こんにちは、リブラです。
今回は「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンスを育てる>」の第7章の解説です。
*大出血したアラン
エリクソンの7才の息子アランは、外遊びで転んだ拍子に割れ瓶で脚に大きな傷を負いました。
アランが泣き叫びながら家に入ってきたときには、ひどく出血していました。
アランが次の叫び声を上げようと、一瞬泣くのをやめて息を吸い込んでいたとき、エリクソンは大急ぎで指示を出しました。
「アラン、大きなタオルを取ってくるんだ。
小さいのじゃない。大きなタオルだ、大きなタオル!」
アランがその指示どおりにすると、エリクソンは次の指示を与えました。
「頼むから、それをきつく巻いてくれ。
ゆるくじゃだめだ。きつく巻くんだぞ」
アランがタオルを巻き終えとき、エリクソンは彼がとてもうまくやったと認めてあげました。
もう、アランは泣いていませんでした。
エリクソンはアランを外科に連れて行く前に、どう振舞うべきか教えて、彼に心構えをさせました。
アランは外科医に会うと大胆にこう言いました。
「100針縫ってください!
お姉ちゃんはいつも、前に縫ってもらった針の数を自慢するんです。
だから、ぼくはお姉ちゃんの数よりたくさん縫ってほしいんです」
外科医はアランを診察台に載せると、エリクソンの方を見て「全身麻酔にしますか?」と尋ねました。
エリクソンはさり気なく「アランに訊いてください。どうしたいか自分で言うと思います」と答えました。
するとアランは「100針縫ってほしい」ことだけを辛抱強く外科医に説明したので、麻酔なしで縫合することになりました。
アランは全く痛みを訴えませんでした。
そればかりか、「そんなに間を開けて縫わないで、もっと目を詰めて縫い目を増やしてください!」と注意を促しました。
縫合後の処置の間ずっと、アランは行われていることを見つめ続け、指示し、批評しました。
エリクソンはアランを外科に連れて行く際、
「ベティ・アリス(エリクソンの娘でこの本の著者のひとり)が何針縫ってもらったと自慢するけれど、これをやめさせようか」
と彼に提案していたのです。
そして、エリクソンは、アランを励まし、「姉を追い越すという目標を達成するために、外科医がどんな処置をしているのか、詳細な注目が必要」と指示を与えて置きました。
「注意をそらす」方法を適切に使えば、患者は決意を強固にして、困難な課題に向かうことができるのを知っているエリクソンは、それをアランに促し、怪我に立ち向かうレジリエンスを引き出したのでした。
「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンス>を育てる」より
エリクソンは、患者や我が子の自発性を引き出すことを大切にしていました。
それは<レジリエンス(逆境や絶望からの精神的な回復力)>を育てるための必須条件だからです。
発達障害や小児麻痺の後遺症を超えて精神科医になったエリクソンだからこそ、誰かに助けられるばかりではほんとうの回復にならず、自らの心を助けることができたときほんとうの回復に至るのを知っていたのです。
アランの姉のベティ・アリスが、縫い傷を勲章のように弟に自慢していたのは、傷を縫われたときの恐怖を自力克服できる自信をつけていた証拠です。
エリクソン家の教育方針が効いて、ベティ・アリスは傷を負うことがトラウマではなく、自信を生む機会になったのです。
縫い痕が残るような傷を負っても、心がレジリエンスによって回復していたら、そのつらい記憶は自信に転換され、不死鳥のごとく逆境を乗り越える力になるのです。
アランが麻酔無しの治療を望んだのは、痛みの恐怖さえ超えて自身の傷が縫われるのを観察するためでした。
それができれば、姉にその様子を語って自慢できるからです。
このレジリエンスのパワーを引き出すのが最も得意な星座は、やぎ座です。
そして、最も逆境や絶望に弱く、レジリエンスを引き出すのが苦手な星座は、いて座です。
やぎ座は、楽な道と難しい道があると敢えて難しい方を選択します。
やぎ座はムダを嫌うので、簡単にできてしまうことより、攻略が難しく様々な経験と自信を同時に手に入れられる方を好むからです。
一方、いて座は明るい未来を直感的に掴む先見力があるので、見通しが明るい、シンプルでスムーズな方を選び、複雑で攻略が難しそうなものを避ける傾向があります。
いて座は、逆境や絶望で暗い気分になると直感が鈍り先見力が冴えず、どこを目指したらよいのかわからなくなるからです。
けれども、いて座こそ、レジリエンスを引き出せたら、最強になれるのです。
レジリエンスがあれば、もう、逆境や絶望を恐れて避けて通る必要はなくなります。
この物質世界では、逆境や絶望を避けて望みを具現化する方が難しいのですから。
制限の壁を攻略せずにちんまり安全圏に留まっていたら、明るい未来は絵に描いた餅で終わってしまいます。
ピンチに遭遇したら、レジリエンスという無敵の宝刀を獲得するチャンスと捉えて挑めば、エリクソンやその子どもたちのように、どんな災難に見舞われても人生に明るい希望を絶やすことがありません。
失敗の恐怖を払いのけ、一筋の希望さえあればそれを目指して前進できるのです。
レジリエンスでいつでも心を回復できる自信が備わるからです。
エリクソンは、12室(潜在意識~集合意識のハウス)にやぎ座のキロンと火星と土星と木星があり、11室(グループのハウス)にいて座の太陽と天王星の合があります。
彼のいて座太陽と天王星の合は、5室(至福と創造性のハウス)のふたご座冥王星と180度で葛藤するアスペクトを持つので、いて座がシンプルで明るい見通しのある方を目指そうとすると、ふたご座はそんな攻略が簡単なのはおもしろくないと反発します。
だから、エリクソンはいて座の幸運の矢を持って生まれても、いつも的に当たらない挫折を繰り返してきたはずです。
明るい未来を想定しても、ああでもない、こうでもない、あれもこれもある・・・と様々な選択肢を考え、ひとつに的を絞って行動することが難しかったことでしょう。
優秀な頭脳は持っていても、普通の人々と違う思考や感覚が作動してしまうため、コミュニケーションがかみ合わずいつも情報が混乱をきたしていたようです。
小児麻痺を患い、身動きできず耳と目しか使えなくなったとき、家族を観察していてはじめて彼は、言語コミュニケーション以外の無意識レベルのものも働いて会話が成り立っていることに気づきます。
この瞬間からエリクソンは、12室の潜在意識で活躍する彼のやぎ座の4天体を駆使して、心理学や精神医学や催眠療法の可能性を追求することを志したのでしょう。
身動きひとつできない自分の身体に絶望していても何も得られませんが、目と耳は働き、家族も気づいていない無意識レベルのコミュニケーションの法則(後にNLP;神経言語プログラミングと呼ばれる)を見つける喜びに希望を見出すことができたのです。
エリクソンのやぎ座4天体がもたらしたレジリエンスが働き、彼はその時点で自分ができる一つ一つのことを未来の希望につなげ、松葉づえを使い独りで川下りのボートの旅をしたり、障害の残る身体で精神科医として78才で亡くなる直前まで現役で仕事をしたりなど、困難な望みをことごとく具現化したのです。
エリクソンの魂は、やぎ座のレジリエンスのパワーでいて座の打たれ弱さを克服させ、どんな逆境でも未来の可能性を追求し望みを具現化する最強のいて座&やぎ座のコラボレーションの人生を意図したのでしょう。
もうすぐ、やぎ座冥王星時代は終わりになりますが、2008年~2024年までの冥王星のやぎ座滞在のおかげで、わたしたちも何度となく逆境や絶望に遭遇して、レジリエンスを引き出すチャンスに事欠かなかったと思います。
その経験を無にしないためにも、ピンチに遭遇したら回避ではなく、自発性でレジリエンスを引き出し、明るい未来の創造を楽しんでいこうではありませんか。
次回は「エリクソンの心理療法<レジリエンス>を育てる」の解説を予定しています。
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