こんにちは、リブラです。
今回も、ジェームズ・クリアー著「複利で伸びる1つの習慣 Atomic Habits」の解説をしていきます。
第20章 良い習慣のマイナス面
はじめのうちは習慣の繰り返しが、望ましいアイデンティティ(自分とは何かという認識)の証拠を積み上げるのに欠かせません。
ところが、新しいアイデンティティをやっと手に入れたとき、その同じ信念が次のレベルへの成長を妨げることがあります。
アイデンティティが1種の「プライド」を作り上げ、自分の弱点を否定するようになり、ほんとうの成長が妨げられてしまうのです。
その考えが自分にとって神聖なものであるほど、自分のアイデンティティに深く結びついているほど、批判から固く守ろうとするのです。
ひとつのアイデンティティに頑なにしがみつくほど、それを超えて成長するのが難しくなります。
ひとつの信念だけで自分を定義したら、人生で試練が起きたときに、適応できるものがほとんどなくなってしまいます。
アイデンティティのひとつの側面だけに、あなたの大部分を占めさせてしまうと、その一面が人生からなくなったときに、あなたはアイデンティティの危機に直面して、自分自身を失い、打ちのめされるでしょう。
この本の著者クリアー氏は若い頃、アスリートであることがアイデンティティの大半を占めていました。
そして野球選手をやめた後、自分探しに苦しみました。
自分をひとつの姿に提議するために全生活を注いでいたのに、それがなくなったら、「いったい今の自分は誰なんだろう?」と。
このようなアイデンティティの喪失を和らげるカギは、もし、役割が変わっても、アイデンティティの重要な側面を保てるように、自分を再定義することです。
・「わたしはアスリートだ」を「わたしは精神的に強くて、肉体的な挑戦が好きなタイプの人間だ」に変える。
・「わたしはCEOだ」を「わたしはものを創りあげるタイプの人間だ」に変える。
効果的に選べば、アイデンティティは柔軟性を持ち、壊れずに済みます。
習慣は多くの益をもたらしますが、そのマイナス面は、まわりの状況が変わっているときでさえ、それまでの考え方や行動パターンにわたしたちを閉じこめてしまうことです。
自己認識の欠如は毒であり、見直しと考察が、その解毒剤となります。
ー「複利で伸びる1つの習慣」より引用ー
習慣の核に望むアイデンティティ(こんなわたしになりたい!というセルフイメージ)があれば、そのセルフイメージに近づくため、地道な取り組みの励みになります。
向かうべきゴールがはっきりとして的を定めやすくなるばかりでなく、新しい習慣の動機の根底が「こんなわたしになりたい!」というアイデンティティだからです。
「こんな人だと思われたい」「こんな人だと思われるのは嫌だ」と心の中で囁き続けるわたしたちのエゴは、社会的に生き残るために常に理想的で有利なアイデンティティを欲しています。
エゴは物質世界に最も価値を置きながらも、自らは実体のない意識体なので社会や人間関係の中で与えられる称号や役職や役割などの仮面(ペルソナ)に固執します。
以前解説記事を書いた「ヒロインの旅」でも、著者のモーリーンが娘の大学進学に伴い、「冥界下り」の状態に入る場面が出てきます。
セラピスト、アーティスト、著作家など様々な肩書を持つモーリーンなのに、母親という大役のお役御免に何も手がつかないほど落ち込んでしまうのです。
「冥界下り」から這い上がるのに5~6年は要したといいます。
デメテルの苦しみ | リブラの図書館(スピリチュアルな本と星のお話)
この現象こそ、第20章でクリアー氏がテーマに挙げた「良い習慣のマイナス面」なのです。
良い母親になろうと頑張り続けたからこそ、娘の独り立ちでその必要がなくなったとき、母親のアイデンティティを失って心に大穴が空いたような状態に陥ったのです。
顕在意識が理想のアイデンティティの旗を掲げ、潜在意識も一丸となってその理想の自分になるための習慣を繰り返し、見事そのアイデンティティを獲得したときには、そのアイデンティティにプライドを持ち、それ以降の変化に抵抗してエゴはしがみつくのです。
しかし、わたしたちを取り巻く状況は常に変化し、精神的成長を促します。
精神的成長を妨げるようなプライドを持つと、必ずへし折られるような出来事がやって来ます。
そのアイデンティティのプライド問題を見事に説明し、解決しているのが占星術のかに座神話としし座神話です。
蟹座のお話 | リブラの図書館(スピリチュアルな本と星のお話)
獅子座のお話 | リブラの図書館(スピリチュアルな本と星のお話)
ゼウスの隠し子であるヘラクレスは、ヘラから狂気を送り込まれて愛する我が子を誤って殺害し、それを目の当たりにした彼の妻はショックで自殺してしまいます。
その罪の贖いのためにゼウスが課したのが12個の試練(主に怪獣退治)で、屈強なヘラクレスは最初の試練であっさり海獣ヒドラを倒します。しかし、ゼウスに讃えられたのは、ヒドラを助けようとして巻き添えで死んだ大蟹カルキノスの方でした。
戦いに勝つことにプライドを持っていたヘラクレスは、ここで「無敗の勇者」のアイデンティティを打ち砕かれました。
弱いけれど捨て身でヒドラを助けようとしたカルキノスの友情に、ヘラクレスは負けたのです(かに座神話)。
そして、12試練リストの次の標的は人喰い獅子ですが、何でも貫く牙と爪を持ち、鋼鉄よりも硬い皮膚に覆われる怪獣です。
こんな生き物と戦って勝てる見込みはほとんどありません。
ここでヘラクレスが行ったのが、アイデンティティの再定義でした。
「戦いに勝ち続けた自分」のプライドを捨て、「戦いの勝ち負けにこだわらず、逃げずに挑む自分」にプライドを持つように再定義したのです。
「戦いに勝ち続けた自分」のプライドを捨たヘラクレスは、負けを怖れず「逃げずに挑む自分」に誇りを持ったので全力で戦うことができました。
その結果、人喰い獅子はヘラクレスの気迫に怖れをなして洞窟に逃げ込み、ヘラクレスの怪力で洞窟の壁に押さえつけられて窒息死しました。そして、その功績を讃えられてヘラクレスの獲物の獅子が星座に上げられました。
アイデンティティの再定義は、絶対に崩壊しないプライドを自身の内部に設定することがポイントです。
きっとモーリーンも「娘の成長に最善を尽くす母親」から、「娘の独り立ちを喜び、第2の人生を謳歌する母親」にアイデンティティを再定義して、「冥界下り」を終わらせたのでしょう。
次回も「複利で伸びる1つの習慣 Atomic Habits」の解説を予定しています。
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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
