思い出したこと | The yoko's room〜もっとdeepに感じていこう〜

The yoko's room〜もっとdeepに感じていこう〜

路地に惹かれ、珈琲が好き♡

そして、何より、
感じること、気づきが大好きです。
心が、喜んだり、悲しくなったり、怒ったり、笑ったり…丸っと自分を受け止めて、自分のまんま、deepに味わって生きたい。わたしの想いです。

九月末日に他界した母が
昔、テレビに映る照英さんみて
ものすごくツボに入ったこたがあった。

「これだ!この人だ!
ヨーコ、この人と結婚しなさい!」
(ヨーコ:わたしの名前)

えええ?
こんなにすぐ泣く人と一緒になったとして、この夫婦でまともな社会生活送れるんだろうか?この方にはしっかり者のお嫁さんが似合うだろうに。一緒に感動して、凹凸基が一緒な夫婦って大丈夫なの?(←当時のわたしのバランス感)母はいったい何を思って私にぴったりって言ってるの?

しかも、
どうやったら照英さんに出会えるのさ?
何?その確信的な発言真顔
(当時、照英さん独身)

当時も今も謎。


恋について書いてから
思い出してました…

今も強烈に思い出すひとがいます。

そのひとと出会って
わたしは今までのじぶんの文化が激変し、新しいじぶんの文化が構築されていったと思っています真顔


この記事の時代のもっともっと前のこと。


わたしが『恋愛』について
満たされたい理想がバリっとあった時のことです。

わたしを満たすのは大人しかいない!と、年上のひとが好きだった時代。

そのひとは、わたしのおめがねにかなった年上の知的と感じるひとでした。

わたしは新しい読書の世界を広げたくて、ワクワクしながら聞いた。

好きな本とかある?
『曽根崎心中』

…え?
なんか想像を超えてきた真顔

浄瑠璃とかなやつ?
『お、良く知ってるね』

話が続かない。
誰が書いたの?それ?
本なのそれ?
謎が続く。。。

『あ!あとは、「成り上がり」。あれは、面白かったよ!』

しばらく永ちゃん気取りだったのは…それか真顔

結局、わたしは、じぶんの好きな小説を読み続けることとなり、

結局、わたしの好きな作家のひとり、山田詠美さんを彼も好きになっていた。


わたしはもともとも映画が好きで
デートといえば、映画が多かった。
嬉しかった。

小さな映画館で、大作とは逆の映画を扱う映画館によく行った。新しい世界で嬉しかった。

おかげで(?)、大作映画が好きな友達とキャッキャっと話が共有できなかった…

そんなマイナー映画でも、有名な『トレインスポッティング』を観に行ったとき、あの小さな映画館が満席で、折りたたみ椅子を出して対応していた。

わたしは、彼と席が離れてしまい、折り畳み椅子のいちばん前の席だった。

注射嫌いなわたしは、思いがけず注射のシーンが多いこの映画にどんどん血の気が引いていき、なんとか席を離れてから…倒れた真顔

目が覚めると彼が団扇で仰いでた『「救急車は呼ばないで」って言ってたよ』覚えてないわ真顔

それからというものユアンマクレイガーの活躍を何度も見るようになった。忘れられないエピソード。

彼のおかげでケンローチ(英)という監督を知ることが出来た。ケンローチの作風にわたしは感動した。


彼はその昔、NYに行った時、地球の歩き方を片手にジャズを聴くならここ!というお店に入ったそうだ。英語もほぼ分からないが、お店に入り、見様見真似でオーダーし、ジャズに聴き入ってたら、自分はインド人という人が話しかけてきて来たそう。彼は、全部、イエスと答えていたら、ダメだこりゃ、な顔をしてその場を去ったそうだ。彼はその時、英会話が出来たら…と後悔したそうだ。そんな彼からソニーロリンズが来日してるから行こう!とライブに誘ってくれた。

おおおキラキラジャズかい?!ドキドキ
生ライブ、聴いてみたい!

よき席だったのに…わたしは我慢できず…寝てしまった

ごめんなさい、ソニーロリンズ。
本当にごめんなさい。
わたしの無礼をお許しください…

以後、わたしのハートを揺さぶる音楽ジャンルはロックと…ブルーズに確立されていった。
(ジャズも好きです)


彼のおかげで、ケーキのお供はビールだ。
家に来るときはいつも、ケーキとビールを持って来てくれる。

若いわたしは、彼と知り合ったばかりのとき、ビールは、あまり飲まなかった。最悪のこの相性に、このひと、信じられない舌の持ち主だわ…と思ってたが、慣れてくるとケーキとビールは普通に戴けるようになった真顔(ビールも飲めるようになってしまった)。

あるとき、
彼はクリスマスプレゼントを買ってきてくれた。

よいしょ、よいしょとやってきた彼。

え?ドキドキどうしたの?!
なに?ドキドキとわたしのハートを珍しくときめかせた。

クリスマスだもんねドキドキラブラブ


おや。包装が雑ね…真顔
袋から取り出されたそれは

(これは出雲大社のやつ)

↑これの玄関サイズで
白い紙がついたものが出てきた。

真顔

え?

なに?

二十代の娘がクリスマスプレゼントにしめ飾りをプレゼントされるの?

なんのジョークなの?

わたしが…喜ぶとでも?


絶句である。

彼はとてつもなく
ご機嫌でにこやかだった。

なんもいえねー真顔
当時そんな言葉はなかったが

かわいい飾りやらが付いてるなら、まだ考えたかもしれない。

わたしは若かったのだ。
ジョークなどまだ分からぬ小娘。
(今もよく分からない)

これ、
どうやったら見つけられるの?
これ、
どうやったら選べるの?

あたしじゃなきゃ、
女子はドン引きよ!!!!!

真顔ん?

なに?

あたしだからなの??


当時、
こんな話、女友達には話せない!と思い、母に愚痴を込めて話したら

『ヨーコ、その人と結婚しなさい!』

真顔真顔真顔


ん?どっかで聞いたわ。
このフレーズ。


うら若き乙女の気持ちを誰も受けとめてくれない不毛さよ…

本気で思ってた。


彼は決して貧乏ではなかった。

車が欲しいな…と思ったら
唐突に車屋さんはいき、
車をポンと現金で買うような男だった。

が、彼は…

お財布を持ってない。

『邪魔くさいよね』とニコニコしながら、ビニール袋からお金を出していた。

社会人ですよね?あなた???

ビニール袋をはじめてみた時は
目が飛び出るほど驚いた。

ビニール袋に入ったお金で
ケーキとビールを買い、
映画に行き、
しめ飾りを買うのだ。

ちなみに、
ホテルのバーでは
さすがにビニール袋ではなかった。

袋に入っていなかった真顔


主義なのか?


そーいうのは
あえて聞かないタチだが、
あるとき「なぜビニール袋?」と聞いてしまった。

痛恨の後悔だ。



あるとき、
小銭入れを持っていた。

わたしは本当に驚いた。

あなたがそれやったら
つまらないじゃない!!

どうしたの?と聞くと、
『恥ずかしくて…』

なに?
羞恥心が出てきたの?
(いまごろ?)

お財布をプレゼントしようか?
というと、嬉々として『うん!』といったのが忘れられない。


彼のエピソードは
キリがない…

書きながら思った真顔

甘く切ないものは…ほぼない。


ただ…
わたしの世界を広げてくれて
わたしの好きなものを確立していったわたしの貴重な時代のひとつだった。

ここには長くなるので書けなかったけど
死生観も…

淡々としたもののみかた。
誰かの視線をいっさい気にしない。

どんなに言われても
我かんせず。

じぶんの生き方を
風のように生きていた。

わたしは、
大人な男性とお付き合いして
洗練された感性を浴びたかった。

その想いは
半分叶い、半分粉々みたいなものだった。
(わたしの思い出の引き出しが偏ってて、彼の洗練さが際立たず申し訳ない)

あの強烈な生き方に
わたしの想いが共鳴していたのかもしれない。

彼のような確固たる軸は全然なかったけど。

彼と出会ったことで
わたしはどう生きたいか…
それをいつも考えてることが
明確になっていった。

わたしは、
しなやかに在って、
風のように生きたい

恋の話で
大切なことを思い出した
新年のスタートである。

love & free せち