”元気” がアダとなるとき | Life Essence(Care diary)

Life Essence(Care diary)

何かおかしい。。。
そう思い始めてから半年後、
アルツハイマー初期と診断された父。
そして私は乳がん発覚。。。
認知症が発覚した当初からの、
父の日常と私の思い、
そして乳がんのことを綴った日記です。


先日、亡くなってから3年半の時を経て、

やっと母がお墓に入りました。


最初の1年くらいは父の気が済むまでと

何も言わずに見守っておりましたが、

この場に及んでは、

父も、もう、

納骨すら面倒になってしまったのでしょうか。

それとも、誰かがやってくれる。。。

と言ったところでしょうか。

ほったらかしになっていたわけです。


これで一安心。

母もゆっくり休むことができるでしょう。




そんな納骨の日のお話です。




川崎にいる息子も帰阪。

久々に家族が全員そろい、

叔母を含め、計6人でお墓に向かいました。


途中、叔母がお花を買うというので、

百貨店の出入口に車を横付けし

私たちはそのまま車の中で待機。


20分くらいたっても

その叔母がなかなか戻ってきません。



まぁ、この叔母は、

マイペース極まりなく、

お花と言ってもお花だけでは済まない人。

また、お供え物という名目で、

地下の食料品売り場にでも行っているのでしょう。



お墓に行く時間決まってるんやけどな。。。



その時です。

父が、急にトイレに行ってくると言い出す。


気持ちはトイレにまっしぐら。

後ろの安全確認もせず、

いきなり車から降りる。。。



危ないよ!!



幸い、車が来てなかったので一安心。

車の中で皆、胸を撫でおろします。



止めた場所は

父の大好きな行き慣れた百貨店。

誰もが当たり前のように、

その百貨店のトイレに行くと思っていました。




ところが。。。



父はあらぬ方向へ。




えっ~~~!?


どこ行くの!?

そっちにトイレなんてあったっけ。。。!?



と言ってるうちに

いきなり父は走り出し、

ひたすら走って、

右も左もお構いなく道路を渡り、

人の中に消えてしまいました。



ちょっと!!

どうするよぉ~~~!!




でも、ジーさん、走れるんやぁ~~!!

あの体感には感心するわぁ~


と息子。。。



感心してる場合ちゃうわぁ~!!



とやいのやいの言ってるうちに

叔母がのんきに戻ってきました。




ただでさえ、時間が押しているのに。。。

今度は父です。



待っとくべきなのか、

探しに行くべきなのか。。。


でも、どこから探す!?



20分ほどたったころ、

ひょっこり、走って行った方向と真逆の方向から

父が戻ってきました。



とりあえず。。。

戻ってこれてよかった。



真逆の方向から帰ってきたことには引っかかりますが。。。




どこのトイレに行ってたん!?




叔母が聞きましたが。。。




そんなもん、どこや知らん!!



えらい剣幕で、多くは語りません。

相当テンパっていた証拠です。

その後の父は、

ずっとこわばった顔をしてご機嫌ななめでした。



父は自分が普通だと思っています。

道を間違えるはずもなければ、

決して、迷うこともない。


その自信が覆されたことを

その時自覚したのでしょうか。




認知症の人の徘徊は

後戻りができず、

ひたすらまっすぐ進んでいく。


だから、とんでもない距離、

とんでもない場所で見つかることが多い。



認知症サポーターの講習会で

こんなお話を聞いたことを思い出しました。



父の場合は、

徘徊ではないにしろ、

パニックになると判断能力は確実になくなるので

徘徊に近い状態になるのは確かです。



いくら身体は元気でも。。。


これから先、

もう、一人でお出かけさせるのは

危険なのかな。。。




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