ポーの
「盗まれた手紙」の後記として、こんな視点に注目してみたい!![]()
ナラティブとは「語り」とか「語り方」とかを意味するのが通例だけど、ここで着目してみたいのは、語りの中の台詞・セリフである。
ポーの作品では、デュパンなどが説き明かしで延々と謎解きの説明をぶつ場合が頻出する。
ここで、河合祥一郎訳の「作品解題」から、こんな部分を引用してみたい。
・・・なお、この翻訳の新味の一つとして次を挙げておく。デュパンがアパネシーの話を持ち出す直前に警視総監に 'you might----puff, puff----employ counsel in the matter, eh?' と語りかける台詞の employ counsel という表現を、先行訳はいずれも「人の助言を受ける」「相談する」といった意味合いで訳してきているようだが、 employ はこの場合「(金を払って)雇用する」の意で、 counsel は「法的顧問」(集合名詞、『オックスフォード英語辞典』の定義 8a)と解釈すべきか。警視総監は当初からデュパンの助言(忠告)をもらおうと相談しに来ており----「デュパン君は、どうしたらいいと思うかね?」(225ページ)と助言を求めており、デュパンは再調査しなさいと助言を与えている----デュパンの譬え話からも明らかなように、デュパンが言わんとしているところは「意見をただで聞き出そうとしてはいけない」ということであろう。・・・
(p.275)
ここでは、謎解きのデュパンが延々と語るのだけど、ポー作品の中で、最も重きをなしているのは実は「語り手」なのである!![]()
何も登場人物のセリフだけでなく、ポーがいろんな仕掛けを講じたのは、まさに「語り手」の語りを通じてだった(もちろん、ポーが語らせているのだ)。というのが、ポーの功績だと言っていいだろう。![]()
果たして読者がそれに気づいているかどうか、もし気づいていたら読む愉しみは増すだろうて!![]()
<エドガー・アラン・ポーを読む・・・!>・・・61