太陽のように高く、そして、優しく -3ページ目

太陽のように高く、そして、優しく

小説書いてます。読んでばっかりで書いたことは無いですが、頑張ってます!! 下手ですが、よかったら読んでってください。

 その扉を開けると、目の前に映ったのは大量の衣装だった。


 部屋の8割以上が衣装が占めているのではないかと思うほどだった。


 衣装担当の野村さんと打ち合わせをしようと、衣裳部屋にやって来たのだが、これでは見つけるにも見つからないし、見つけてもらおうと思っても見つけてもらえない。


 迷子になったときは下手に動くよりその場にとどまっていた方がいいというのを思い出して、野村さんを探すのを諦めて近くにある衣装を覗いた。


 この時間に私がやってくることは、陽子さんを通じて野村さんも知ってるはずだし、ちょっと衣装触ったって、ボタンとか取れなかったら大丈夫だよね・・・とか言ってるそばから、何かプラスチックが落ちる音がした。


 ビクッとして、何が落ちたのか探そうとしゃがみこむと、私の真横に男物の茶色い靴が目に入った。


 そのまま顔を上げると、夢人より5歳ほど年上の大人な男性が私を見ていた。


 「そこで何をしているのかな?森崎裕歌さん


慌てて立ち上がって、申し訳ない!と思って一礼した。


 「初めまして。衣装担当のスタイリスト・野村真司です。今回はスタイリスト兼デザイナーってところかな。よろしく。」


 私は鞄に入っているノートの、ここに来る前に書いた、自己紹介の分を書いてあるページを見せた。


 「じゃあ、さっそく始めようか。奥にデスクがあるからそこで打ち合わせしよう。

 あっ、衣裳には触らないでね。まぁ、こんな状況じゃ不可能だよな。」


 野村さんはそう言って笑った。


 

 野村さんは慣れた足取りでスーっと衣装の間を抜けていく。


 私は野村さんの後を懸命に追っていく。


 横目で衣装を眺めると、夢人のCDジャケットやコンサートで着ている服がたくさんかけられていた。


 野村さんが足を止めたので、私も足を止めると、机と椅子が衣装に囲まれるようにぽつんと置いてあった。


 机の上には、衣裳のデザイン画が散らばっていた。


 野村さんは椅子に座って、デザイン画を2、3枚手に取って見比べた。


 「とりあえず、いくつかは考えてみたんだけど、しっくりこない。何か良い案ないかな?」


 デザイン画を受け取ってめくって見る。


 衣装のテーマはアルバム収録曲と同じ『希望と・・・』。


 どれもカッコよくて夢人に似合うんだろうなと思うけれど、野村さんの言うとおり、何か足りない。


 私は絵が壊滅的に下手だから、あまり物が言える気分にはなれないけれど。


 こうしている間にも野村さんはデザインに集中している。


 私はもう一つの椅子に座って、ノートに書いて、それを野村さんに見せた。


 どれくらい考えているんですか?


 「あぁー。2週間は考えてるかな。ちょうど、裕歌ちゃんが東京に来たときくらいから。」


 ずっとここでですか?


 「基本はここかな。気分転換にこの部屋ぐるっと回るくらいかな。それと他にも仕事があるから、その移動中とか空き時間で。」


 野村さんってスタイリストさんなんですよね?


 「うん。」


 男性の服とか詳しいですよね?


 「うん。そうだけど何?」


 

 私をメンズの服をたくさんある所に連れて行ってください!!