こちら↑の記事に引き続き、2023年カーネギー賞作家賞のノミネート作品です。



Gay Club!
by Simon James Green


バーニイ・ブラウンは高校クラブの次の選挙でLGBTQ+の会会長に当選が確実視されている。ところがライバル候補によって投票がクラブ内だけでなく全校生徒に開放されてしまい、全校から注目が集まりだした。遠回しなディスりにスキャンダルに雑なごまかしが横行する中でナショナル・カミングアウト・デーが近づいてくる。でもクラブが予期された脅しと大きなチャンスに直面した時、メンバーたちは政治争いを一旦置いて団結して立ち上がれるか?

イングランドのYA作家サイモン・ジェイムズ・グリーン(Simon James Green)の作品。「glee」、「ハートストッパー」、「ボーイフレンド演じます」のファンにオススメの学園コメディだそうです。例に挙げられてる作品からするとロマンス要素もあるのかな?

 

 

 

 

Baby Teeth
by Meg Grehan


それはクラウディアが彼女に黄色の薔薇を差し出したときにはじまった。
イミーは恋に落ちたことがある。何度でも。いくつもの人生の中で。でもこんなにも深く熱い恋は初めてだ。
クラウディアは恋に落ちたことがない。でも今、ヴァンパイアに初めての恋をしてしまった。

アイルランドの作家メグ・グレハン(Meg Grehan)の作品。孤独なヴァンパイアの少女とお花屋さんで働く人間の少女の恋を描いたヴァースノベルだそうです。カバーが美しいですね。クィア版の赤毛のアンみたい…

 

 

 

 

The Worlds We Leave Behind
by A.F. Harrold, Levi Pinfold (Illustrator)


ヘックスは友だちのトモと森へ入るときに女の子がついてくるとは思っていなかったし、その子がロープから落ちて腕を折るとも思っていなかった。
みんなに責められて森の奥へ逃げ込んだヘックスは、今まで来たことがない森の中のぽっかり開けた奇妙な場所にたどり着いた。そこの小屋にはおばあさんが住んでいて、ヘックスに取引を持ちかけてきた。ヘックスへの不当な扱いをみんな消して、何事もなかったように生活させてあげると。

友情と裏切りを描くファンタジー小説。「ストレンジャー・シングス」のファンにオススメだそうです。「ぼくが消えないうちに」のA・F・ハロルドの作品。「ブラック・ドッグ」のレヴィ・ピンフォールドが挿絵を担当しています。

 

 

 

 

Fledgling
by Lucy Hope


落雷と嵐の夜にキャシーの寝室に天使が飛び込んできたのが、相次ぐ恐ろしい出来事の発端だった。キャシーはこれがただの偶然なのか、もっと大きな恐ろしい出来事の一部なのかを確かめなければならない。
自分にしか興味がないオペラ歌手の母、変人の剥製師の父、見た目と中身がまったく違う親友の少年とともに、キャシーは家族の過去の秘密を解き明かそうとする。闇の力が彼らを取り巻くとき、キャシーは大事な人たちすべてを守れるのか。

バイエルンを舞台にしたダークなゴシックファンタジーだそうです。ウェールズ出身イングランド在住の新人児童書作家ルーシー・ホープ(Lucy Hope)のデビュー作品。

 

 

 

 

Green Rising
by Lauren James


対気候変動活動家のガブリエルは、自分の皮膚で植物を育てられる能力を見せた世界初のティーンエイジャーとなり、突然有名人になった。
へスターは石油王の娘で家業の顔をつとめている。
テオは漁師の家系に生まれたが、両親は生計を立てるのに苦労している。
3人には一見ほとんど共通点がない。でもへスターとテオはガブリエルとその仲間たちの団体に加わった。

環境が汚染された近未来が舞台の作品のようです。イギリスのYA作家ローレン・ジェイムズ(Lauren James)の作品。

 

 

 

 

When Our Worlds Collided
by Danielle Jawando


14歳のシャックがマンチェスターの混み合ったショッピングセンターの外で刺されたとき、まったく違う人生を歩んでいた3人のティーンエイジャーが思いがけず出会った。その後で起こったことに自分の世界をめちゃくちゃにされてしまった後、シャンテル、ジャクソン、マークの3人は、警察の、メディアの、社会全部の中にある根深い偏見と人種差別について疑問を抱く。

イングランドのYA作家ダニエル・ジャワンド(Danielle Jawando)の作品。

 

 

 

 

How To Be True
by Daisy May Johnson


環境活動家の両親が世界中で抗議活動をするためにパリを発ったので、祖母はいまがエディーがちゃんとしたレディになる時だと決めて彼女を「良き姉妹たちのための学校」へ送ってしまった。
でもエディーが驚いたことに、この学校の尼さんたちは本気で役に立つことを教えてくれた。完璧な図書館の作り方、深夜のパーティ向け料理の作り方、毒矢の作り方。イタズラっ子のエディーはまさにいるべき場所にきたと感じた。
学校の研修旅行でパリへ行くことになったエディーと仲間たちは、そこで名画とおばあちゃんの過去としつこい泥棒にまつわる謎に巻き込まれることになる。

イギリスの児童書作家デイジー・メイ・ジョンソン(Daisy May Johnson)の作品。

 

 

 

 

Needle
by Patrice Lawrence


シャーレインは編み物の達人。楽しいのはそれだけだし、特技だと本気で思えることもそれだけだ。
それで里親の家の息子が彼女のいちばん新しい作品を壊したとき、シャーレインは編み棒でそいつを刺してしまい、暴行の罪で刑事司法制度に飲み込まれた。
申し訳ないとも思わないし、人生で誰かに謝ったことも一度もない。でも人々はみんな、「反省してる」と言うならもっと優しくしてあげるのにと言う。彼女は自分の自由を賭かった状況で反省していると言うべきなのか。

イタリア&トリニダード・トバゴ系イギリス人のYA作家パトリス・ローレンス(Patrice Lawrence)の作品。

 

 

 

 

Seed
by Caryl Lewis


マーティはママみたいになんでも持っているタイプの人間じゃない。家での暮らしはつらいけど、変わり者のおじいちゃんと一緒に過ごす市民農園に居場所を見つけた。
誕生日におじいちゃんは種子をプレゼントしてくれた。「これは魔法の種だ。どんな魔法が入ってるかは人に言うんじゃないぞ」。

ウェールズの作家キャリル・ルイス(Caryl Lewis)による英語作品。

 

 

 

 

Rebel Skies (Rebel Skies #1) 
by Ann Sei Lin


くららは空に浮かぶ巨大な宴会場「みどり」の奉公人として以外の人生を知らない。でも宴会芸として使っていた紙に命を吹き込んで折り紙の動物を踊らせる彼女の力は、実は帝国のための重要な能力だった。くららは飛行艇「織姫」に乗船し、愛想はないが智慧者のヒムラから「創者」としての教えを受けて、帝国と姫君を狙う紙の精霊「式神(シキガミ)」を狩ることになった。

明治日本風の異世界を舞台にしたアジアンファンタジー。シリーズ1作目。ヒロインの名前は「Clara」ではなく日本語発音の「Kurara」です。なので、ひらがなでかわいく「くらら」か、漢字で書くなら「眩草」とかかな。
ロンドン在住の新人YA作家アン・セイ・リン(Ann Sei Lin)のデビュー作品。現在の住所はロンドンですが、仕事で千葉に住んでたことがあるそうです。

 

 

 

ノミネート作品はあと30作ほどありますが、続きは明日にでも。