ゾーキャスラー -8ページ目

他人の記憶

頭の中に他人の記憶が流れ込んで来たかのような、

そんな変な体験。

 

よく仕事場に遊びに来る友人。

いつも他愛もない話をするんだけど、たまたま路面電車の話になった。

 

私は岡山の路面電車は廃止された世界から来てる。

彼は路面電車のある今の世界。

その立場は彼も了承してる。

「この車社会に道路の真ん中をあんなものが走ってたら邪魔でしょ。」(あくまでも個人の感想です。あしからず)

彼は「でも走ってる。」

ええそうですね!走ってますね!

続けて彼は「あった方が便利やろ。」

ほう、邪魔か便利か、そこで世界線が別れたんか。

さらに「お前、昔、路面電車とぶつかりそうになったって怒ってたやん。」

 

ん?コヤツも嫁と同じこと言うとる、と思った瞬間、喫茶店のテーブルを囲んで、彼に何かを訴えてる若い自分の姿が鮮明に頭に浮かんだ。

ちょっと待って、この記憶は何?

彼は怒ってると言ったがそうじゃない、ぶつかりそうになって怖かった事を訴えてる。

服もこの頃よく着ていたシャツだ。

 

その時は動揺を隠して、しばらく四方山話を続けた後、彼は帰った。

 

一人になってからさっきの記憶を思い起こす。

私も路面電車とぶつかりそうになったような気がしてきた。

路面電車、有ったのか無かったのか、少し混乱した。

しかし、この記憶は、彼目線の記憶だと気がついた。

そして思い出した。

テーブルをはさんで彼に何か訴えてる。この場面は、確かに有った。

しかし、私の記憶とは内容が全然違っていた。

私の記憶は、踏切で停車している時に前に止まっていた車がいきなり後退してきてぶつかったことに怒っていたはずだ。

彼の記憶が私に流れ込んで来たんだろうか?

 

こんな時は、地図のオーストラリアの位置を見て自分を落ち着かせる。

こういう世界なんや。