今度は、この名盤である。
ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』全曲
ビルギット・ニルソン(S:イゾルデ)
ヴォルフガング・ヴィントガッセン(T:トリスタン)
エーベルハルト・ヴェヒター(Br:クルヴェナール)
クリスタ・ルートヴィヒ(M:ブランゲーネ)
マルッティ・タルヴェラ(B:マルケ王)
クロード・ヒーター(T:メロート)
エルヴィン・ヴォールファールト(T:牧童)
ゲルト・ニーンシュテット(B:舵手)
ペーター・シュライヤー(T:若い水夫)
バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
カール・ベーム(指揮)
録音:1966年7月、バイロイト祝祭劇場[ステレオ]
1960年代バイロイト黄金期のピークを記録し、1967年度レコードアカデミー大賞を受賞した名盤「ベームのトリスタン」。長年、このオペラの最高峰と言われて高い評価を維持し続けているホットな名演奏です。この時期まさに絶頂期にあった主役のふたり、ニルソンとヴィントガッセンを中心に、ヴェヒター、ルートヴィヒ、タルヴェラ、ヴォールファールトと素晴らしいキャストが揃い、新進時代のシュライヤーが若々しい美声の水夫役で花を添えています。
ベームの強烈な緊張感をみなぎらせた指揮も大きなポイント。「実演で燃えるベーム」の特徴を最高度に伝える演奏として有名なものですが、当初は聴衆無しのセッション録音を企画していたメーカーをベーム自身が「ぜひライヴで」と説得、3日間のゲネプロに1000人の聴衆を招き、1日1幕ずつ通しで収録されたと伝えられています。
カール・ベーム(1894-1981)
この緊迫感と昂揚力あふれる演奏を聴くと、数多あるオペラ作品の中で、たった一つだけ選べと言われたら、「トリスタンとイゾルデ」を選ぶしかないでしょう!
中でも屈指の名演・名盤が、錚々たる名歌手たちによってなされたのだった。
特にビルギット・ニルソンのイゾルデは並ぶもののない絶唱で、ブリュンヒルデとイゾルデにかけてはこの人に敵う人は後にも先にもないと断言してもいいかも。。。
(唯一、マリア・カラスのイゾルデも聴いてみたかったなあというないものねだり)
死後はほとんど顧みられなくなったカール・ベームだけど、モーツァルトやブラームスの名演・名録音と並んで、バイロイトにおける「指環四部作」と「トリスタンとイゾルデ」は金字塔だろう!
<ワーグナーを聴く・・・!>・・・14