💺 座るより 立っていたほうが楽な おばあちゃん 💺 ~人工股関節~
朝の出勤電車の中、
今日は1時間ほど遅めの出勤のため、
車内は、それほど混んでいません。
ところどころ席も空いており、
それでも、数人はドアわきに立っていたりします。
私はドアのすぐ横の座席にすわっていました。
途中の駅で、小柄なおばあちゃんが乗り込んできました。
おばあちゃんは、
ドアわきの手すりにしっかりと両手でつかまり、立ったままでいます。
私の隣の座席は空いています。
私はそちらにずれて、おばあちゃんに座席を勧めました。
するとおばあちゃんは、
立っていたほうが楽なんですよ。
一度座ってしまうと、立ち上がるのが大変なんです。
ここ、人工股関節なんですよ。
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人工の関節は、
滑らかに作られていて、もちろん神経もありません。
そのため、
悪くなってしまった関節を、
人口の関節に置き換えることによって、
関節が滑らかに動くようになって、
痛みもほとんど感じなくなるのだそうです。
とはいえ、やはり、人工のもの、
動きには少し制限が出るようで、
和式の生活よりも洋式の生活のほうが、負担が少ないそうです。
日常の生活で、ずっと座ったままでいた後に歩き出すと、
股関節がぎこちなく感じることがあります。
股関節の動きをスムーズにする簡単な動きを、
維摩会 春秋館で教えていただいています。
その動きを数回すると、
不思議なくらい、ギクシャクした感じがなくなります。
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二つ目の駅で、おばあちゃんは降りていきました。
降りるとき、おばあちゃんはちょっと振り向いて、
ありがとうございます、
と声をかけてくれました。
どうぞ、お気をつけて、
と返事をすると、
おばあちゃんのかわいい笑顔が帰ってきました。
ゆっくりとおばあちゃんは電車から降りました。
歩くスピードはゆっくりで、歩幅は狭いですが、
それでも、背筋はまっすぐで、しっかりした足取りです。
今の医療技術はすごいなぁ、と思うと同時に、
私たちは、人工股関節のお世話にならなくていいようにしなければいけない、
と思ったのでした。