〈令和〉時代、日本は生き残っていけるか | 西方見聞録(旧パリレポート)

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2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

さて、ニュースを見ると
日本では〈令和〉ムードで大盛り上がり
とのこと。
〈令和〉って初めて書きました!(^^)

日本もこれから
〈令和〉という新しい時代を
生きていくわけですが、

これからの時代、
社会はどう変わっていくのか、
日本はこの先も、経済大国として
覇者でいられるのか

などなどについて
ちょっと考えてみました。

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というのも、
先日(だいぶ前ですが)、
とある駐在員の方と
二人でゴルフに行き

その車内で
日本の会社の今後について
真剣に話す機会があり、

その内容がとても面白かったからです。

私も知らなかったことなので
ぜひ皆さんとシェアしたいと思い
こうして書いています。

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その方が言っていたのは

今の日本の会社と
世界の会社では
あまりにレベルの差がありすぎて、

このままでは、日本は
経済大国としての地位を
維持することは非常に困難、

ということでした。

ちょっと抽象的なので
彼が言っていたことを
分かりやすく説明しますと、
以下のようになります。
まず、日本の会社は
日本人が経営しているケースが
ほとんどです。
(社長が日本人ということ)

そして幹部などのマネージメントも
日本人のスタッフがほとんど。

もっと言えば、
一般の社員も日本人がほとんどです。

これはどうゆうことかというと、
日本人の人口は、
約1億2400万人。

つまり、
この1億2400万人の中から
優秀な人材が、
日本のトップ企業の社長を
やっているわけです。
(優秀ではないケースもあるかもですが)

一方、アメリカの企業など
国際企業の場合はどうでしょう。

もちろん、社長は
アメリカ人に限りません。

世界中から
優秀な人材が集まり、
その中で優秀な人が社長を務めます。

アメリカの会社ですが、
社長はインド人、中華系アメリカ人、
イギリス人、フランス人、ドイツ人、
イスラエル人、様々です。

そして国際企業のトップは
圧倒的にユダヤ人が多いのですが、
彼らは国境など関係ありません。

社長だけに限りません。
その下の幹部たちも、
別にアメリカ人に限りません。

世界中の優秀な人材が
会社のマネージメント部門で
働いています。

そして、一般社員も
それは同じこと。

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すると、
どのようなことが起きるでしょう?

世界に人口はどれぐらい
いるでしょうか。

約73億人です。

上に書いたように、
日本は約1億人。

つまり、世界の約73分の一です。

これが何を意味しているかというと、
日本が1億人のトップが
日本の企業を動かす、として、

国際企業は、
73億人のトップが動かす、
わけです。

73対1

国際企業は、
73倍優秀なわけです。

もちろん、単純に73倍、
とは計算できませんが、

とんでもない差があることは
明確な事実です。

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そんなに差があるのに
日本はこれまでよくやってるな、
と思うわけですが、

それは一重に
日本人が平均的に
世界の平均よりもかなり優秀である
というのは間違いないと
私は思っています。

しかし、いくら日本人が優秀でも
73対1という戦いには勝てません。

また、日本が欧米から遠く、
日本語という外国人には取得困難な
言語を使用していること、

さらに日本の人口が、
一国としては巨大であることが
(一言語としてのマーケットが巨大)
(内需で経済成長可能)

日本企業が外国勢力に
吸収されずに
生き残っていられる要因の
ひとつ、とのことでした。

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確かに日本のマーケットは
それ自体が大きいので

内需だけでも十分に
成長できますが、

日本は鎖国しているわけではないので
それでは海外のイノベーションに
徐々に飲み込まれていきます。

それは
ガラパゴス携帯の例を見ると
よくわかると思います。

73億の頭で考えたものと
1億の頭で考えたものでは
いくら日本人が優秀でも
正直勝てません。

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〈日本の会社は、日本人が経営する〉

この考え方から脱しないと
日本はガラパゴス化し
スマホに飲まれたように

全てのものが
飲み込まれる可能性があります。

そんな中、日本の会社でも
その〈日本人経営〉の発想から脱した
大手企業も存在しています。

それが、〈武田薬品工業〉とのことです。
(すいません、聞いた話なので詳しく調べてません。聞いた話をそのまま書きます)

〈武田薬品工業〉とは、
日本の薬品企業のトップ企業です。

一般向け商品では
「アリナミンV」「ボラギノール」などが
知られていますが

もちろんそれは
会社名の宣伝みたいなもので、
彼らがメインで収益を上げているのは
病院で使用されている薬です。
(医療用医薬品)

〈武田薬品工業〉は
会社名は日本語で、本社は日本にありますが
国際企業であります。

社長はフランス人。

幹部も外国人がほとんどです。

と聞くと、
「え? タケダって、外国に買収されたの?」
と思うかもですが、
そうではありません。

逆で、タケダは外国企業を
積極的に買収し、
会社を大きくしている会社です。

昨年もタケダは
自分の会社よりも大きい会社を買収。

とんでもない買収劇を展開し
大きな話題となりました。

医薬品業界は
新薬の開発が命で、
これまで日本企業は
自社での開発で戦ってきましたが
もうそれは時代遅れとのこと。

日本のたかが一企業が
使える開発費と、
世界のファンドが投資する
研究機関に集まる開発費では

何十倍、いや何百倍も
差があるそうです。

アメリカにはそんな
医療の研究機関がザラにあるそうです。

製薬会社は
どんなに会社が大きくても
新薬を開発できなかったら
利益を出せないビジネス形態です。
(ジェネリックがあるため)

そのため、グローバルな経営が必須、
そのためにタケダは
旧式の日本経営から脱し
いち早くグローバル化した、

とその駐在員は言っていました。

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企業が大きくなるには
M&A(企業の合併吸収)が欠かせません。

それには、世界のどの企業と合併するべきか
分析できる幹部の能力が命です。

そしてそれには
膨大な英語の資料を読みこなせる
英語力は必須。

英語が読めない日本人の
幹部が、通訳を介してやっていたのでは
話になりません。

しかし、
殆どの日本の大手企業の幹部は
実は英語を読めません。

読める、と言っても
頑張って読める程度。

そんな状況なのです。

超大手企業でも
そんな感じです。

タケダのように
日本人縛りにしない
オープンな経営に切り替えなければ
日本の将来は
ガラパゴス携帯のようになる

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と、そんな話を
ゴルフから帰る車の中で
聞いたのでした。

皆さんはこの話
どう思われるでしょうか?

では引き続き、
よいゴールデンウィークを
お過ごしください!