こちら↑の記事に引き続き、2023年カーネギー賞作家賞のノミネート作品です。


Hedgewitch (Hedgewitch #1) 
by Skye McKenna


キャシー・モーガンが最後に母さんを見たのは7年前。退屈な寄宿学校に置き去りにされ、いじめられっ子から身を隠し、妖精の世界についての禁書をこっそり読みながら日々を過ごしている。
母さんが生きていると確信するキャシーは、学校を逃げ出して母さんを探し出すと決めた。道に迷ってゴブリンに追われたところをモンタギューという名の空飛ぶしゃべるほうきに助けられたキャシーは、のどかな村ヘッジリーにたどり着いた。そこで彼女は、自分が妖精の軍勢からイギリスを守る魔女の一族の人間だと知る。

オーストラリア出身イングランド在住の新人児童書作家スカイ・マッケナ(Skye McKenna)のデビュー作。5部作になる予定のシリーズの1作目。「ミルドレッドの魔女学校」「ネバームーア」「闇の戦い」のファンにおすすめだそうです。

 

 

 

 

Like A Charm
by Elle McNicoll


エディンバラは魔法生物でいっぱいの街だが、それを見ることができる者はいなかった。ラムヤ・ノックスが来るまでは。
自分の一族が属する秘密と魔術の世界に引きずり込まれ、ラムヤは「隠れ棲むものたち」の真実を解き明かすことに決めた。おじいちゃんからの警告「セイレーンに気をつけろ」を胸に。

デビュー作「魔女だったかもしれないわたし」で日本に上陸したばかりのスコットランドの児童書作家エル・マクニコルの新作。今回はファンタジーかな?

 

 

 

 

The Cats We Meet Along the Way
by Nadia Mikail


17歳のアイシャは姉さんのジューンに2年会っていない。そして世界があと9ヶ月で滅亡するという今、アイシャと母さんはジューンを探し出して過去の傷を修復する時だと決断した。アイシャの彼氏ウォルターとその両親(あとのら猫のズタボロ(名前))も連れ、一同はワイルドにデコったキャンピングカーでマレーシアを横断する旅に出る。

ロンドン在住のマレーシア人新人YA作家ナディア・ミカイル(Nadia Mikail)のデビュー作品。世界の終わり+家族のロードノベル+猫。面白そうですね。

 

 

 

 

Vile Stars
by Sera Milano


辛い喪失の後で自分の人生を修復しようとしている17歳のルカは愛を求めていない。でもグリーンウィッチ天文台で流星群の下、ハンサムで魅惑的なコズモに出会った時、運命に導かれたと思った。
でもコズモは見た目通りの人間ではなく、ルカの愛情を利用し、少しずつ彼女の人生を支配下に置いていった。パンデミックが起こってロックダウンが行われると、ルカは心も体も抑圧的な関係の中に閉じ込められてしまう。

バーディ・ミラノ(Birdie Milano)の名義でコミック作家としても活動するイギリスのYA作家セラ・ミラノ(Sera Milano)の2作目の著作。

 

 

 

 

Julia and the Shark
by Kiran Millwood Hargrave, Tom de Freston (Illustrator)


わたしのベッドの下にはサメがいる。どんどん大きくなって部屋くらいになる。灯台くらいになる。果てしない深さから上がってきて島を根こそぎ飲み込むくらいになる。
ジュリアは父さんと母さんと一緒に、小さな島で夏を過ごすことになった。父さんは仕事のため、母さんはグリーンランドシャークを探すため。でも母さんのサメへの執着が家族全部を飲み込んでしまったとき、ジュリアは自分が暗い深海と希望の灯台とともに冒険の途中にいることに気がつく。

イングランドの小説家&詩人キラン・ミルウッド・ハーグレイヴ(Kiran Millwood Hargrave)の作品。

 

 

 

 

The Chime Seekers
by Ross Montgomery


邪悪な妖精が、取り替え子をするためにヤンニの赤ん坊の妹を盗んでいった。ヤンニは手遅れにならずに妹を取り戻すための危険な競争に身を投じる。ずる賢さがずば抜けた妖精たちから妹を救い出すのは簡単じゃない。いとこのエイミーとやる気のない取り替え子の手を借り、ヤンニはゴブリンの宮殿や戦いの海を旅して、古の宝と秘密を見つけなければいけない。

ロンドン在住の児童書作家ロス・モンゴメリー(Ross Montgomery)の作品。

 

 

 

 

No Man's Land
by Joanna Nadin


「あれが近づいてるのがわかる。戦争だ。ぼくらに忍び寄って、町に入り込んで、通りを歩いて、家にまで入ってくる。友だちみたいに笑いながら。ぼくらを助けに来たバットマンが、実は最初っからジョーカーだったみたいに」
イングランドが極右国家アルビオンとなり、ヨーロッパへ戦争をしかけようとしている頃、10歳のアランと弟のサムは疎開させられた。父さんはアランに勇気を持てと言った。アランの大好きなスーパーヒーローみたいに。でもアランはどこだろうと父さんがいるところにいたかった。それに誰がヒーローで誰がヴィランなのか本当に見極められるのだろうか。

イングランドの児童書作家ジョアンナ・ナディン(Joanna Nadin)の作品。

 

 

 

 

Pony
by R.J. Palacio


12歳のサイラスは真夜中、3人の男に父さんが連れ去られたときに目が覚めた。サイラスは震えて、おびえて、ひとりで残された。そばにいてくれるのは幽霊の少年で親友のミトンウールだけ。そこに1頭のポニーが現れた。サイラスは家を出て、父さんを探す危険な旅に出ると決めた。旅の中で、サイラスは自分の過去の秘密を解き明かす恐怖と向かい合い、自分を取り巻くこの世界の謎を探らなければならない。

「Wonder ワンダー」で知られるアメリカのベストセラー児童書作家R・J・パラシオの新作。2012年に「ワンダー」が当たってからここ10年くらいずっと「ワンダー」の関連作品を書いてた彼女の久々の「ワンダー」ユニバース外の作品です。南北戦争前のアメリカ西部が舞台の歴史冒険小説のようですが、ちょっと設定が変わってるように見えますね。

 

 

 

 

Resist
by Tom Palmer


恐ろしい第二次世界大戦がくまなく広がった時代、ナチ占領下オランダの一般市民の生活は危険と困難でいっぱいだった。大好きな叔父さんが殺され、兄さんがドイツに捕らえられ、エッダは占領者に対抗するレジスタンスの戦いを支援するためになんでもやると決めた。でも女の子に何ができるのか、どれだけの危険を引き受けられるのか。

「フットボール・アカデミー」シリーズのトム・パーマーによるスタンドアローン作品。伝説のハリウッド女優オードリー・ヘップバーンの少女時代をモデルにした歴史小説のようです。

 

 

 

 

When the War Came Home
by Lesley Parr


第一次世界大戦は終わったが、まだ遠くへ去ってはいない。
新しい村へ引っ越してきたナッティは、そこで戦争の後遺症に苦しむ2人の若い兵士に出会った。フーは戦場で見た恐ろしい光景を忘れられず、そしてジョニーは自分が誰かも思い出せない。秘密を守り、謎を解き明かす中で、ナッティは自分が信じるもののために戦う方法を見つけ、そして忘れてはならないものがこの世にはあると学んでいく。

昨年デビューしたウェールズ出身イングランド在住の児童書作家レスリー・パー(Lesley Parr)の新作。

 

 

 


ノミネート作品はあと20作ほどありますが、続きは明日にでも。