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マンボウのブログ

フラヌールの視界から、さまざまな事象に遊ぶ

では、ポーによる原文を見ておこう。チョキ

 

 

それぞれの連の最後の三行から。

 

 

   THE BELLS

 

    Ⅰ

 

    From the bells, bells, bells, bells,

          Bells, bells, bells ----

  From the jingling and the tinkling of the bells.

 

 

    Ⅱ

 

    Of the bells, bells, bells, bells,

         Bells, bells, bells ----

  To the rhyming and the chiming of the bells!

 

    Ⅲ

  

    Of the bells, bells, bells, bells,

        Bells, bells, bells ----

  In the clamor and the clanggor of the bells!

 

 

    Ⅳ

 

    Of the bells, bells, bells, bells ----

        Bells, bells, bells ----

  To the moaning and the groaning of the bells.

                        (p.954-7)

 

 

次に、同じく最初の二行も。

 

 

    Ⅰ

 

    HEAR the sledges with the bells ----

      Silver bells!

 

    Ⅱ

 

    Hear the mellow wedding bells,

      Golden bells!

 

 

    Ⅲ

 

    Hear the loud alarum bells ----

      Brazen bells!

 

 

    Ⅳ

 

    Hear the tolling of the bells ----

      Iron bells!

 

 

オノマトペは、こんな具合に。右差し

 

 tinkle, tinkle, tinkle,

    shriek, shriek,

    tolling, tolling, tolling,

 

 

 

それぞれが、どんな訳語で表出されるか・・・翻訳比較が興味深い!口笛

 

 

 

 

   <エドガー・アラン・ポーを読む・・・!>・・・52

こんな本を京都市立芸術大学図書館から借り受けてきて、コピーしてきた(館内閲覧のみ)。チョキ

 

 

夜の音楽 ショパン・フォーレ・サティ ロマン派から現代へ (ウラジーミル・ジャンケレヴィッチ/千葉文夫 他訳) /  古本、中古本、古書籍の通販は「日本の古本屋」 / 日本の古本屋

 

    本ヴラディミール・ジャンケレヴィッチ「夜の音楽」(シンフォニア 2012)

 

 

<目次>

 

1:■第1部: 夜の音楽
2:1.混沌の形而上学
3:2.アンチテーゼと子守唄
4:3.深夜にはすべてが許されている
5:4.眠りとアパッショナータ
6:■第2部: ショパンと夜
7:1.スケルツォ、バラード、幻想曲
8:2.死に至る闇
9:3.パッセージと手
10:■第3部: サティと朝
11:1.展開の拒否。白さについて
12:2.表現の拒否
13:3.「午前九時」の音楽
14:4.酔いざめ
15:■譜例
16:*訳者あとがき/索引

 

 

   

 

        ヴラディミール・ジャンケレヴィッチ(1903-1985)

 

 

 

もちろん、ここで紹介するのは、言うまでもなくエリック・サティについての叙述である。

 

 

 一 展開の拒否。白さについて

 

 サティには感情を恥じらうところがあり、それはまず展開の拒否に、次には表現の拒否のうちに認めることができる。

 

    (中略)

 

 きわめて薔薇十字教団的な秘教の色彩が強い『選ばれた乙女』がサティの秘教的作品の大部分に先行して存在することである。

                                  (p.102)

 

 

 こうしてエリック・サティは自分の音楽のもっとも変化に富んだものをどこにも導かない導入部、何かの後に来るわけでもない追記のようなものとして差し出し、彼が雄弁な形式にはほとんど重きを置かないことを示している。

                                  (p.108)

 

 

 サティの『パラード』がどれ程多くの大道芸人風音楽を生んだかわからない。この曲自体は『ナムーナ』の大道芸のパラードの系譜をひいているが、その雰囲気は木でできているのか本当のからだなのか判別できない哀れなあやつり人形ペトルーシュカに一番近い。

 

    (中略)

 

 サティの場合、自動人形とは道化師ばかりではなく動物のことでもある。というのもサティの作品には、サン=サーンス、シャブリエ、ラヴェルの作品と同様に、動物の謝肉祭そのもの、犬と魚類についての幻想が一杯詰まった動物譚が認められるのである。犬のための前奏曲があるし、犬のためのオペラの企画だってある。

 

    (中略)

 

 雄弁な演説と縁を切ってしまうような単調でモノクロームであることを目指す音楽は、いったいどんな種類の感情に訴えるのだろう。もし劇的な面白味が対比と急な展開によって更新されるとするなら、いっぽう不動性の方は聴き手のうちにある種の強迫的な状態を作り出す。

                                  (p.110-1)

 

 

 

ジャンケレヴィッチの文章は、哲学者らしくどことなく難解だ。うーん

 

かつて、学生時代に1冊読んだけど、もうタイトルも中味も忘れてしまった。

ただ、ややこしいジャンケレヴィッチという名前だけは憶えているわ!グラサン

 

 

 

 

 

   <エリック・サティ没後100年に寄せて!>・・・23

 

それでは、インテルメッツォ風に、詩作品を取上げてみようか!チョキ

 

ポーとしては、珍しく音を主題とした作品(詩)だ。

 

 

河合祥一郎(1960- )訳の「作品解題」から引用を。

 

 

『鐘の音』(詩)""The Bells"" (1849)

 ポーの死の約一週間後の1849年10月15日頃に発行された『サーテンズ・ユニオン・マガジン』十一月号に発表されるや大評判となり、ポーをさらに有名にした代表的詩作品。ボードレールのほかマラルメによるフランス語訳もある。

 この詩はさまざまに作曲され、歌われてきた。それらを聴いてもわかるように、この詩は強弱四歩格のリズムとオノマトペが極めて重要な要素となっているため、この翻訳では、英語と同じように歌えるようにリズムと音に配慮した。ポー自身これを何度も(例えば1849年5月下旬にローウェルのリッチモンド夫人を訪れた際にも)朗誦しており、声に出して読んでこそ意味がある詩と言えるだろう。さまざまな作曲がなされているが、ボブ・ディランの友人だったプロテスト歌手フィル・オクス(Phil Ochs)の1964年のアルバム(All the News That's Fit to Sing)に収められた歌が大変よくできており、インターネット上でも聴くことができる。

      (中略)

 ロシア象徴主義の詩人コンスタンティン・バリモントの訳詩に合わせて、セルゲイ・ラフマニノフが合唱交響曲「鐘」作品三十五(1913)を作曲した。

                                (p.258-60)

 

 

全体は、長さがまちまちの4連(スタンザ)から成っている。

 

ここでは、それぞれの連の最後の三行を並べてみよう。

 

     1

   鈴、鈴、鈴、鈴

       鈴、鈴、鈴-----

      チロリロリンと鈴の音響く

 

     2

   鐘、鐘、鐘、鐘

     鐘、鐘、鐘-----

   響き合い、愛を重ねる!

 

     3

   鐘、鐘、鐘、鐘

     鐘、鐘、鐘-----

    慄き、驚き、轟く喚き

 

     4

   鐘、鐘、鐘、鐘----

      鐘、鐘、鐘----

   うなり高鳴り、ひろがる呻き

                           (p.89-96)

 

 

2連の鐘はすべて「ベル」とふりがなが、3連の鐘は最初だけ「かね」とあり、4連の鐘はふりがなはない。

 

 

それぞれの連の最初の二行も・・・

 

 

 1

 ほら、橇の鈴----

   銀の鈴!

 

 2

 ほら、結婚の鐘----

   金の鐘!

 

 3

 けたたましい半鐘----

   銅の鐘!

 

 4

 ほら、弔いの鐘----

   鉄の鐘!

 

 

明から暗へと、だんだん鐘の音も低く大きくなってゆくようだ。ガーン

 

 

なお、オノマトペも紹介しておこう。右差し

 

 1連 シャンシャン シャンシャン シャララ

    チロリロリン

    チロリロリン

 

 2連 ガラン、ゴロン、ガラン

 

 3連 カンカン カカカン

    ジャンジャン

    カンカン

    ジャカジャカ

    ガンガン

 

 4連 カラン、コロン、カラン

 

 

 

鐘の音と言えば、日本では寺の梵鐘のゴウヮ~ンという音を連想するけど、西欧では、大きさによっていろんな高さがあり、もっと澄んだ音色が特徴的だろうか(間近に音階を連ねたカリヨンは聴いたことあるけど)。グラサン

 

 

 

 

   <エドガー・アラン・ポーを読む・・・!>・・・51