こちら↑の記事に引き続いて、2024年オーストラリア児童図書賞の優秀作品リストをご紹介します。
今日は低学年向け(児童書)部門です。


今年の優秀作品リストは以下の通り。


Aggie Flea is Not a Liar
by Tania Ingram


アギー・フレアは巨大な想像力を持つ女の子。そのせいで巨大なトラブルにたどり着いてしまう。
ある日謎めいた新しい隣人が真夜中に引っ越してきた。彼はヴァンパイアだとアギーは確信した。彼女はそれを証明できるのか?それともみんなに嘘つきだと思われるのか?

オーストラリアの児童書作家タニア・イングラム(Tania Ingram)の作品。

 

 

 

 

Being Jimmy Baxter
by Fiona Lloyd


ママと2人でアル中のパパから逃げているジミー・バクスターでいることは楽じゃない。というのは、本当のジミーは内側に隠れているから。学校のいじめっ子ネッド・ケリーが悪意のある目で見てくるから。ママが仕事に行かなくなり、ずっとベッドにいるから。冷蔵庫に卵がないから。というかほかのものも何も。

困難を生き延びること、思いがけない友情、エルヴィス・プレスリーの魔法の音楽についての物語だそうです。
イギリス生まれシドニー在住の新人作家フィオナ・ロイド(Fiona Lloyd)のデビュー作品。

 

 

 

 

Bored: Evie Dreams Big
by Matt Stanton


わたしの名前はエヴィー。いま計画を立てているところ。ほんものの計画だ。わたしは自分の家を建てる。しょぼいツリーハウスのことじゃない。ほんものの家を建てるのだ。
タートルプレイスの町の住人たちには表明したい意見がある。フロッグとマイロはぜんぜん違うものを建てたいし、サントスさんは仏頂面、カーツさんのおばさんはわたしたちを見張ってる、わたしの妹は世界一うざい人間で、わたしの両親はわたしをぜんぜん信用してない。だけど私には計画があるんだ。

「これはボール」のマット・スタントンによる児童書作品。

 

 

 

 

Dirrarn (Black Cockatoo #2)
by Carl Merrison & Hakea Hustler


ミアはキンバリーの田舎の集落に住む13歳のアボリジニの少女。家族と疎遠だった兄を亡くして悲しんでいる。周りのものごとが変わっていくことに対して自分が無力だと感じていた。自分のトーテムアニマル(自分を象徴する動物)になるディラーン(アカオクロオウム)を助けたあの日までは。それから彼女は自分の内面の強さを発見していくことになる。

アボリジニの少女の成長物語のようです。シリーズ2作目(上のあらすじは1作目のものです)。アボリジニのジャル部族とキジャ部族に属する作家カール・メリソン(Carl Merrison)とオーストラリアの英語教師で小説家のハキア・ハスラー(Hakea Hustler)という友人同士の作家コンビによる共著です。

 

 

 

 

Harriet Hound
by Kate Foster


ハリエット・ハウンドは犬が大好きな8歳の少女。
でもハリエットにはほかに彼女を特別(スーパー)にしている秘密がある。何か事件が起きたときに、家族がやっている保護犬シェルターから犬を召喚できるパワーがあるのだ。
カーニバルでの惨事でも突然の嵐でも野菜消失事件でも、ハリエットとその犬の仲間たちはその能力と謎解きの才能で解決する。

イングランド出身オーストラリア在住の児童書作家ケイト・フォスター(Kate Foster)の作品。

 

 



Huda Was Here (Huda and Me #2)
by H. Hayek


父さんが警備員の仕事をクビになって高速道路で働かなければならなくなり、フーダは兄のアキールを説きふせて夜に抜け出し、雇い主に父さんをもう一度雇わせるためのいたずらをしかけることにした。
犯行をエスカレートさせつつ、ふたりは当局を出し抜けるのか。家族の団結のためにふたりはどれだけの危険を冒せるのか。その過程で何を見つけ出してしまう可能性があるのか。

レバノン系オーストラリア人の児童書作家H・ハエック(H. Hayek)の作品。2022年のこの部門でショートリストに選ばれた「Huda and Me」(未訳)という作品の続編のようです。
前作ではフーダちゃんはおばさんのクレジットカードを盗んで航空券を買ってお兄ちゃんを説きふせ、ふたりでレバノンへ行こうとしたようですが、今回はお父さんの再就職をめざして警察沙汰になるようです。彼女小学生くらいだと思うんですけど、危険な女すぎる。

 

 



Meet Me at the Moon Tree
by Shivaun Plozza


父さんが亡くなって、カリーナは約束通り絶対に家の裏の森にあるムーンツリーの世話をすると決めた。月の周りを廻った種から生えた魔法の木の物語に魅せられ、カリーナの中の科学者はすべての木に目をかけ、父さんとの絆を永遠のものにしようと試みる。

オーストラリアのYA&児童書作家シヴォーン・プロッツァ(Shivaun Plozza)の児童書作品。

 

 




Ming and Hilde Lead a Revolution (The Girls Who Changed the World  #3)
by Jackie French


ミン・クォンは女の子たちが歴史の中で世界を変えてきたと信じている。
彼女はこれまで、歴史によって送り込まれた過去の世界で危機と冒険に遭遇し、歴史に残された偉大な功績の中の少女たちの勇気を目撃してきた。
今回のタイムトラベルではミンは比較的裕福で、王家の羊を運ぶ船の上にいて、羊の世話をする少女と一緒に旅をしていた。女羊飼いが歴史にどんな影響を及ぼせるのだろう?

タイムトラベル能力を持ち、毎回歴史を変えた無名の女の子たちのもとへ飛ばされてしまうヒロインの冒険を描いたファンタジー。「ヒットラーのむすめ」のジャッキー・フレンチの作品。シリーズ3作目。

 

 



Pearly and Pig and the Lost City of Mu Savan (Pearly Woe #2)
by Sue Whiting

動物の言葉が話せるという特殊能力はあるけれど、あらゆることを心配してしまう心配性少女のパーリイ・ウォー。でも冒険学者ギルドで自分の価値を証明しようとしているときに心配性の居場所はない。パーリイとペットのブタ、そしてウォー家の家族全員は、雄大なメコン川を次の冒険のために下り、アナチャックの王国にたどり着き、ムー・サヴァンの失われた都市を探す。

 

心配性の冒険少女を主人公にしたアドベンチャー小説のようです。シリーズ2作目。「ベッシ-のすてきなキャンディ」のスー・ホワイティングによる児童書作品。

 

 



Real Pigeons Flap Out(Real Pigeons #11)
by Andrew McDonald & Ben Wood (Illustrations)


どうして鳩はいつもあんな変な行動をとってるんだろうと疑問に思ったことはあるだろうか?それは彼らが悪人を追跡し、みんなを危険から守っているからだ!
変装の達鳩ロック、体が柔らかいタンブラー、力の強いフリルバック、そして探し物の達鳩ホーメイの4羽は「リアル・ピジョンズ」。事件の謎を解き、あらゆる悪漢と戦い、街の平和を保つ。

街を守る戦う鳩チームの冒険を描く児童書グラフィックノベルの11巻目(上のあらすじは1巻目のものです)。「バッドガイズ」みたいな感じでしょうか。
オーストラリアの児童書作家アンドリュー・マクドナルド(Andrew McDonald)が文を、オーストラリアのイラストレーター・ベン・ウッド(Ben Wood)が絵を担当しています

 

 




推薦作品リストはまだありますが、続きは後日。