こんにちは、リブラです。
今回は「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンスを育てる>」の第7章の解説です。
*エレベーター内に隠れていた殺人的傾向のある患者
ある精神病院でエリクソンが深夜勤務をしていたとき、殺人的傾向のある患者がエレベーター内に潜んでいたことがありました。
エリクソンがそれに気づいたのは、エレベーターのドアが閉まった後でした。
そのエレベーターは自動で鍵がかかるシステムで、エリクソンはその鍵を持っていましたが、逃げるのに必要な時間はありませんでした。
その患者はエリクソンに向かって、
「夜の回診をするあんたを待っていたんだ。これからあんたを殺してやる」
と穏やかにいいました。
そこでエリクソンは、
「で、殺しはここでするつもりかな・・・?それとも向こうかな?」
とシンプルに答えました。
患者は、エリクソンが選んだ最初の場所を見て、次に二つ目の場所を見ました。
彼が向こう側を見た隙にエリクソンはエレベーターのドアを開き、さらにいいました。
「もちろん、向こうには、このあとで腰を下ろせる椅子がある。
それが噓じゃないのは、よくご存知のはずだ。
そうだ、まだあっちにも椅子がある」
エリクソンはそういいながら歩き出しました。
「さらに、別の椅子が向こうにもあって、廊下の反対側の端にも、もう一ついい場所があるなあ」
患者は、エリクソンが自分の終焉の場として選んだところをひとつひとつ見ながら一緒に歩き続け、とうとう看護人が集まっている詰所に到着しました。
エリクソンはその患者に質問することで、殺人から殺害場所に注意をそらしたのです。
何か質問された相手は、それについて考えざるを得なくなり、「質問する人がその会話の主導権を握る」からです。
エリクソンは後にこの患者とのやり取りを説明したとき、以下のようにいいました。
「相手の思考を受け入れるのである。
それと闘おうとしてはいけない。
それと争ってはいけない。
ひたすらそれを利用し、役立つ方法はすべて使って、患者の思考に入念に手を入れ、それを引き延ばすのだ」
ー「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンス>を育てる」ーより
攻撃的な人やこじれてしまった関係の人と交流しなければならないとき、わたしたちは警戒心により臨戦態勢に入ってしまいます。
エリクソンが奨める、
相手の思考を受け入れる。
それと闘おうとしてはいけない。
それと争ってはいけない。
は、なかなか思いつきません。
怖れで、自分の視点から見た世界しか意識が向かわなくなるからです。
でも、エリクソンは精神科医として、命の危険を感じながらもその患者の殺意の動機を探っていたのでしょう。
彼のさそり座水星は10室(天職のハウス)にあります。
さそり座は真実・真相を掴むことを切望し、水星は思考を司るので、エリクソンはどんなシチュエーションに遭遇しても、精神科医として患者の心の謎を解明せずには死んでも死にきれないと思ったはずです。
そうは言っても、殺意を持った患者とエレベーターに閉じ込められたら冷静な思考は働きません。
冷静な思考を乱すのは感情で、感情を司るのはホロスコープでは月の役目です。
エリクソンの月は、てんびん座で9室(探求のハウス)にあります。
月は感情の不安と安定を表します。
そして、風星座(ふたご座、てんびん座、みずがめ座)の月は、情報不足で不安を感じ、情報を掴めれば安心します。
未知の世界への知的探求を表すハウスに月があるエリクソンは、てんびん座の両極性の視点で相手の視野に立つシュミレーションをしながら、患者との対話で殺人動機に関する情報を引き出し、安心材料にしたのでしょう。
コミュニケーションにおいて、てんびん座の天体を働かせると、
相手の思考を受け入れる。
それと闘おうとしてはいけない。
それと争ってはいけない。
になります。
相手の視野に立ってシュミレーションができるから、「相手の思考を受け入れる」ことは難しくありません。
だからエリクソンは、「殺す場所はどこにするのか」を一緒に探す行動に誘ったのです。
相手がこの誘いに乗ることを確認して、エリクソンはこの患者が個人的恨みの殺人動機ではないとわかり、彼のてんびん座月は安心したはずです。
てんびん座は、対極のおひつじ座とは真逆のアクションをする星座です。
おひつじ座なら、自分の考えを主張し、闘い、争って欲しい結果を勝ち取ります。
それをてんびん座なら、相手の考えを聞き、相手のニーズを突き止め、理解を示して譲歩を自分から提案します。
しかし、その譲歩案の中にちゃっかり自分自身のニーズを盛り込みます。
エリクソンが患者の殺人計画の実行に従う振りをしながら、死に場所を探しにつき合わせたあげく、看護人の詰所に患者を誘導してしまったように。
てんびん座の武器は、コミュニケーション能力とバランス感覚と調整力なので、苦手な闘いや争いに持ち込みません。
このように、てんびん座が活躍する場を与えられ、相手を理解するに足る情報を掴んでいれば、エリクソンのてんびん座月は殺される不安に駆られません。
それどころか、恐怖のエレベーターから脱出・誘導作戦を決行して、患者の真相心理の深掘りはさそり座水星にバトンタッチの連携プレイができるのです。
殺人計画を立てていた入院患者の目的を、エリクソンの「死に場所探し」に「注意のそらし」をして、「死に場所探し」を「座り心地の良い椅子探し」にすり替えて、看護人詰所に同行させてしまったのです。
彼のてんびん座月が演出したコミュニケーションにより、その患者の真のニーズは殺人ではなく、「個人的な注目」であることが判明したから、エリクソンは余裕で自分と患者を安全地帯に誘導できたのでしょう。
わたしは太陽と月と水星がてんびん座なので、鑑定のときよくこのてんびん座機能を使っています。
出生データ(生年月日と出生地と出生時刻)だけで、未だ1度も会ったこともない人物の魂のブループリントを読んで、過去生~今生に至る動機や人生のドラマを生む葛藤とその統合に至る道筋や副人格として天体のキャラクターの扱い方などを鑑定書に作成します。
鑑定のときわたしはホロスコープの天体1つ1つと対話します。
天体と対話すると、その天体のホロスコープ内での立場がシュミレーションできて、その思いがひしひしと感じられます。
だから、鑑定書が仕上がる頃には、その人物の人生を描いた魂への理解がかなり進んだ状態になっています。
わたしは、誰しも魂意識がひとりにひとつ内なる神として存在していることに確信を持っています。
ホロスコープを読み、実際にお客様と会ってお話して、いつも驚くのです。
無限の可能性を含めたそのブループリントの計画の壮大さに。その天体の配置の完全さに。
その人がおぼろげながらにも抱く夢に必要なものは、すべてホロスコープに既に描かれていると。
エリクソンのてんびん座の月が9室にあるのも、さそり座水星が10室にあるのも、全知全能の内なる神が意図して創ったブループリントなのだと思うと、この殺人未遂事件も単なる患者とエリクソンの話ではないのでしょう。
エリクソンにとっては、てんびん座の月とさそり座水星が命拾いのツールになり、患者にとっては殺人まで犯さなくても、話しかければ真摯に対話に応じて理解を示してくれる医師がいることを知る日になったことでしょう。
次回は「エリクソンの心理療法<レジリエンス>を育てる」の解説を予定しています。
わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。
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