東京45年【88-2】宇奈月温泉、やっぱり分かっていない? | 東京45年

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東京45年【88-2】宇奈月温泉

 

 

 

1986年 正月

 

 

『はい、分かりました。。。』

 

 

『ホントに分かった?』

 

 

『多分、分かった』

 

 

『じゃあ、知床はどうするの?』

 

 

『止める』

 

 

『もう、分かってないじゃなの。

 

全くモー。。。いい、私は行って欲しいの。

 

そりゃあ、心配症だし、心配だけどね。

 

でも、あなたが山に行っても、あんな症状は出ないの。

 

あなたが居ない間は、あなたを思ってオナニーするだけなの。

 

あなたが大好きだから、あなたが好きな事をして欲しいの。

 

私があなたを一番に思っている事を分かって欲しいの。

 

それが分かっていないのに、

 

気を使って丁寧に親切に優しくされるのが嫌なの。

 

普通に愛して欲しいだけなの。

 

あなたも普通にして、私も普通にして、それで愛し合いたいの。

 

そうしたら安心して、何の不安も無く愛していられるの。

 

分かった?』

 

 

『普通で良いって事ね。玲を自然体で愛すれば良い?』

 

 

『そうよ、やっと出来たわ。ハナマルよ』

 

 

『ごめん。でもホント勘違いして、遠慮していた』

 

 

『そうよ、遠慮し過ぎよ。

 

まあ、私が好きなあなたの優しさなんだけど。

 

私はどこにでもいる平凡な女よ。

 

特別、優しくしなくて良いの。

 

たまには、邪険にされても良いの。

 

ただ、あなたの特別な女で居たいの!!!』

 

 

『なんか、感動している。

 

じーんとしている。ねぇ、一つ聞いて良い?』

 

 

『何よ!!まだ何かあるの?言ってみて!!』

 

 

『玲に俺の気持ちは伝わっている?』

 

 

『当たり前でしょう。バカ!!!ホントにバカ???

 

いつも帰りに電話をくれる事や、

 

スーパーで買い物して来る事、

 

掃除もしてくれて、

 

ゴミも出してくれる。

 

皿洗いもしてくれて、

 

それが嫌々でもなく、

 

当たり前にしてくれるでしょう。

 

お風呂のカビも取ってくれて、

 

トイレも綺麗にしてくれて、

 

ただ、素手で便器を洗う人は初めて見たけどね。。。。

 

あれは、ビックリだわ!

 

とにかく、気が付いた事を細々やってくれるでしょう。

 

家事って、炊事・洗濯・掃除だけじゃないのよ。

 

トイレットペーパーが無くなりそうだとか、

 

塩が無くなりそう。

 

洗剤が無くなりそうって。。。。覚えて無きゃいけないの。

 

それを、あなたは、私が言わなくても買って来てくれるの。

 

部屋のゴミ箱を綺麗にしてくれたり、

 

落ちてるヘアピンを拾ってくれたりって。。。。

 

 

最初の頃にゴミ出ししてくれた時、

 

私がありがとうって言ったら、何が?って聞いたでしょう。

 

あれは、ド・ストライクだったの!!!

 

ああ、この人となら一緒に暮らせるって思ったの!

 

分かる???』

 

 

『そんな事???玲って、小さいんだな。。。。』

 

 

『そうよ。女って小さいのよ。

 

恋する女は、小さいのよ!

 

そんな小さな事で、毎日の気持ちが決まるのよ。

 

機嫌が悪くなったりするの!

 

喜んだり、悲しんだりするのよ。

 

一日気分が良かったりするのよ!』

 

 

『そうか。俺が悪いな。

 

勝手にこうすれば喜ぶんじゃないかとか、

 

勝手に安心させようとしたり、身勝手な奴だな』

 

 

『でも、こうしようとか、これはどうとか、いろいろ相談してくれるのは嬉しいわ』

 

 

『なんで?一緒に暮らしているんだから、当たり前でしょう?』

 

 

『出来る出来ないに関わらず、相談されると大切にされてるって思うのよ』

 

 

『そうか、じゃあ、これからもいろいろ相談するよ。

 

玲がそう思ってくれているんだって分かって良かった。

 

もっと早く分からないといけなかったね』

 

 

『司は、山とか、自分がやりたい事には、絶対的な自信があるのに、

 

女に対しては自身が無いのよ』

 

 

『そう。そうだよ。

 

自分がやりたい事は努力すれば出来ると思ってて、

 

出来なかったら努力が足りなかったって思えば良い。

 

でも女は、女って言っても玲だよ。

 

玲以外は女と思っていない。

 

とにかく、玲に喜んで貰いたいんだけ。。。。

 

だけど、何をすれば良いか分からないんだ。

 

何気ない一言で玲を嫌な気分にさせる事があるかも知れないだろう?

 

だから、そうならない様にって考えると、

 

壊れない様にって思うと、

 

丁寧に親切に優しくって、なるんだよ』

 

 

『ふーん、なるほど。。。。それは感動するわ。

 

それなら、じーんってなるわ。

 

司、あなたが好きよ。

 

私もあなたの事を勘違いしていたわ。ごめん。

 

あー、やっぱり、なんだかんだ言ってもあなたが好きだわ。

 

じーんとしているわ』

 

 

『例えば、思いがけず玲を傷つけたとして、

 

それでも玲は俺を好きなままでいてくれる?

 

それが積み重なって行くと、もう、いいやってなる可能性はあるでしょう?

 

だから、俺はそれを出来るだけ避けたいんだよ。

 

でも、それをやり過ぎると玲が、さっきの症状が出て苦しむのも嫌だし。

 

俺はどうすれば良いんだろう?』

 

 

『そうか。。。。。。あなたが言った対処法をやってみるわ。

 

司って、やっぱり私の事を考えているって、よーく分かったわ』

 

 

『俺は、心配事が無くなったから良かった』

 

 

『あー、こういうのって良いわ』

 

 

『それって分かり合うって事?』

 

 

『そうよ。心が繋がっているもの』

 

 

『俺は勘違いして、繋がってなかったけどね』

 

 

『ちょっとズレてると思ってたけど。。。。かなりズレてたわ。。。あはは』

 

 

『ごめん』

 

 

『でも、司は可愛いわ』

 

 

『どこが?何がそう感じるの?』

 

 

『考えなくて良いわ。そのうち分かるわ』

 

 

『ふーん。そうか。。。。。。。だけど、玲も可愛いよ』

 

 

『私はどこが可愛いの?』

 

 

『京都に来た事と夜行に乗った事、アナルSEXをしても良いって思った理由』

 

 

『そんな事?』

 

 

『だって好きって事でしょう?』

 

 

『そんな事も分かってないのね。

 

それは幼稚だわ。先が思いやられるわ』

 

 

『仕方がないだろう。

 

分からない事は分からないんだから。

 

京都に来るって言われた時は嬉しかったけど、

 

何故来るのか深く考えていなかった。

 

夜行列車も。。。。』