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今天有空嗎?

台湾映画その他中華圏映画のこと/蔡旻佑のこと/コトバのこと/音楽のことetc・・・今天有空嗎?

台湾・公視のテレビ映画『最後的詩句』↓↓↓が見たくてポチッたDVD。

 

 

 

 

↑何気にもう1つ、『濁流』という作品と2本立て&DVDとBDの両方が同梱されている、という超豪華版で、まあ、お値段もそれなりにしたわけなのですが、久しぶりに凝りに凝ったパッケージとポスター付きということで、個人的に満足しています。

 

で、『最後的詩句』を見る前に、収録されているもう1本の『濁流』を見てみたら、まあこちらも何気に『人面魚』やドラマ『次の被害者(誰是被害者』の莊絢維が監督、そして主演が張睿家、張翰と豪華で、ストーリーもとてもよくできていた!のでご紹介。

 

…というわけで、まずは予告編から。

 

[ストーリー]

1998年、萬河市は中湾石油化学工業の工場を誘致したおかげで財政が潤い、次第に都市として発展していった。だが、それは市の真ん中を流れる川の南岸だけ。川の北岸は午後になると汚染物質を含んだ南岸からの風が吹き込み、この10年余りですっかり荒れ果ててしまい、その結果若者は南岸に移り住み、土地にしがみつくしかない老人だけが残された過疎地となっていた。

 

そんな中、萬河市長選挙が近づき、北岸出身者による環境保護を求めるシュプレヒコールが上がる。中湾石油化学工業グループは長年支援してきた現職の郭文翰市長を再選させるために巨額の金をつぎ込み票集めに奔走するが、戦局はいまいち思わしくない。そこで同情票を集めるために、中湾石油化学工業の顧問、莊桑は市長の誘拐事件を起こすことに。誘拐犯を命じられたのは北岸出身で、莊桑の経営するクラブで働く石頭だった。

石頭は郭市長を誘拐すると、故郷である北岸の廃工場に幽閉する。そこはかつて石頭の実家が経営していた工場で、環境汚染により廃業に追い込まれたのだった。市長の誘拐事件はトップニュースとなり、連日メディアで取り上げられる。そんなある日、何も知らない石頭の父は不審な車が廃工場に入っていくのを見かけて後を追う。やがて建屋内に拘束された郭市長とそれを見張る息子・石頭がいることを知り…。

 

ロケハン中に彰化県の濁水川のほとりで牧羊する老婦人と出会い、なぜこの汚染された土地を離れないのかと尋ねたところ、「お金があれば他所に引っ越すでしょう。でも子供と同居するとなると、彼らに経済的な負担をかけてしまうことになります。人はどうせ死ぬのですから」と答えたとか。それを聞き、救いようのない無力感を覚えた監督は、無力な人々のために救いの道をせめてフィクションの中でも…との思いを込めて製作したのが本作のようでした。ラスト、恋人と共に萬河市を後にする石頭の晴れ晴れとした姿には希望を感じることができ、とても印象的でした。

 

多額のギャラと引き換えに狂言誘拐の実行犯に抜擢され、運命を翻弄される若者・石頭を演じるのは張睿家。相変わらずのイケメンでございます!そして財界と癒着しているがために、市長であり続けなければならない郭文翰を演じるのは張翰。すっかり中年オヤジっぷりが板について、いい味出てました。そして大企業の顧問でありフィクサー役の莊桑を演じるのは羅北安。人の好いおっちゃんも、腹黒い悪役も、どちらも演じられる名バイプレイヤーです。ほかにも石頭の父役の喜翔や票の動向を握るヤクザの親分役の吳朋奉、それに石頭の恋人役の林映唯、市長夫人役の曾珮瑜などなど実力派揃いの配役で、細部まで抜かりない、な一本でございました!

昨日に引き続き、フー・ティエンユー監督の作品。

今年公開され、大阪アジアン映画祭、そしてこの連休にはあいち国際女性映画祭で上映される『本日公休』(23)は、監督が自分の母親をモデルに、実家の理髪店を舞台に撮影した劇作品です。そして、『阿蕊的家庭理髮』はフー監督が母親本人にカメラを向けた短編ドキュメンタリー、ということで、面白そうだったので収録されているDVD「大台中紀事3」を取り寄せてみました。

 

『阿蕊的家庭理髮』は2年に1度開催されている「台湾国際ドキュメンタリー映画祭」の2010年のオープニング作品として上映された「大台中紀事3」の6作品のうちのひとつ。「大台中紀事3」は楊力州監督が中心となり、台中をテーマに性別、世代、国籍の異なる6名の監督が短編ドキュメンタリーを撮ったもののようです。

 

ダイジェスト版(?)が中時新聞網のYouTubeチャンネルにアップされています。

 

 

まんま『本日公休』の世界!フー監督の母親で『本日公休』のモデルとなった阿蕊さん、可愛らしい方です。そういえばOAFFの時に客席で映画をご覧になられていて、上映後のQ&Aで紹介されていたのが印象的でした。  

 

 

『マイ・エッグ・ボーイ』(16)『本日公休』(23)のフー・ティエンユー(傅天余)監督による2009年の長編映画『帶我去遠方』をDVDにて鑑賞。監督にとっては、本作が長編1作目になります。

まずは予告編↓↓↓

 

 

[ストーリー]
 台湾南部の港町。おばあちゃんとお父さんと暮らす阿桂には子供のころから色覚障害があった。そんな彼女の唯一の理解者は、同じ町で暮らす、仲の良い従兄の阿賢である。阿賢はあるとき阿桂にこう告げる:「遠く離れた太平洋に、色盲島という小さな島があって、遺伝子の影響でその島の住人全員には色覚障害があるという。きみだけじゃないんだよ」と。阿桂はその言葉を心の拠り所に、いつかその島に行きたいと願いながら大きくなる。

 そんな阿桂にとって阿賢は良き理解者であるだけでなく、憧れの存在でもあった。阿桂が自分のなかに芽生えつつある恋心に気付きはじめたある時、阿桂は阿賢の秘密を知ってしまう。それは自分の気持ちが報われることはないことを知ってしまった瞬間でもあった。

 大きくなったら町を出たい。心優しい阿賢は自分の抱える秘密に苦しみながらも誰にもそれを明かせぬまま、心の中で自由を渇望し、遂には実行に移すのだった…。果たして阿桂と阿賢のふたりは、それぞれの求める「遠い場所」へたどり着くことができるのだろうか。

 

…めちゃくちゃ良かったです!!

『orzボーイズ』(08)を彷彿とさせる児童映画、というのが見始めたときに最初に感じたことだったのですが、やがて本作の持つクィア映画としての側面が明らかになり、そのことで段々と生じる阿桂と阿賢の関係性の変化や、それでもその背後でこの小さな港町の日常は淡々と変わることなく過ぎていく様子などが繊細な筆致で描かれていて。阿賢の選択、そしてそれに対する阿桂の言葉、さらに最後に阿桂が見た虹は…とラストに向かった静かに心を揺さぶる感動作でした。ちょっとだけハラハラさせられる描写(多分、今だとアウトになっちゃうぎりぎりかも)があったりもしましたが、それでも過去に本作を上映した今は亡き沖縄国際映画祭の台湾映画の選定はめちゃくちゃ私のツボだなあと、改めて思ったりもしました。

 

小学生時代と大きくなってからの阿桂を演じたふたりの俳優さんは、その後の消息が不明なのですが、阿賢を演じたのはリン・ボーホン(林柏宏)で、これが映画初出演とは思えないくらいの、ものすごい存在感。おばあちゃん役に梅芳、阿桂が訪れる旅行会社の老闆娘を林美秀が演じてました。(旅行会社にいたあとふたりは、多分、陳竹昇と羅北安だったのでは?もう一回クレジットを見てみよう。。)

 

『マイ・エッグ・ボーイ』の感想はこちら↓↓↓

 

 

 

「TAIWAN MOVIE WEEK(台湾映像週間)」
開催日程:10月13日(金)~28日(土)
開催場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
     ところざわサクラタウン ジャパンパビリオンホールB

■ティーチイン付き『赤い糸 輪廻のひみつ』
日時:10月13日(金) 14:50開場/15:00イベント/15:35開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場

■『親愛なる君へ』
日時:10月13日(金) 18:10開場/18:20開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
※本作はR18+指定作品となり、18歳未満の方の鑑賞はできませんので予めご了承ください。

■『返校 言葉が消えた日』
日時:10月14日(土) 14:30開場/14:40開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
※本作はR15+指定作品となり、15歳未満の方の鑑賞はできませんので予めご了承ください。

■『マネーボーイズ』
日時:10月14日(土)16:50開場/17:00開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
※本作はR15+指定作品となり、15歳未満の方の鑑賞はできませんので予めご了承ください。

■『哭悲/THE SADNESS』
日時:10月15日(日) 14:30開場/14:40開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
※本作はR18+指定作品となり、18歳未満の方の鑑賞はできませんので予めご了承ください。

■「Stay By My Side」
日時:10月15日(日) 16:50開場/17:00開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
※PG12指定作品となり、12歳未満の方は、保護者の助言・指導が必要です。

■「正負之間~Plus & Minus」
日時:10月21日(土) 14:30開場/14:40開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場

■『アメリカから来た少女』
日時:10月21日(土) 16:50開場/17:00開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場

■『黒の教育』
日時:10月22日(日) 14:30開場/14:40開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
※本作には一部暴力的な描写が含まれています。ご了承のうえ、ご応募ください。

■「奇蹟」
日時:10月22日(日) 16:50開場/17:00開映
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場

■『1秒先の彼女』
日時:10月28日(土) 12:50開場/13:00開映
場所:ところざわサクラタウン ジャパンパビリオンホールB

■『ママボーイ』
日時:10月28日(土) 15:20開場/15:30開映
場所:ところざわサクラタウン ジャパンパビリオンホールB

 

イベント詳細&お申し込みは公式サイトから↓↓↓

 

 

 

台湾のシンガーソングライターHUSHの『成人 Embryo』という楽曲のMVが9月6日に公開されました。

監督は『有一天』『狼が羊に恋をするとき』ほかの侯季然監督!

 

 

じわじわ泣けて、最後の最後にあっ!というちょっとした仕掛けが心憎いです。

出演は羅北安と薛仕凌。どちらも好きな俳優さんで、これまた嬉しいかぎり。