こちら↑の記事に引き続いて、2024年ボストングローブ・ホーンブック賞をご紹介します。

フィクション部門の受賞作品はこちらです。


Remember Us
by Jacqueline Woodson


7年生の学年がはじまる前の夏、サガの世界は炎に包まれているみたいだった。そこでは次から次に家が火事になり、彼女が住むニューヨークのブッシュウィック地区を地元紙は「マッチ箱」と呼んだ。
男子とバスケをして遊びながら、女の子らしくなっていく幼なじみの女の子たちのグループにもなじもうとするサガだが、男子の世界には完全に受け入れられず、女子の世界にもなじめない。
でもその夏はフレディが引っ越してきた。サガを完璧に理解してくれる子。

「わたしは夢を見つづける」のジャクリーン・ウッドソンの作品。
2024年ウォルター・ディーン・マイヤーズ賞児童書部門受賞作品。

 

 




オナー(銀賞)には以下の2作品が選ばれました。


The Blood Years
by Elana K. Arnold


フレデリーケ・ティートラーはふたつに分かれた世界のある町のある家で、姉さんのアストラと暮らしていた。父はフレデリーケが6歳のときに母さんを貧しい暮らしの中に残して出ていったから、一家の生活は祖父ひとりが支えている。祖父はできる限り稼ぎつつ、家族を反ユダヤ主義から守ってくれていたが、今やユダヤ人でいることは危険になりつつある。昔からユダヤ人たちの安全地帯と思われていた愛する故郷の町チェルニウツィですら。
そして戦争が起こり、最初にロシアが、次にドイツがチェルニウツィに侵攻した。

ウクライナの(※1940年まではルーマニアの)都市チェルニウツィを舞台に第二次世界大戦時代を描く歴史物語のようです。アメリカのYA作家エラナ・K・アーノルド(Elana K. Arnold)の作品。著者の祖母の体験をもとに書かれた作品だそうです。
2024年ゴールデン・カイト賞YAフィクション部門受賞作品。

 

 



Rez Ball
by Byron Graves


最近のトレー・ブルンは、レッドレイク・リザベーション高校のバスケ部でプレーしている時がいちばん幸せだ。事故で死んだ兄ジャクソンの記憶に定期的に腹を殴られてはいるけれど。今は大学でプレーしている卒業生に勧誘されたトレーは、これはリザベーションを代表して初の全国大会に出るチャンスだと思った。NBAでプレーするという夢への第一歩。だけどスタープレイヤーだった兄さんの代わりになろうとするのであれば、トレーは失敗できない。コートでも学校でも、友だちに対しても。

オジブウェ族の高校生を主人公にしたバスケ青春物語のようです。主人公と同じくミネソタのレッドレイク・リザベーション出身で高校バスケ選手だったオジブウェ族の新人YA作家バイロン・グレイブス(Byron Graves)のデビュー作品。
2024年ウィリアム・C・モリス賞受賞作品。