「兄さんが上の句を言い、下の句を僕が言うのはどう?」と提案する場面があります。この記載から、花城の通霊口令は上下、2つの句から成り立つことがわかります。(このことから、上の句はまだ謝憐が口に出せて、下の句の方が口に出しにくい可能性が高いです。)
謝憐に通霊口令を尋ねられて、花城は目をキラキラさせる記載があるので、謝憐の口から言わせたい文言の可能性が高いです。君吾の目の前で花城に通霊した際に、君吾は面白いと思って笑っています。
また、黒水沈舟と協力関係にあるので、用事がある時に黒水沈舟がなんとか口に出せる文言であること、(文中には書かれていないですが、)部下である「引玉」も業務上通霊することがあると思うので、部下も口に出せる文言であること、なども条件に加わってくると思います。
(割と最初の方の謝憐との対話で、「絶」の鬼じゃないと僕と話す資格はないみたいなことを言ってたので、黒水沈舟と引玉以外はそもそも花城の通霊口令を手に入れる資格はないと思います。そして、花城が「困難だと知って通霊を諦めてほしい」と思う相手もこの2人のことなのかなと思います。)
花城の通霊口令の候補
巷で囁かれている候補や、文中に出てくる名言の候補などを集めてみました。
①’’我夫三郎’’(私の夫、三郎)’’欲為花城妻,欲上花城榻’’(花城の嫁になりたい、花城のベッドで寝たい)
②为你明灯三千、为你花开满城(あなたのために三千灯ともし、あなたのために城一杯の花を咲かせる)
③对一些人来说,某人存在于这世上,本身就是希望(ある人にとって、誰かがこの世にいることが、それだけで希望なんだ)
④为你战死是我至高无上的荣耀(あなたのために戦死することはこの上ない光栄です)
⑤曾经沧海难为水,除却巫山不是云、取次花丛懒回顾,半缘修道半缘君(花城が好きな詩で「広くて深い海を見たら、他の水なんて目に入らない。巫山の雲を知ったら他のところの雲なんて目に入らない。例え花園の中にいても、振り返りさえしない。半分は修道のためで、半分はかつて君のような妻を持ったからだ」という意味。)
⑥你是我心里唯一的神明 我永远是你最忠诚的信徒(あなたは私にとって唯一の神で、私は永遠にあなたの忠誠な信徒)
⑦如果不知为谁而活,那就为我而活吧(何のために生きるか分からなければ、私のために生きなさい)
⑧为爱上天入地,为你所向披靡 (雑に訳すと「愛するあなたの為なら無敵になれる」)
⑨その他文中に出てきていない文言
検証
ではそれぞれ検証していきたいと思います。
まず①’’我夫三郎’’(私の夫、三郎)’’’欲為花城妻,欲上花城榻’’(花城の嫁になりたい、花城のベッドで寝たい)について、巷では囁かれているものを挙げましたが、とってもロマンチックなのですが、句が短すぎるのと、これだと花城に用事があっても黒水沈舟が口に出せないし、花城はストレートに謝憐に自分の愛情を表現する性格ではなく、通霊口令を聞かれた段階ではまだお互いの気持ちは通じ合っていないし、謝憐のことをとても尊敬しているので、こんなストレートな句を設定する可能性は低いと思います。
謝憐が心の中で唱えるのも恥ずかしい文言と考えると、②为你,明灯三千、为你,花开满城(あなたのために三千灯ともし、あなたのために城一杯の花を咲かせる)も違うと思います。
上下2つの句から成り立つことを考えると、③对一些人来说,某人存在于这世上,本身就是希望(ある人にとって、誰かがこの世にいることが、それだけで希望なんだ)④为你战死是我至高无上的荣耀(あなたのために戦死することはこの上ない光栄です)も自然に候補から外れます。
⑥「你是我心里唯一的神明 我永远是你最忠诚的信徒」(あなたは私にとって唯一の神で、私は永遠にあなたの忠誠な信徒)も文中何度か出てきていて、番外編で花城が「你是我心里唯一的神明」と言った時に、謝憐がほぼ無意識に「我永远是你最忠诚的信徒」と繋げたので、最近までこれが通霊口令かなと思っていたのですが、よく考えると、これではないと思う理由がいくつかあります。
まず、考察するにあたって、途中に挟まれている800年前の回想編を飛ばして、現在軸の部分だけを拾って読んだのですが、800年後三郎と出会ってから通霊口令を尋ねるまでの間で二人の会話で出てくる言葉は、上の候補の中でも赤文字のものだけなんですよね。つまり、この段階では、謝憐はまだ花城が800年前の少年であることも、自分の信徒だったことも知らないし、現在軸の中ではこの文言は一度も出てきていないので、この文言だと唐突すぎるんです。
他の理由としては、同格の鬼である黒水沈舟が口に出すとおかしくなるんですよね。このまま謝憐が読むと「花城が謝憐の神」という反対のニュアンスになってしまうし、少し語句を変えて、“我是你的神明,你是我的信徒”(私はあなたの神、あなたは私の信徒)にした場合、花城が下の句を口に出すとまたニュアンスが逆になってしまうので、これも違う気がします。
⑦「如果不知为谁而活,那就为我而活吧」(何のために生きるか分からなければ、私のために生きなさい)も黒水沈舟が口に出すとおかしくなるので、これも外れます。しかも花城が下の句を口に出すとニュアンスがおかしくなります。
少し変化させて「私のために」の部分の「我」を「仙楽太子」にすると「如果不知为谁而活,那就为仙楽太子而活吧」(何のために生きるか分からなければ、仙楽太子のために生きなさい)と変えると、謝憐が口に出すのが恥ずかしく、心の中で唱えるのも恥ずかしく、君吾も面白く感じるのかなと思います。
条件には割と合ってくるのですが、・・・なぜ謝憐が恥ずかしくて口にできないかと考えると、若かりし頃の自分は簡単にそんな言葉を口に出せたけど、800年の間に挫折や失敗を味わって自分のちっぽけさを知って、そんな尊大なことが言えなくなったからですよね。
しかも一番辛い挫折を花城はそばで見ていて、その頃は弱くて守ってあげることもできなくて、それが悔しくて悔しくて、それをバネに800年かけて強くなったわけで。それを考えると、そんな文言を自分の口令に設定するか?・・絶対しないと思うんですよね。
⑤曾经沧海难为水,除却巫山不是云、取次花丛懒回顾,半缘修道半缘君、はそこそこ条件に合うし、深い愛情が込められていて花城の心情にぴったりなので、可能性はあると思います。
それに、いくら愛情がたっぷり込められていても所詮は「詩」なので、第三者の黒水沈舟も口に出せるし、花城も字の練習に幾度となく使うぐらい気に入っています。
ちなみに、前半の「曾经沧海难为水,除却巫山不是云」は謝憐が花城にとってかけがえのない人であることを表し、後半の「取次花丛懒回顾,半缘修道半缘君」は花城にとって“修道”(修行)は全て“缘君”(謝憐)のためであることを表していて,絶の鬼にまで上り詰めた目的はより良く謝憐を守るためなのがよくわかります。(甘い)
・・・でも「詩」なら、謝憐は心の中で唱えるのも恥ずかしいとは思わないはずだし、初めて聞いた時に意地悪だな、とも思わないと思うんですよね。初めて一緒にこの詩を書いたときに普通に書いてるし。
「曾经沧海难为水,除却巫山不是云、取次花丛懒回顾,半缘修道半缘''君''」の最後の部分を「哥哥」に変えたら、とっても恥ずかしくなるし、とっても意地悪になるのですが、花城がこの段階でこんなわかりやすい「告白」をするわけがないんです。
⑧「为爱上天入地,为你所向披靡」(雑に訳すと「愛するあなたの為なら無敵になれる」)は墨香銅臭が設定した天官賜福の箴言でもあるので、これの可能性も高いのかなと思います。
謝憐は「愛」なんて恥ずかしくて簡単に口に出せないだろうし、君吾も「絶」等級の鬼である花城がこんなに「愛」に生きているなんて面白いと感じるだろうし、黒水沈舟も「愛」を口に出すキャラクターではないけれど、頑張れば何とか口に出すことができる。割と条件に合うと思います。
・・・でもこれなら謝憐は初めて聞いた時にもっと反応してもおかしくないんですよね。花城にここまで言わしめる「花城の愛する人」とは誰なのか、絶対、絶対、絶対気になるはずだし・・・。(もう白話真人を追いかけるどころじゃない。)
それに謝憐が花城に対して「为你所向披靡」と言うことになるので、う〜ん。。。「为''爱''上天入地,为''你''所向披靡」を「为''哥哥''上天入地,为''哥哥''所向披靡」にしたいところだけど、花城がこの段階でこんなわかりやすい「告白」をするわけがないので、これも違います
(・・・あれ、候補全部なくなってしまった。。)
結論
なので総括すると、⑨の全く文中に出てきていない文言なのではないかと思います。墨香銅臭さんも、自分も知らない二人の秘密だと言っているので、答えはないです。
でも個人的には多分こんな感じかな?と思うものがあって、謝憐が口にできないし、花城が言わせたいし、「意地悪」にも合致するし、他の人が通霊を諦めそうだし、ほとんどの条件に合う気がします。
「花城哥哥救命、請譲我以身相許」(花城兄さんお助けを!この身を捧げさせていただきます。)
ん〜、やっぱりスッキリはしませんでも色々考察を見るにあたって、可能性は全くないけど、一番面白いなと感じたのは「三郎,我要和你天天」です。知る人ぞ知る「天天」がここで出てくるなんて、最初に考えた人天才すぎる
二人がくっつく前の通霊口令は想像が難しいけど、くっついてからは是非これに変えてほしい