この春、大学生になった甥っ子に垂れた講釈 | 西方見聞録(旧パリレポート)

西方見聞録(旧パリレポート)

2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

今まさに入学の季節で

私の姉の息子、つまり

わたしの甥っ子がこの春、

大学に入学したのですが、


その甥っ子の大学入学に際し

姉から頼まれたのが

「息子に大学時代をどう過ごすべきか

教えてあげてほしい」というもの。


大学時代をどう過ごすべきか、、、

もうだいぶ大学を卒業してから経つ自分に

何が話せるのか、、、


なぜ私にそんなことを頼むかと言うと

姉は大学を出ていないので

そんな話をできる最も身近な人間が

自分だから、とのこと、、、


甥っ子はとにかく

いい会社に入りたい!

と強い希望を持っているとのことで


いい会社に入るには

どんな大学時代を過ごすべきなのか、

と言うことを最も知りたいらしい。


んーーーー、、、

いい会社に入るために

大学時代をどう過ごすべきか、、、


まー、正直に言うと、

自分は行きたかった某出版社に入れず、

就職活動は全くもって成功したと

言えない身なので

完全に失敗例しか話せないけど、、、


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と言うわけで、

目黒雅叙園のカフェで

入学式終わりで

スーツ姿でパリッとキメた甥っ子と

会ったわけですが

何を話せばいいものか、、、


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とりあえず自分の大学時代の話。

当時(90年代)は

バブルは弾けていたとは言え


まだその華やかな雰囲気は残っていて

先輩たちの就職も

青田買いが横行していた時代。


自分は大学に入学してすぐに

塾講師のバイトを始めたのですが、

同じ大学に通う塾講バイトの先輩は

政府系の銀行に内定していたり

大学のサークルの先輩たちも

JRやNHKなどからバンバン内定を

もらっていて

余裕綽々な様子。


むしろ「内定後の拘束がきつい」と

言っていたのを思い出します。


そんな様子を見て、

当時本当にアホだった(今でもアホですが)

自分は、


大学に入るやバイトに明け暮れまくって

速攻で車を購入。


ホンダ・4代目プレリュード。中古で購入。ホイールは写真よりずっとかっこよかった、、、

今の感覚だと「大学1年生でありえん」
という感じですが、

当時はバブルの残り香があったこともあり、
また、自分の周りの友人が
なぜか車を持っていたこともあり
(スカイラインGTRやNSX、カマロ、BMWなど)

当然、という感じで車を購入していました。
(どんな時代、、、汗)

NSXの友人はアコードワゴンも持っていて
彼のアコードワゴンに板を乗せて
夏にはサーフィンに行き
冬にはスノボーに行く。
(そう言えば彼は開業医の子でした、、、)

またクラブの全盛期で
高校時代の親友がクラブに
どっぷりハマっていたこともあり

付き合いで青山や渋谷の地下にある
薄暗ーーーくて狭いクラブに
朝まで入り浸る日々、、、
(青山のミックス、懐かしい、、、)

当時バイトは塾講の他に
DHLという航空輸送会社で夜勤もしてて

そのDHLは大学の先輩から
枠を継承される夜勤バイトで
昼までぶっ通しで働くと
1日2万円ほどになるトンデモバイト。。。

なので、バイトの稼ぎが月に25万円ほどあり
社会人になり初任給をもらった時
手取りがバイト時代のほうが良く
「あ、あれ?」となったことを覚えています。

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サークルは、自分の大学は
「女子は他大(女子大)、男子はうちの大学」
という構図のものが多く、
(近くに女子大が多かったため)

今考えると気持ち悪いですが
(当時も気持ち悪いと思っていた人が多かったかもですが)
自分が入ったサークルは
(すいません、テニスコートサークルです、、、)

一学年、
男子は10人ほど、
女子は70〜80人ほどと
とんでもないバランスで構成されていました。
(一年の頃)

※もちろん、全員自分たちの大学の人間で構成され、男女比も半々のサークルもたくさんありましたが

サークルの活動内容と言えば
男子部員の8割はラケットすら持っておらず、
各学年数名めちゃテニスのうまい人間を
プレマネ(プレイングマネージャー)として採用し

そのプレマネに球出しをさせ
(女子は練習の参加率が良い)

練習終わりの飲み会から
他の男子メンバーは参戦。

とにかく面白いことが求められ、
また飲みの激しさは
今やったら炎上レベルのもので

 "コール飲み"と言う、
飲むための(飲ませるための)掛け声が
何通りもあり、

それを掛け合いながら
潰れるまで飲ませていく、、、

先輩からの圧が凄く
「これを飲むまでこの部屋から出るな」と
大五郎(どデカい焼酎のボトル)を
ドン! と置かれ、

大五郎。4リットルを四人一組で空けるまで部屋から出られなかった、、、

同期の男子で、一つの部屋に閉じ込められて
それをあけるまでコールをしながら
飲んでいく、、、

男子だけでバカ笑いしながら
お酒を飲み合い、

お酒が弱いわたしは結局いつも潰れて、
朝までトイレに顔を突っ込んで
気が付いたら駅のロータリーで寝てた
なんてことは日常でした。

※女子と楽しく飲んでいたのは
先輩たち、そして大五郎を飲みきって生き残った酒豪の奴らだけ。

自分たちが上級生になった時には
男女比もそんなに偏ってなかったし
下級生に飲みを強制とか
あり得ない風潮にもうなってました。

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就職は楽勝(と思ってた)、
高額バイトでお金はあって車を乗り回してる、
異性との出会いもめちゃある、
クラブなどで夜遊びしまくり、
サークル活動は何やってるのか分からない、、、
(授業もとにかく楽勝、、、)

今このように書くと
とんでもない大学生活ですが、
それを全力で、真剣にやっていたのだから
不思議なものです。

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ここまでかなり長くなりましたが、
そんな大学生活を過ごした自分に

何としても一流企業に入りたい!
という彼に
何を語れるのか、、、

とりあえず彼に伝えたのは、
上のように何の目標もなく
遊びまくった自分の失敗例。

彼も私も文系なので
比較的時間があるため
ともすると自分のような生活に陥りやすい、
ということと、
(そんなこと無いか😅)

あとは、今個人的にすればよかったと
一番思っている「海外に行くべし」ということ。

自分がフランスに約5年住んで
色々視野が変わった経験もあり、

また海外で生活することは
かなりサバイバルな事も多いので
生きる力を身に付けるにも
かなり有効な選択になると
彼に講釈しました。

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あとは、色々社会人を経て感じたのが
「日々アンテナを張って生きていないと
面白い事は頭の上を素通りしていくし、
逆にアンテナを張っていると
色々なチャンスの種を掴むことができる」
ということ、
(なので色々な事に興味を持って、積極的に本を読んだり、人に会ったり、情報を取りに行ったほうがいいという事)

それと、
「自分から働きかけて動かないと、
誰かの働きかけに動かされる人になっちゃう」
ということ。

これは働いていて本当に感じてきたことで
学生時代からその意識で過ごす事で
大学時代に得られるものも
大きく変わってくるのではないかと
思ったからです。

そんな事を、雅叙園のカフェで
つらつら垂れたわけです。

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と、何でこんな事を
ブログで書いているかと言うと、

今日、奥さんが「これ読んでみて」と
転送してくれた記事が
あまりにも素晴らしかったから。

その記事とは、
今年の東京大学の入学式で、
宇宙飛行士の候補となっている
〈米田あゆ〉さんが話した祝辞を
書き起こしたもの。


これは全人類が読むべきものなのでは?

特に心が震えたのが以下の箇所。
「誰かが挑んだフロンティアをただ後追いすることではなく、チャレンジ精神そのものを学び、他者と協力し合いながらも、一人ひとりが独自の一歩を踏み出すこと」

まだこの記事を読んでいない方、
時間があったらぜひ読んでみてください。

大五郎を抱えて、トイレに頭を突っ込んでた
わたしが言うのも何ですが、、、

わたしは速攻、甥っ子にリンクを貼って
メールしました。
「これを読んでください」と。

雅叙園で垂れた自分の話が
恥ずかし過ぎて、穴があったら入りたいです、、、

※東京大学の入学式の祝辞とは
全く違った角度のものですが、
今年の早稲田大学の入学式の祝辞も素晴らしいです!
(脚本家の北川悦吏子さんの祝辞)
これを読んで「あー、自分の学生生活も無駄じゃなかったのかな」と思いたい、と思った次第です😅