太陽のように高く、そして、優しく -8ページ目

太陽のように高く、そして、優しく

小説書いてます。読んでばっかりで書いたことは無いですが、頑張ってます!! 下手ですが、よかったら読んでってください。

 美紀さんに連れて行かれたのは、スカイツリーのふもとにあるショッピングモールに入っているカフェだった。


 食べたいもの頼んで良いよって言われたけれど、よく分からなかったので、美紀さんと同じチキンと香草のソテーとデザートを頼んだ。美紀さんはここの料理が好きでよく来ているらしい。この料理もおすすめだそうだ。


 他のテーブルには客がいたが、その人達と私たちの食事は違う。


 みんなは会話をしながら食事を楽しむけれど、私にはそれができない。


 笑ったり表情をくるくる変えながら、おいしいとかどんな味がするのかを相手に伝えるのだ。


 

 ランチのお皿が片づけられたら、やっと私たちの会話が始まる。


 鞄から小さいほうのノートを取り出した。


 美紀さんは、季節のタルトと紅茶。


 私はスフレチーズケーキとカモミールティー。


 「カモミールティー飲むなんて、裕歌ちゃん大人だね。」


 大好きな本で飲んでるシーンがあるんです

 それで 1回飲んでみたいなって


 「なろほどね。私も飲んだことあるけど、結構癖がなくておいしかった。」


 すると、二人分のデザートが届いた。


 「せっかく今日、裕歌ちゃんお休みだから、いろいろ聞きたいこと、聞こうと思って。」


 私は、なんですか?という顔で首をかしげた。


 「裕歌ちゃんのご家族ってどんな感じ?」


 うぅーんと目を閉じて少し考えてみた。


 みんなどこか抜けてます


 父はしっかりしていて真面目なんですけど、好きな食べ物がカレーとかハンバーグとか子どもみたい

 

 母はド天然です

 察しが悪すぎたりとか急に話題が変わったりとか

 料理もありえない食材の組み合わせだったりすることがあるんですけど なぜかおいしい


 妹は名前に似合わないほどボーイッシュ

 花音[かおん]っていうんですけど 服とか好きなものがボーイッシュ

 言葉づかいも男の子っぽいかな


 性格がバラバラなんですけど 結束するとなかなか良い組み合わせなんです


 「いいな。見てて分かると思うけど、私が結構行動派で、2人が大人しいから、性格合わないんだよね、基本。

 まあ深いところでつながってるかなんとかなるんだけど。」


 そうやって美紀さんは笑った。ちょっと照れてるのかなと思ったりした。


 「娘は私に似てアクティブだったから、今みたいに2人でいろんな所に行ったな。

 一緒に買い物したり、ランチ食べに行ったり。」


 そう言うと、美紀さんは今日私を連れ出した理由を話し出した。


 「裕歌ちゃんは私の家のことはだいたい分かってもらえたと思うけど、私は裕歌ちゃんのこと、ほとんど知らないなと思って。

 それに裕歌ちゃん、娘に似てるんだよね、性格が。だから、家に娘が帰ってきたみたいで嬉しいんだ。

 なのに、裕歌ちゃんは私たちに敬語使ってくれたり遠慮したり、他人行儀みたいで嫌だったんだ。

 たった1か月だけだけど、うちに来てくれるんだから、和歌山の家みたいにゆっくりしてほしいんだ。」


 いいよね?いいよね!!と念を押されて、私は笑顔で1度うなづいた。


 今度は瀬川家の話をいろいろ聞いた。最初は自分の家族と似てないなと思ったけれど、聞いていくうちに似てる部分もあって、楽しくなった。


 

 ケーキもお茶も飲み終えて、おうちに帰るころには実の母娘のようになっていた。


 

 良かった。

 

 心に余裕ができた。


 美紀さんがいてくれて、私の気持ちは楽になった。


 これからどんな辛いことがあっても、美紀さんがついていると思うだけで、なんでも真正面から受け止められる気がした。