両親とドイツ旅行(続き)。いつも大変な父(続き) | 西方見聞録(旧パリレポート)

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2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

両親とドイツ旅行、
続きです。

前回、うちの父が
いつも大変なことについて書きましたが、
まだ続きがあるので書きます。

前回を読んでいない方は
話が分かりやすいので
ぜひ前回をお読みください。

————————————
うちの父は
とにかくクラシック音楽が大好き。

特にモーツァルトが好きで、
今回のドイツ旅行中、
基本的にずーっと
「モーツァルト聞きてーなー。
モーツァルト聞きてーなー。
これでモーツァルト聞けたら
最高だな」
と、繰り返しているわけです。

ロマンチック街道を
車で走っている時も
ずっと言っていたのですが、

そんな父が、
街道を走っている時、
道路標識に”シュトゥットガルト”の文字を
見かけると、
「あ、あっちに行くと
シュトゥットガルトなんだ」

「あ、シュトゥットガルトって
ここから近いんだ」

など、必ずと言っていいほど
反応するわけです。

“シュトゥットガルト”とはドイツの都市で
今回の旅行では行く予定がない所
だったのですが、

もう、あまりにも毎回
“シュトゥットガルト”に反応するので、

ぶー「毎回シュトゥットガルトに
反応するけど何で?」

と聞くと、

「あー、シュトゥットガルトは
モーツァルトが音楽旅行で
行ったところなんだよ」

と言うわけです。

ぶー「へー、そうなんだー。
知らなかったわ。
でも今回はシュトゥットガルト、
行かないよ」

と言うと、

「あ、そう。ふーん」
と言う反応。

まー、気にしないで
旅行を続け、

ミュンヘンに入り、
街を散策していると、
その美しい街並みに感化されてか、
モーツァルト病が加速。
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ミュンヘンの中心地、新市庁舎

「あー、モーツァルト聞きてーなー。
これでモーツァルト聞けたら
もう言うことねーなー」
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ミュンヘンの街を歩きながら、モーツァルト、モーツァルトと言うわけです

と、あまりにもモーツァルト、
モーツァルトうるさいので、

ぶー「もしかしてモーツァルト、
ミュンヘンにも旅行で来てたんじゃないかな?」

と思って、
グーグルで調べると、

何と!!!!

モーツァルトの音楽旅行、
“シュトゥットガルト”には一度も行っておらず、
むしろミュンヘンに、何度も
来て演奏しているわけです!

と言いますか、
モーツァルトの人生初の
演奏旅行はミュンヘンで(7歳)、

時の王様を前に、
かなり盛大にやったとのことなのです!

と、父に
「モーツァルト、
”シュトゥットガルト”に行ってないよ。
むしろ、ここミュンヘンが
モーツァルトにとって
大事な所みたいよ」

と伝えると、
「ふーん」

という薄っっすい反応。。。

え!? なんで!!??びっくり

と、その反応の悪さが
気になりましたが、
ぶー「じゃー、モーツァルトが
王様の前で演奏した場所、
行ってみる?」

と聞くと、
「お、いーねー」
と、まずまずの反応。

チュー“はー、ひとまず関心持ってくれて
よかった”

とその場所に向かって
歩いていると、
ミュンヘンはそこかしこで
バイオリンなどを
弾いている人がいるわけです。

すると、父は
いちいちクラシック音楽に
反応して、
「あ、これはバッハの●●だ」
「あ、これは●●の●●だ」
と、ずーっと路上演奏に聞き入っている
わけです。

そんな中、
とある音色を遠くでキャッチするや、
「これは、」
と言って、
突然小走りになりだす父。

ぶー「おーい、どうしたんだー」
と、私と母のことなど
すっかり頭の中から抜けたように

どんどん一人で先に行ってしまう父。

ぶー何だ何だ?

と、父が曲がった角を
曲がると、

その先で、ある路上演奏者が
バイオリンを弾いているわけです。

そして、その演奏者の前で
顔を伏せってる父。

ぶーん? どうした??

私と母で、
不思議に思って父をよく見ると、

何と、父、
泣いているではありませんか!!!
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泣いてる父の背中、、、

滝汗え!!!! どーしたの?!?!?

そして、父、
その演奏者の楽譜をまじまじと見て、
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楽譜をまじまじ眺める父

「やっぱり、●番だ」

うーん「へ? 何?」

「いや、モーツァルトの●番を
ここで聞けると思わなかった」

よく分かりませんが、
このバイオリン演奏者、
モーツァルトの●番という曲を
弾いていたようです。
(すいません、番号忘れました。確か20何番って
言ってたような)

ぶー「いやー、よく分からないけど
よかったじゃん」

ミュンヘンの美しい街並みの中、
期せずして
愛してやまないモーツァルトを
聞くことができ
感極まって男泣きする父。

ニコいやー、よかったよかった(^^)

よかったねー、
などと母と言いながら、

ニコ「じゃー、この先に
モーツァルトが演奏した場所が
あるから」

と、その場所に着いて
ニコ「ほら、ここだよ!」

と、その場所を指差すも、
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幼き天才モーツァルトが王の前で演奏したという、ヴィッテルスバッハ王家の宮殿「レジデンツ」

「ふーん」

びっくりガーンゲッソリえええええーーーー!!!!

あんだけ、
「モーツァルトが演奏旅行に行った
シュトゥットガルト行きたいなー」
(モーツァルトはシュトゥットガルトに行ってません、間違いです)

と言ってたのに、
本当に演奏した場所を見て
その反応!!!!

どーゆーことやねん!!!おーっ!おーっ!

まー、多分父の頭の中には
“モーツァルトはシュトゥットガルトで
演奏旅行”
と、若き頃にインプットした
間違った情報があり、

そのイメージ以外は
受け付けないのでしょう。

因みに、本当にモーツァルトは
シュトゥットガルトに行ってないか、
一応帰ってから
モーツァルトの生涯を細かく綴った
サイトを読み込みましたが、

やっぱりシュトゥットガルトには
行っていませんでした。

どこでどうやって
その情報をインプットしたのか、、、

ちなみにですが、
父はパリに戻ってからも
そのバイオリン弾きのことは
よく覚えていましたが、

もちろんと言いますか、
モーツァルトが演奏した「レジデンツ」のことは
全く覚えてませんでした。。。

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それでは長くなったので
続きはまた次回に!