こんにちは、リブラです。今回はミルトン・エリクソンの本を題材に、潜在意識の世界を解説してこうと思います。

 

*大学時代に働きながら自分の道を行く

 

エリクソンの娘クリスティは高校生のとき、進路について具体的な質問を尋ねました。

 

クリスティ「お父さんは医学校に、働きながら行ったよね。もちろん、(小児麻痺の)障害があったので大変だったでしょう。今のわたしはそのときのお父さんより若いので、働きながら大学に行こうと思います」

 

エリクソン「いいとも」

 

クリスティ「それで、質問したいのは、どのくらいの食費と部屋代を払えばよいのかだけれど」

 

エリクソン「それは重大な質問だ。食費と部屋代で週25ドルくらい、しかし、それは電話や冷蔵庫の使用を除いてだよ」

 

クリスティ「やってみるわ。じゃあ、町に行って仕事を見つけなくっちゃ」

 

エリクソン「推薦状がいるかね?」

 

クリスティ「社会保険番号、高校の卒業証書が推薦状になるわ」

 

クリスティは病院事務のタイプの仕事に応募し、面接のときに「君はたくさんの医学用語を知らなくてはいけないのだが」と言われたときに、「はい、知っています」と答えて採用されました。

クリスティはまだ、この頃は医学部に入学前の高校生でした。

 

クリスティはこのアルバイトをきっかけにして、図書館でドーラン医学辞典、ステッドマン医学辞典、ウォーレン心理学辞典を読み漁ることになりました。

 

1年後、クリスティは医学部入学のためミシガンに旅立ちました。エリクソンを始め、母親も兄も、「いくらかお金はいるか?」と尋ねましたが、クリスティは「いらない」と答えました。

 

クリスティの履修表が19時間になっているのを見て、学生部長が「勤労学生は16時間までしか許されていない」と言うと、クリスティは「先生のところで働くのだから、わたしの仕事ぶりと学業成績の両方を見ることができるので、思うようにできるでしょう」と答えて、学生部長に「そうだ、そうしよう」と言わせてしまいました。

 

しかし、クリスティは学生部長のオフィスで働くだけでなく、秘密で地下特売り場で働き、初老の夫婦の家に住み込み、料理や掃除や孫の子守りなどの仕事をして、家賃や食費も浮かせていました。

 

ー「私の声はあなたとともに」ーより

 

やぎ座アセンダントで4天体やぎ座集結を持つストイックな努力家のエリクソンに、1番似ているのが次女クリスティかなと思います。5人の子どもたちの中では最も反抗的でしたが、それはクリスティの自発性が際立っていたからでしょう。

 

「良い子」だから親にお金の苦労をかけずに大学に行ったというより、「父にできたことだからわたしだってできるはず!」と親を超えるチャレンジとして自ら挑んだのだと思います。

 

自発性は回復が絶望的な患者からたくさんの奇跡を引き出したエリクソンが、1番大切にしてきた診療方針です。患者自らが望み、その望みにコミットする(自分の100%の力を注ぐ)ことで、奇跡は現実化するのです。

 

高校生のクリスティは、医学部受験の合否も、1年間のバイトで入学金や授業料が貯められるかどうかも、医学部の勉強と仕事の両立が可能かどうかも、当然、予測不可能でした。

 

自ら望んだ夢でないと予測不可能なことにチャレンジするとき、不安や怖れに押しつぶされてしまいます。親から期待されて・・周りから勧められて・・ぐらいの動機では、自分の限界に挑戦する力は湧いてきません。

 

障害を超えて医師になる夢を具現化させたエリクソンのやぎ座は、12星座の中で最も現実的で具現化力に優れた星座ですが、その具現化力がどこから湧いて出るかといえば、逆境に苛まれたときの無力感や絶望感で「このままで終わってたまるか!」と下剋上スイッチが入り引き出されるのです。

 

わたしは「高卒で就職して家にお金を早く入れてほしい」と言う両親に抗って進学したので、当然、勉強とバイトに追われる学生生活でした。

 

検査の実習は測定結果出るまで終わらず、想定通りの測定値が出ても、出なくても、それぞれ考察を考えてレポート提出しなければならないので、遅刻を認めてもらえるバイトを探すのがたいへんでした。

 

夏休みや冬休みは、デバートの売り場とフェリーの掃除の2つを掛け持ちして働いていたので、わたしにとっては「休み」ではなく稼ぎ時でした。

 

それでも、自分の頑張りで望みが叶い、臨床検査技師の国家試験に合格したときの達成感は大きく、自信がつきました。絶望的に見えても、それが心からの願いならば、自身の身体も気力も能力も総動員して限界を突破してくれるんだな、と自分の潜在能力を信じるようになったのです。

 

そのように導いてくれたのは、わたしのホロスコープのアセンダントにコンジャンクションしているみずがめ座土星です。両親が望んだ銀行員にわたしはまったく興味が持てず、顕微鏡でミクロの世界を眺める仕事にみずがめ座の血が騒ぎ、夢ではなくリアリティを感じていました。

そのためにだったら、親の反対も、経済問題も乗り越えてみせる!と闘志が湧いたのです。

 

やぎ座の支配星である土星は、試練を与えるけれども、それを真摯に受け止めて乗り越えると、必ず「自信」というご褒美を与えてくれます。

 

わたしの1ハウスの土星は「自分を信じるための試練」を度々課しますが、逃げずに受けて立てば必ず現実を生きるための力が増して、自分を頼りにする安心感が得られるのです。

 

生まれたときの土星があるハウス、あるいは運行中の土星が入っているハウスの分野は、試練を課されますが頑張りどころです。その試練で身につけた経験と自信は一生ものの財産になります。

 

次回はエリクソンの「わたしの声はあなたとともに」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

詳しくはこちら をご覧ください。

 

新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。