映画『勝手にしやがれ』の撮影場所を訪ねてみた | 西方見聞録(旧パリレポート)

西方見聞録(旧パリレポート)

2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

4月19日(火)
天気:晴れ


映画好きの方であれば、
"ヌーヴェルヴァーヴ
(以下ヌーベルバーグ)"という
言葉はよく知っていると思いますが、

この"ヌーベルバーグ"とは
1960年あたりにフランスで起こった
映画運動で、

ざっくり言うと、
それまでの映画にあった
「映画はこうあるべきだ」という
常識を取っ払って、

主に、職業監督ではなく、
それまで
"映画を評論していた若者たち"が
ハンディカメラを持って街に飛び出し
自由な発想で
作った映画、のこと。


つまり、
斬新な手法で撮影されていたり、
いわゆる"起承転結"がない
一見よく分からない
ストーリーだったりするので、

だいたいの人は
これらの作品を初めて見ると、
"なんだこりゃ?"
となります。


で、その"ヌーベルバーグ"作品の
代表作、とも言うべき
人気作品が、

フランソワ・トリュフォー原案、
ジャン=リュック・ゴダール監督の
『勝手にしやがれ』(1960年)。
(原題:À bout de souffle 「息切れ」)


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※GRAND ACTIONより画像拝借


この作品、
内容はまー個人的には
そんなに面白いとは思わないですが、
とにかくかっこいい!

作品の中の一コマを写真にして、
特大ポスターにして
部屋に貼ったら、
もうオシャレです。

セリフも、俳優
(ジャン=ポール・ベルモンド、
ジーン・セバーグ)の仕草も、
カッコいい。


この主人公、それまで
どうやって生きてきたんだろう、、
と思ってしまうほど、
ちょーー適当な生き方で、
自由奔放にもほどがあります。


で、この映画、
まだ学生の頃に見たのですが、
インパクトがありすぎたので
強烈に覚えていて
(何度も見たので)

中でも印象的だった
ラストシーンの舞台となったのが、
モンパルナス近くの
カンパーニュ・プレミエール通り。
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モンパルナス駅から少し歩いたところにあります

せっかくパリにいるのだから!
と、先日、その通りに行ってみました‼︎

通りに入ってみると、
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あ、あれ? めっちゃ普通のパリの通りです

まー、もう50年前の
映画なので、
そりゃ風景も変わってるのが
当然ですが。。

(以下、ネタバレ注意)
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これがその映画のラストシーン。拳銃で撃たれて、よろめきながら、逃げていきます(画像は、映画をスキャンし拝借いたしました)
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ラスパイユ大通りとの交差点近くで倒れ、、
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遂に力尽きてしまいます
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裏切った恋人が見つめる中、「c’est vraiment dégueulasse.(これは最低だ)」と最後の言葉を残し
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自らの手で、自らの目を閉じ最後を迎えます
それに対し、フランス語がたまに分からないアメリカ人の恋人パトリシア(ジーン・セバーグ)は
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「"dégueulasse"って何?」と言って、カメラ目線に

すいません、
ネタバレし過ぎましたが、
この最後のシーンの交差点が
こちら!
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あり得ないほど普通の交差点です。。

ほんとは、
ミシェル(主人公)と同じように
ここで派手に転んだ写真を
撮りたかったのですが、
一人なのでできませんでした。。


でも、ここが
あのシーンの現場で、
ゴダールとジャン=ポール・ベルモンドと
ジーン・セバーグが50年前、
ここであの映画を撮ったんだ!

と思うと、
感慨深いものがありました。


しかし、あの頃の
フランス映画にあった勢い、
今はどこに行ってしまったのでしょう。。
(映画だけに限りませんが。。)