世界一のパティシエが通う、2周ぐらい先を行ってるパリのフレンチ! | 西方見聞録(旧パリレポート)

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2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

パリには星の数ほど
フレンチレストランがありますが、

私の勝手な解釈だと
そのフレンチレストランには
大きく分けて3種類の
フレンチがあるように思います。

一つは、クラシカルなフレンチ。
これは、老舗のビストロなどに多く、
フランスの昔ながらの
伝統的なメニューを出す店。
(例えばこんなレストラン)


もう一つが、
キラキラ華やか系のフレンチ。
星付きなどはこのタイプが多く、
盛り付けが凝っていて
芸術的なものも見受けられます。
結婚披露宴なんかで出て来るようなタイプです

そしてもう一つが、
上の典型的なフレンチから
一方踏み込んだ、
創作系のフレンチ。

最近だとアジアンテイストを
フュージョンさせたものが
多く見受けられ、
特に日本のテイストを
盛り込んだものも多い気がします。

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と、何が言いたいかと言うと、
先日、
「パリで今、
一番美味しいと思うパティスリー
『ル・ムーリス・セドリック・グロレ』」
に着いて書いたとき、

その天才パティシエについて
ネットで調べたのですが、
(セドリック・グロレ氏。
2017年世界一となったパティシエ)

その記事のインタビューで
セドリック・グロレ氏が
「パリでオススメのレストランは?」
という質問で答えていたのが

『パピロン(PAPILLON)』
という17区にあるレストラン。

世界一のパティシエが
「行きつけ」というレストラン。

グロレ氏はいわば
世界で最先端を行く人間。

そんな彼が勧めるレストラン
『パピロン』って
どんな所か。

よっぽど高いレストランか
と思ったら、
星付きではなく、
結構良心的な価格。

であれば、
一度行ってみよう!

と、本日、
予約を取ってその『パピロン』に
行って参りました!!
世界一のパティシエが勧めるレストラン『パピロン』

店内は、平日なのに
イケてるフランス人で満席!
予約で一杯でした

店の前には、
運転手付きの巨大なベンツが止まり
超金持ちそうな夫婦も
入っていきます。

星付きでもないのに
この客層!

これは期待が高まります!!

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メニューは
コースだと75ユーロ(約9800円)。

んー、ちょいそれは高い、、、
と躊躇し、

普通に単品を食べることに。
(だいたい30ユーロ前後、約4000円)

まず一品目。
奥さんとシェアした前菜が
「鴨肉のラビオリ、スープ和え」
おおっ!!??  これは何ぞな??

まるで、
ラーメンのような雰囲気。

どれどれ。

と、まずスープを一口
スプーンですくって飲んでみると、、

ラーメンやん!!びっくり

いや、ラーメンとは言い過ぎかも
ですが、
鶏ガラ醤油的なスープで
中に入っているラビオリは
イタリア料理で出てくるラビオリと言うより

ほぼ餃子!!

斬新!!!びっくりびっくりびっくり

ラーメンスープに
餃子が入ってる、
と言うと安っぽい表現ですが、

それがとても上品な味わいで
フレンチでもあるわけです。

これは新しい!!

中華っぽいですが、
これが中華料理の店で出てきたら
ぶっ飛びの美味しさで
仰天するでしょう。

つまり、ここのフレンチは
冒頭に書いた
3番目のフレンチ、
創作系のフレンチなわけです。

しかも、
その中でもかなりチャレンジングな
創作フレンチ。

なるほど、
普通のフレンチなど食べ尽くした
舌の肥えたグロレ氏が
「面白い!」と思うテイストなわけです。

客層も、星付きなどを食べてきて
もうパリのフレンチを2周回ったような
人たちの雰囲気。

パリにおけるフレンチの
最先端を行っているレストラン
なのかも知れません。

バスティーユ近くに
『セプティム』というフレンチがあり
そこもチャレンジングな
創作フレンチでしたが、

ここはもっとチャレンジングな
気がします。

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長くなりましたが、
次のメインに行きます。

メインは、私が
「ユタ農場(ノルマンディー地方)の豚肉料理)
見にくいですが、豚肉が二層になってます

奥さんが、
「乳飲み子羊の背肉、クスクス添え」
見にくいですが、右はクスクスです

まず、私がオーダーした
「豚肉料理」は
肉の上に添えてあるのは
何とわかめと海苔!!

完全に和風です。

かなり斬新さを感じました。

そして奥さんの方、
「乳飲み子羊」に添えられた
「クスクス」。

「クスクス」は
北アフリカ〜中東にかけての料理。

この組み合わせもまた
斬新です。

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と、このように、
ヨーロッパではない、
アジア、アフリカのテイストを
ふんだんに盛り込んだ
新感覚のフレンチ。

そもそもフランス料理とは
ルーツは北イタリアの宮廷料理で、

そこから、様々なテイスト、
調理法を取り入れて
進化を遂げてきた料理。

特に現代のフレンチは
先日亡くなった巨匠ポール・ボキューズが
築いた功績が大きいのですが、

そのボキューズが強く影響を
受けたと言っているのが日本料理。

日本料理の「素材を大事にする」
料理法が現代フレンチに
強い影響を与えている、
と言われています。

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このようにフレンチは
“フランス固有の料理”ではなく、
いわば
”世界にある料理の美味しいどこ取り料理”
なわけです。

なので、
言ってみれば何でもありで、
日々、新しいものを吸収し
進化し続ける料理なわけです。

そして、その
チャレンジングなフレンチを
邁進しているのが、
今回の『パピロン』。

次を求める
新進気鋭のフランス人に支持される
新感覚フレンチを試したい方は
ぜひ足を運んで見てはいかがでしょうか!