「レ・ミゼラブル」の舞台(パリのバリケード)を歩いてみた | 西方見聞録(旧パリレポート)

西方見聞録(旧パリレポート)

2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

3月14日(火)
天気:晴れ

フランスを舞台にした映画で
有名なものの一つに
「レ・ミゼラブル」があると思いますが、
※実際には小説→ミュージカル→映画

先日、パリのポルトマイヨで
「レ・ミゼラブル」のコンサートが
あったので行ってまいりました。
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Les Miserables(レ・ミゼラブル)のコンサート。フランスを代表する作家、ヴィクトル・ユーゴーの小説のミュージカルのコンサートです(ちょっと複雑、、、)
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この「レ・ミゼラブル」、
実は私は2012年に公開された
映画「レ・ミゼラブル」を見るまで、

「何かフランスかぶれで
鼻に付くな」と嫌っておりましたが、

映画で見るなり、
何よりその音楽の良さに感動!!

以来、
たまに部屋で「レ・ミゼラブル」の
音楽をかけるなどしていたわけです。

そして肝心のストーリーですが、
フランスに来るまで
フランスの歴史にほとんど興味がなかった
こともあって、
歴史的背景はあまり気にせず、

ただ登場人物たちの生き様に
感動していたわけです。

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ところが、フランスに来て
フランスのことを色々知るようになり、
この「レ・ミゼラブル」のことが
少し分かるようになってきました。

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ここで、
【「レ・ミゼラブル」って何?】
という方も多いと思うので
ザックリお話ししますと、
※偉そうですが、、、

「レ・ミゼラブル」は
1780年あたりから
1830年あたりまで、
フランス革命期(前後含む)
約50年間の話。

極貧に苦しむ姉家族のために
一本のパンを盗んだ罪で投獄され、
その後脱獄したある一人の
男性(ジャン・バルジャン)の人生を軸に、

フランス激動の時代を生きた人々の戦いと、
その戦いの中で生まれる愛を描いています。

自己犠牲たっぷりの
泣けるいい話ですお願いお願い
※皮肉ではありませんあせる

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"フランス革命"と聞くと、
何か難しそうで面倒くさい、

そして、フランス革命って、

「ぜいたく暮らしの王様たちを
貧困に苦しむ民衆が立ち上がって倒して、
民衆の政府(共和国)を作った革命でしょ」

と思っていましたが、
実際よく調べていくと、
全く違う側面が見えてくるので
驚きます。

フランス革命というと
どうしても
"マリー・アントワネット"
"ルイ16世"
がギロチンで処刑されたイメージが
ありますが、

これはかなり局部的な話で、
本来はここにスポットライトが
当てられるものではありません。

その本質は、
・王族、宗教の権力を失墜させる
・民衆による政治を目指す
・財産や土地の所有を保証する
・自分たちの国を作る

というところにあると
思います。

というと、
「あれ? それって
民衆の政府を作った革命ってことでしょ。
同じこと言ってない?」

となりそうですか、
厳密に言うとちょっと違います。

ここからは
話がややこしくなりますが、
かなり重要な話なので
もしよかったらお付き合いください。

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フランス革命は単に
・バスティーユ監獄襲撃
・マリー・アントワネットと
ルイ16世を処刑
で、すぐに民衆の政府が実現!
平等な世の中が実現!!
やったね!

という話ではありません。

1793年、
二人がギロチンにかけられたのち、
フランスは

共和政が樹立
(レ・ミゼラブルはこの辺りからの話)
ナポレオンの帝政(1804年)
(ここまでをフランス革命とする考え方が主流)
王政の復古(1814年)
(1830年の7月革命がバリケード戦の話)
(レ・ミゼラブルは1833年までの話)
また共和政(第二)(1848年)
また帝政(第二)(1852年)
またまた共和政(第三)(1870年)
※以降、第一次&二次世界大戦
※現在は第五共和政

と、とにかく混乱します。


この混乱した状況を経て
何が変わったか、というと

・国は国民のものだから、自分たちの国は
自分たちで守ろう! (戦争はみんなで戦おう!)
→兵は雇う時代から国民兵の時代へ
→世界にそのコンセプトは拡散

・とにかく一生懸命働いて
お金を稼いでいい暮らしをしよう!
→誰もが財を蓄え、土地を所有できる時代に
→資本主義経済の確立


となったわけです。

一見、かなり平等・近代的で
いいことのようですが、

国民皆兵の戦争では
それまでの戦争とは比較にならないほどの
犠牲者を出す結果を招き

(雇い兵の時代はいかに兵を雇わずに
ローコストで、戦争しないで勝つかが大事。
また逃亡兵も多く、戦死者は少ない。
一方の国民皆兵では、出兵義務の兵士は
逃亡兵が少なく、相手を倒すまで戦うので
大量の戦死者が出る)


また産業革命×資本主義による
大量生産・大量消費で
ほんの一握りの資本家はがますます富を蓄え、
大量に発生した労働者は地に墜ち、
(海外への市場拡大、労働者確保の時代でもある)

国の公共機関も最初は
そのほんの一握りの資本家が投資して作るため
水道、エネルギー、金融、鉄道など
大事な部分を握られてしまう。
(現在は一応フランス国家に譲渡していますが、、、)

戦争にがっつり巻き込まれるわ、
働けど働けど暮らしは良くならないわで、

ラッキーな一部の人だけが
富の恩恵にあずかり、
残りの大多数の人が苦しい生活を
強いられる世の中になってしまいました。
(ただ、生活のインフラテクノロジーは目覚ましく向上しているので、昔の人の暮らしよりはましと感じがち。。)


その開かれたグローバル思想のもとで、
EUが生まれ、移民問題が多発しています。

フランス革命とは、
それほどその後の世界を変える
出来事だったわけです。

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話がだいぶ逸れましたが、
「レ・ミゼラブル」のコンサートです。
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パリ北西にあるポルトマイヨで開催!

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開演前。いよいよ始まります(^^)

コンサートの様子を
下の動画で視聴可能です!

そしてコンサート終了!
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カーテンコールで、また歌ってます(^^)

「レ・ミゼラブル」の話自体は
やはりベースにあるのは
貧民救済、民衆で立ち上がって
権力に対抗した美談。
「おれたちのフランス万歳!」です。
(もちろん本当のメインは愛の物語ですが)

個人的には、
斜めから見ると、
ナショナリズムを喚起している
ように見えるのですが、
それはひねくれた見方でしょうか。。

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まあ、堅い話はともかく、
せっかくパリにいるので、
「レ・ミゼラブル」の舞台となった
場所を散歩してみました(^^)。

ただ、舞台になった場所は
たくさんあるので、
今回は話のクライマックスである
(私の中のクライマックスですが)
革命運動家と王政側の
バリケード戦が行われた場所をメインに!

まずバリケードの場所ですが、
それはパリのど真ん中、
レ・アール周辺。

話の当時(1832年)のパリは
下の赤枠で囲まれたエリア。
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赤枠内が当時のパリ。今のパリ(環状道路の枠内)に比べると、一回り小さかった
赤枠を中心にズーム!
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バリケードが築かれたのはレ・アール地区。パリの真ん中
さらにズーム!
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レ・アール地区のアップ。赤い線のところが、バリケードが多く張り巡らされていた場所

まずは、バリケードがたくさん
築かれていたランビュトー通りへ(A地点)。
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ポンピドゥーを背中に、レ・アール方面を見ています。この通りに、バリケードがありました

パリはかなり街を改造しているので
当時と同じではありませんが、
この辺りです。
当時は道がもっともっと細かったようです。

さらに、B地点
(シーニュ通りとサンドニ通りの交差点)には
「シャンブルリーのバリケード」と
呼ばれる、革命運動家(マリウスたち)が
築いたバリケードがあったようです。
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B地点。ここにもバリケードがあったようです

映画の写真を拝借すると、
この場面です。
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こんな感じで、バリケードが張られていたのでしょう

それにしても、
映画の写真、なぜ左側に立てられている
板に巨大な目が描かれているのでしょう。。

プロビデンスの目に見えるのは
私だけでしょうか。。
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アメリカの紙幣・ドル札に描かれている目

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フランス人権宣言に描かれている目

やはりフリーメイソン!?

怖い怖いガーンガーン


話を戻して、バリケードです。
映画では、一人の少年が
バリケードの前で凶弾に倒れますが、
その場所と言われているのが
地図の①と②です(説がふたつあります)。
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ガブローシュ。かわいい! (画像は映画よりスキャンし拝借)

ガブローシュは、
この戦いを描いた有名な
ドラクロワの名画「群衆を導く自由の女神」にも
描かれている、とも
言われています。
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この絵は、ルーヴル美術館に展示されています

場所は、①はポンピドゥーのすぐ近く。
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ポンピドゥー! この建物、好きです!!

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そのポンピドゥーすぐ前の道(サンマルタン通りとオーブリ ル ブシェ通りの交差点)のバリケードで撃たれた説

もう一つの説は、
②のモンデトゥール通りとランビュトー通りの
交差点。
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こちらはレ・アールのすぐ横

このエリアは、今も昔も
パリの繁華街!
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すぐ後ろは、フォーラム・デ・アール。かつての市場は今や巨大ショッピングモール

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全体はこんな感じです。超近代的!!

かつては「パリの胃袋」と
称された中央市場があったところで、
何と!
1137年からと日本の平安時代からある
とんでもない歴史を有した場所です。

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と、話がまとまりませんが、
最後に舞台をもう二箇所!

一つは、警部のジャベールが
主役のジャン・バルジャンを捕まえることを
誓う歌を歌った警視庁。
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夜になってしまいました。。この屋上で歌っていました

そして、その警視庁の前には、
ノートルダム寺院!
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やっぱりいつ見ても凄い!!

ちなみに映画ではこんな感じです。
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画像は映画よりスキャンして拝借。暗すぎてよく見えない。。

そして最後に、
そのジャベールが身を投げて
命を絶ったノートルダム橋&セーヌ川!
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映画のロケ地はイギリスのまったく別の橋でしたが、、

今度機会があったら、
コゼットとジャン・バルジャンの
隠れ家などにも行ってみようと思います!

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