太陽のように高く、そして、優しく -12ページ目

太陽のように高く、そして、優しく

小説書いてます。読んでばっかりで書いたことは無いですが、頑張ってます!! 下手ですが、よかったら読んでってください。

 どこからどう話せばいいのだろう。


 器用に生きられない私に出来ることなんて全て話すことしかないのに、そんなことを考えてしまう。


 さっきのスカイさんの目は全てを受け入れてくれそうだった。信頼できるまなざしだった。


 この人だったら全てを話しても大丈夫だ。


 全てを話そう。


 この傷も見せよう。


 これがない限り、全てを語ることはできないだろう。


 半袖になって鞄からペンとノートを取り出した。今は大きいほうにしよう。


 

 そして、全てを語った。


 応募してくれたのは父だったということ。


 してみようかどうか悩んでいた時に背中を押してくれたのは家族だということ。


 選ばれたことは黙ってる約束なのに、友だちに話してしまったこと。


 でもその友だちは信頼できる友だちで絶対に秘密は守ってくれること。


 何よりその友だちは私の大切な友だちであること。


 選ばれたことがクラスメートにバレて、それが原因でいじめられていること。


 そのグループとの約束で、いじめられていることを誰かに言うと、友だちもいじめの対象になるということ。


 友だちを守りたくて、ずっと今も話もしていないこと。


 脅しで毎日腕とか足とか、服に隠れているところに傷やあざを作られていたこと。


 今まで言えなかったのは、こんな私に優しく接してくださるスタッフの皆さんを傷つけたくなかったから。

 

 傷つくのは私だけでいい。


 

 言えなかったことを1つずつ言ううちに、楽になっていって、涙があふれていった。


 全部言えたころには、今までにないくらい泣いていて、スカイさんは背中をたたいてくれた。


 あたたかくて優しかった。


 「ありがとう。全部話してくれて。


 ごめんな。何でも言える環境に出来なくて。」


 そう言って、スカイさんはずっと隣にいてくれた。


 

 涙を引いてきた頃、2つの感情が私の心に居座っていた。


 一つは、こんなに重たい話を真正面から受け止めてくれたことの優しさ。きっとここの社員さんもそうかもしれないという安心感もくれた。


 もう一つは、もう3カ月も一緒に仕事をしているのに、こんな優しい人たちを信じ切れなかった自分への憎み。


 スカイさんに優しくされればされるほど、みなさんへの罪悪感が募っていった。


 自分が嫌になった。



 社長室に行く前と変わらないほどに落ち着いて、会議室に戻ることになった。


 けれど、皆さんと顔を合わせたくなくて、ただ歩き続けた。


 2階のダンススタジオにも行けなかった。


 気が付けば、外に出ていた。


 昨日の真夏の天気とは違って、今日は強い雨が降っていた。


 今の気持ちとぴったりだ。こんな天気を待っていた。


 誰にも見つかりたくなくて、けれど、傘も行くあてもなくて、ビルの前にある植え込みに隠れるように座り込んだ。