今年は、世紀の巨匠フルトヴェングラーが亡くなって70年になる。
そこで、手元にあるCD音源を引っ張り出して、いろんな録音を愉しもうと思う!
先ずは、手始めに本の紹介から始めようか・・・
今世紀最大の指揮者フルトヴェングラーが没して三十年,その名声は現在も高まる一方である.彼の芸術と人間像をドイツ現代史のうちにとらえ,芸術論以外にも広く亡命・非亡命,ドイツ的精神,有機体と共同体といった諸問題について論じる.丸山真男氏との鼎談「フルトヴェングラーをめぐって――音楽・人間・精神の位相」を収録
1984年に岩波新書から刊行されたもの。
二人の独文学者と思想家である丸山真男のフルトヴェングラー観を読む。
音楽評論家でない著者たちの視線を見ておくことに。。。
2011年初版(左)の新装版(右):(河出文庫 2022)。
ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーなどの演奏論。巻末に『LP300選』に掲載されたレコード表に基づくCD一覧を増補。著者没後10年を期して。解説=片山杜秀。
吉田 秀和(よしだ・ひでかず)
1913年生まれ。音楽評論家。文化勲章、大佛次郎賞、讀賣文学賞。『吉田秀和全集』他著書多数。
(左) 志鳥栄八郎「人間フルトヴェングラー」(朝日文庫 1993)
(右) 宇野功芳「私のフルトヴェングラー」(河出書房 2016)
志鳥栄八郎(1926-2001)と宇野功芳(1930-2016)は、上の吉田秀和(1913-2012)と並んで、戦後日本の音楽評論界において活躍した人たちで、多くのクラシック音楽ファンに多大な影響を与えた。
それぞれの評論家が、いずれもフルトヴェングラーについて著書を刊行しているのは故なしとしない。
それだけ戦後日本においてもフルトヴェングラーの存在は大きかったのだった!
著者として名前は出てないけど、日本政治思想史を専門とした丸山真男が対談の相手となっているのが、岩波新書「フルトヴェングラー」と、吉田秀和「フルトヴェングラー」の両書においてというのもたまたまにせよ面白いかな。
フルトヴェングラーの遺産を聴いてゆくにあたって、これらの本からも参照したい。
<フルトヴェングラー没後70年に寄せて!>・・・0