昔、

冷酷な数学の先生が受験直前に受験生に言いました。


君達はやるだけのことはやり、

私も教えることは全部教えた。

だから最後に私が最も論理的ではない大嫌いな言葉を贈ります。


「がんばれ」


先生の気持ちがじぃーんと響いた。

君が立つその場所へ無数に射し込む命。

揺れる蜃気楼の彼方から涙の香りは届く。


その温かさは悲しみ色から優しさで包まれていて、

僕らの胸に深く染み込んでいく。



削れてくパーツが

夢の中にまで押し寄せて

心細くなる頃

心の片隅で君は

笑ってと泣いた


僕らは走り出す

自転車のペダルをめいっぱい踏み込んで

揺れる太陽の光の中を

颯爽と駆け抜ける恋

明日が笑顔で溢れてる

そう願いながら…



一番好きな時間を、

一番好きな人と過ごした。

だから今がどれだけ苦しくても、

私は笑顔でいられる。


たとえ、

あなたの時間が止まったままでも。

私の時間は続いているの。

もう逢えない笑顔を、

何度も繰り返し描きながら。


何度も空を見上げながら…。

特急電車が通り抜ける駅のホーム。

私は車窓からそれを見ていた。

するとホームの女性が突然私の前方の窓へ手を振った。

そちらを見ると、

小さな男の子がホームの人たちへ手を振っている。


あぁ、

あの女性はこの子に。。


私もああいう女性になりたいと思った。