平治の右側に座っていました。
彼女の左目が、
黄色く濁って見えることに、
ふと彼は気づきました。
夕暮れ時の光の加減なのか、
最初はそう思って、
また彼女の横顔をそっと見ると、
やはり、
白磁のように艶やかな白い肌の中で、
その一か所だけが、
なぜか少女の、
一点のシミのように思えました。
「気づいた?」
少女はふいに平治を
彼は一瞬どぎまぎして、
「いや、」
「見てたでしょ、わたしのこの目」
と加奈ちゃんは、
自らの左目の下の頬を指さしました。
「見てたっていうか、それは…」
「気づいたんでしょ?変でしょう?」
「…」
彼女は一瞬立ち上がるそぶりを見せましたが、
すぐに腰を落ち着かせると、
「これね、あんまり見えてないんだよ、
一応ね、小さい頃、ごみが入って、
擦ったりして、、
それで擦りすぎて炎症起こして、
見えなくなっちゃったって、
言ってるんだけどお…、ほんとはね、」
少しの間、沈黙が続いて、
平治はきょとんとした顔を
加奈ちゃんは表情のない顔つきになって、
「あいつに殴られたから、それで目、
見えなくなっちゃったんだよ」
「あいつ?」
「うん、あいつが、大人なくせに、
思いっきり殴ってきたから、それで私、
ずっと目つぶってた、
もう開かないんじゃないかって、
朝起きて、目開けたら、
開けれたんだけど、
なんか濁ってて、いろんなもの、
見えなくなってたんだ…、」
平治はなんにも答えませんでした。
あいつ、というのが誰なのか、
それも疑問でしたが、
なにか深く暗い世界に
引き込まれるような気分でした。
夕闇のその先が、
鮮明だった建物の屋根や電信柱を
闇に隠していくように、
その先には、
何も見えないような、
そんな気がしていました。
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<span style="color:#ff0000;"><strong>2019/9/10 428日目</strong></span>
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