前回の記事「CBS その3」でCBSが活性してしまう要因を挙げました。

 

活性による問題は以下のようになります

 

・SUOXに影響(モリブデンの消費)

・アンモニア毒性上昇(ブレインフォグやパニック発作など)

・尿素回路への負担

・硫化水素濃度の上昇

・BH4枯渇

・コルチゾール濃度上昇

・タウリン濃度上昇

・G6PDHへの影響

・グルタチオン減少

 

活性すると碌なことがないのですが、硫黄転移経路ではグルタチオンが作られ、解毒も担うため、完全に抑え込んではいけないというジレンマがあります

 

今回はタウリンを取り上げます

 

イカやタコなどに多いタウリン、栄養ドリンクなどによく入ってますね。前記事でタウリン↑は硫黄転移経路下流の硫化水素↑によりNMDA型グルタミン酸受容体活動性が上がるから良くないと書きました

 

タウリンは低いレベルであれば鎮静効果がありますので過剰に低くしたくありませんが、現代人でそのような人はまず見かけないらしく、エイミープロトコルではあえて補給する必要がないとされています

 

高いレベルのタウリンの問題は以下です

・硫化水素↑

・GABA輸送を阻害

・体温低下(慢性疲労症候群と関連)

・グルタチオン↓

・ビタミンB12やモリブデンの消耗

 

レベルの確認は尿アミノ酸検査で行います

 

タウリン上昇する原因は

・CBSアップレギュレーション

・感染

・胆汁の減少(ACAT+)

 

感染の疑いも考えられる場合は便検査(CSA、GM)の実施を考慮します

 

胆汁の減少について、

胆汁は体内では危険な物質なので、タウリンが普段は胆汁酸と結合しています。胆汁が減るとタウリンが余るため、タウリンレベルが上昇します。

 

ACATはアセチルCoA合成に関わる酵素です(下図の左上)

このACATに遺伝子変異があるとダウンレギュレーションにより胆汁の材料であるアセチルCoAも減ることがあり、それによりタウリンが上昇します

 

次回に続く?