ご飯つぎましょうか? ~アルバイトの男子学生~
立春は一年のはじめとも考えられて、
その前日の節分には、豆まきをして鬼退治をする伝統行事があります。
鬼退治が、災難や病気の厄払いになるため、
神社でも、節分は年中行事のひとつです。
年末からお正月、そして節分と続き、ずっとお参りの方が多いときでもあります。
この時期、色々と力仕事の準備もあり、男子学生がアルバイトで来ています。
力仕事が多い男子は、ラフな私服の上に、
神社のハッピを着てお手伝いです。
寒い中、朝早くから動き回っていて、
お昼の食事は、温かいものを準備してくれていました。
巫女さんたちと混じってのお昼ご飯、
社務所を留守にはできませんので、
順番にお昼休憩です。
ご飯は、各自が好きなだけ、炊飯器からよそっていただきます。
私もお昼をいただくことになりました。
男子が二人と女子が二人、既にご飯をたべています。
そこに、私がはいっていきました。
「お疲れ様です」、と声をかけて空いている席に腰をおろしました。
すると、
「ご飯つぎましょうか?」と、
スッと立ち上がったのは、ひとりの男子でした。
「あら、ありがとうございます。自分でつぎますよ。」
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男子がすぐに立ち上がったことに、
新鮮な驚きを覚えました。
食事の場でもあり、気が利くのは女子、と思っていたのでした。
維摩会 春秋館でお聞きする仏教の教えでは、
私たちの見方はそもそも偏ったものである、と説かれています。
何気ない思いは、偏見そのものなのです。
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この男子学生たちは、一つのことを言われると、
それに関連する周辺のことまでお手伝いをしていて、大いに助けになっていたようです。
気が利く、というのは、どんな場面でも気持ちがいいものです。