天官賜福には何度か読んで初めて気がつく細かい伏線がたくさん隠れています。ネタバレを含むので、まだ最後まで視聴していない方はご注意ください。

花城が謝憐を好きになったのは、人間だった子供の頃、神武大街で城壁から落ちた時に謝憐に助けてもらった瞬間で間違いないのですが、では謝憐はいつから花城が好きになったのかはてなマークはてなマーク考察していきたいと思いますおねがい

 

与君山でのエスコート

謝憐が初めて花城に会ったのは、与君山の鬼退治で花嫁姿になった謝憐を花城が優しくエスコートする場面(この時点では相手が花城だとは知らず、事件が解決してから知った。)なのですが、その際に周りの神官がどれだけ花城が怖い鬼なのかを説明しても、謝憐は花城が悪い鬼だとは思えず、銀蝶をも可愛いと思っていました。

牛車での初対面

その後、牛車で三郎に会い、至近距離で見つめられた時に、あまりの美しさにタジタジしてしまってます。その時に、三郎に「花城の本当の姿はどんなだと思う?」と聞かれて、「三郎みたいな少年かな」と返しています。花城を目の前の美しい少年のように想像するということは、つまりこの時にもう花城に対して好感を持っていたことが分かります。

 

好感を持った背景

法力も運気も失って、人間界で嫌われ者として過ごしてきた800年間、そして三度目に飛昇を果たしてからも天界から嘲笑われた謝憐は、そういう扱いを受けるのが当たり前になっていたと思います。

 

特に二度目の飛昇前に人面疫を発動しかけて、その結果を全て自分の最後の信徒である黒武者が被って消えたことの罪悪感から、そういったひどい扱いを受けて当然だし、そうすることで謝憐の気持ちもいくらか楽になっていたと思います。

 

それがある日突然、花嫁に扮した謝憐に手を差し伸べて、何の悪意も脅威もなく、ただ静かに待ってくれるその手が、エスコートしてくれて、なだめてくれて、傘をさしてくれて。多分謝憐が800年ぶりに味わう優しさと、誰かに守られる安心感だったのではないかと思います。

天の時、地の利、人の和

物事がうまくいくには、「天時・地利・人和」が必要だと言われます。天時は時期、地利は環境、人和は人の努力のことを表しています。

 

もし800年前に花嫁姿の謝憐のエスコートをしても、多分謝憐は何も感じなかったのではないかと思います。800年前はまだ仙楽国の太子で、みんなからちやほやされる存在だったし、特別扱いされるのも日常だったから、失敗と挫折を経験し、地に落ちて過ごした800年があったからこそだと思います。

 

嘲笑われ続けて、嫌われ者だったのが日常の中で、ある日突然、誰よりも大切にしてくれて、守ってくれて、少し怪我しても気にかけて手当してくれて、決してそばを離れない、おまけに強くて美しい、そんな人が現れたら、きっと誰でも好きになってしまいますよね。

謝憐の劣等感

好きな人の前では誰もが臆病さや劣等感を持つもので、以前書いた記事で、天界からも畏れられる花城でさえ謝憐の前では自信がなくてなかなか告白できないけれど、謝憐も花城の前では劣等感を持っていました。

 

花城は美しくて強くて、それに対して自分はただのガラクタ拾いの仙人だし、信徒もほとんどいないし、みんなから嘲笑われているし。相手に対して劣等感を持った時、多分もう好きになっているもんですよね。

 

謝憐の気持ちの気づき

このあたりはもう完全に好きになっている頃だと思います。村人に花城が好きな人について語った後に、好きな人がいるんだ・・と衝撃を受けて、少し迷って、でもやっぱり我慢できなくて、花城にその「好きな人」について詳細を尋ねたり、聞いてからは少し落ち込んで、しばらくうわの空で、手元で植えている苗も曲がってたり。

 

別のタイミングでまた「好きな人」の話が出た時に嫉妬を感じ、花城に対しては友達以上の気持ちを持っていることに気がつきます。

 

海で溺れた(ふりをした)花城を助けるために人工呼吸した時も、パッと目を開けたら花城が目を開けていて、それに驚いて説明もうまくできず、尻尾を巻いて逃げていく謝憐。

 

謝憐は花城の前だけで、17歳の少年のままのあどけなさと不器用さが出ているし、花城の溢れる霊力を受け止めるために一晩キスした時にやっと自分の気持ちにはっきり自覚し、記憶のない花城に尋ねられて、でもキスしたとは言えず慌ててごまかしています。(そう考えると謝憐も臆病ですよね照れ

結論

結論としては、初めて会った時から好感を持ち、その後の関わりの中で恋愛感情になったんだと思います。

 

花城にとっての謝憐は唯一の神で希望だけど、一方的なものではなく、花城の謝憐に対する信頼と愛が最後の決闘まで謝憐を支えているし、二人の関係はお互いへの無条件の愛と信頼で成り立っているのです。

 

花城側の考察はこちら↓