多くの日本人にとって、
空港は海外旅行へ向かう時のあのわくわく感が連想されるだろう。
飛行機に乗ること自体も、旅行なり、出張なり、留学なりの
ちょっとした非日常空間へ行くための道具だから、わくわくするだろう。
空港の免税店や、出発前のコーヒー一杯もうれしいものである。
ラトビアでは2008年の経済危機後、
他のEU諸国への労働力流出が止まらない。
この社会問題を扱うニュースや新聞記事の写真には、
空港のチェックインカウンターに並ぶ人の後ろ姿や、
トランクを持つ人の後ろ姿の映像や画像が使われることが多い。
例えば、海外への出稼ぎについての新聞記事も、
こんな写真が使われていた。
なんでもないビジネスマンの後ろ姿に見えるが。
もちろん、ヨーロッパ内への旅行は近いし、安いので気軽に行けるが、
ラトビア人の出稼ぎ労働者が多いイギリスやアイルランド、ノルウェー行きの
飛行機は、RyanairなどのLCCだし、
機内の様子は「旅行へ行く人のわくわくした気分」ではないだろうし、
空港の様子も、全員が旅行へ行く高揚感には満たされていないだろう。
airbaltic自体もLCCの部類に入るので、
機内サービスを無料で享受できるのは、かなりの国外の大手会社のみだろう。
ある著名人が、イギリスかどこかに行くときの飛行機(おそらくRyanairだと思われる)が
狭くて、混んでて嫌だったみたいな発言をしたことに対して、
一般人が新聞か雑誌の投書欄で、
「海外に出稼ぎに行かなきゃいけない人が
どういう気持ちでああいう飛行機に乗るのか
理解してないんだろ」とその著名人を批判していた。
日本人がLCCの拡大に騒ぐのも、サービスの良さに慣れてしまっているし、
飲み物が無料じゃなくなることに対して、今から心の準備が必要なのだ。
考えてみれば、日本に働きに来る外国人も成田を利用するし、
期待と不安と覚悟が入り混じっているんだろう。