今度は、この作品を取上げてみよう!![]()
先ずは、どんな作品か、江戸川乱歩による解説「探偵作家としてのエドガー・ポオ」から引用しておこう。![]()
「ポオ小説全集 Ⅳ」(創元推理文庫 1974初版)
第五作『盗まれた手紙』はポオの探偵小説の中でもっとも好評の作品である。クイーンも短編ベスト・テンのポオの作としては、これを選んでいるし、最近私が統計を取ってみた英米の十五冊の著名な短編探偵傑作集でも、作品の頻出度でこの作品が第一位を占めている。又ヘイクラフトは前記の著書の中に、この作について次のように書いている。
「『盗まれた手紙』はデュパンの登場する三つの探偵小説の内で、構図の巧みさにおいても、文学的価値においても、遥かに群を抜いた満足すべき出来栄えである。これは他の二作よりも単純で、短くて、よく纏り、作の主題をしっかり掴んでいる。冒頭に例の饒舌な理屈が続くことなく、単刀直入に本題にはいっているのも快い。わずか数行で舞台面が描写され、しかも、従来の作に比べて、ずっと巧者に、自然に描かれている」
私もポオの探偵小説で何を採るかと云われたら、結局『盗まれた手紙』を選ぶことになると思うが、しかし、ヘイクラフトが云うような纏りがよいとか巧者だとかいう理由によるものではない。私としてはやはり、もっとも巧みな隠し方は隠さないことだという心理的テーマを第一として、地図の中の大きい活字ほど探しにくいとか、相手の顔つきを真似ればその考えが分かるとかいう、常識以上の機智の面白さに惹かれる。(以下、略)
(p.434)
ここでも言及されているけど、常識を超えたところにこの作品の価値・魅力があるのだろうなあ!![]()
でも、アラン・ポーの多くの読者たちにとって、他の作品を措いてイノイチに選ぶ勇気?はありやなしや?![]()
<エドガー・アラン・ポーを読む・・・!>・・・56