会議室のドアを開けると、驚いて思わず足が止まった。
椅子が全部埋まっている。こんな光景を見たのは初めてだ。
夢人ももちろん5人全員そろっている。
どうしたらいいか分からないでいると、スカイさんが自分の方へ来いと、手招きをした。
スカイさんの方へ歩いていき、ちょうど会議室全体が見渡せる前の真ん中まで来たときに、スカイさんが「ストップ!」と言って、私を止めた。
「今日はアルバム制作はお休みして、裕歌のこともっと知る会にします!」
スカイさんの一言に盛り上がる声が聞こえたが、ますます意味が分からない。
そんな私にスカイさんは今の状況を説明してくれた。
「せっかくこうやってアルバム作っているのに、俺たち、裕歌のことほとんど知らないんだよな。だから、今日は裕歌のこと、何でも知る日にしようと思って。」
確かにこういう日を作ってくれることは嬉しいんだけど、こんなことしていたら、制作が間に合わない。
そんな不安が生まれて、たぶん顔に出たと思う。
「心配しないで。いつもはこんなことしている余裕ないんだけど、今回は何が起こるか分からないからって、かなり余裕をもって計画しているんだ。」
まさに心を読んだようなスカイさんの言葉だった。
「さあ、始めようか。」
俺たちが訊きたいことは全部ここに入っている、とテーブルの上に置いてある箱を指差した。
くじ引きの箱みたいな上の面に丸い穴が開いている箱だ。
「パソコンと書画カメラ、どっちも用意してるけど、どっちがいい?」
私は迷わず書画カメラを指差した。
そっちだと思ってた、と言って、スカイさん達は準備をしてくれた。
「始める前に、裕歌にこれ、返しておく。」
そう言われてスカイさんから返されたのは、一昨日、社長室で使ったノートだった。
「それから、そこに書いてあること、一昨日俺に話してくれたこと、全部みんなに話した。
裕歌に黙って、しかも裕歌のいないところで話ちゃって、ごめん。」
私は返されたノートを軽く見返してから、新しい真っ白なページを開いた。
今から全部話そうと思っていたので
楽しく答えられそうです
「その前に、私からも一つ良いですか?」
そう切り出したのは、陽子さんだった。