ご訪問くださいまして、
有り難うございます。
れっつごうです(^^)
共感と自己愛の心理臨床
(著者は安村直己さん)

というカウンセリングの専門書から、
「二者心理学」
(間主観的アプローチ)
の考え方について、
解説しています(^^;
二者心理学とは、
聞きなれない言葉だと思いますが、
「人の心は、外から客観的に観察できない」
というパラダイム(ものの見方)の心理学で、
コフートの自己心理学などから、
発展しました。
いわば、
今、最先端のカウンセリング手法ともいえます(^^)
この本に、具体的な臨床例が
挙げられていますので、
引用させていただきます(^^;
(以下、引用)
----------------------------------------
25歳の男性である。
これまで他者との安定した関係を
維持できたことがなく、
長年、家に閉じこもっていたが、
その後、
多くの治療機関を渡り歩くようになり、
カウンセリングを受けてきた。
しかし、
結局どこも長続きせず、
治療も中断していた。
彼は対人的に極度に敏感で、
他者の言動をすぐに被害的に捉え、
混乱し、
パニックを起こすことが常だった。
その後、
筆者の元に来所し、
個人心理療法を開始した。
以下は、
治療を開始した初期の頃の
ある面接場面でのやり取りである。
(「 」内はクライエント、
< >内は治療者の言葉)
----------------------------------------
「・・・あのー、僕に対して、
何か嫌悪感をもってられませんか?」
<嫌悪感?・・・持ってないけどー>
「あー、そうですかー・・・
いやーそれがわからなくて・・・」
<ああーそうー・・・>
(治療者は何かおかしくなってきて、
思わず笑い出してしまったところ、
クライエントもつられて笑い出す)
「それがーまあー・・・
表現してくださるといいんですけどもー・・・」
<毎回、”嫌悪感、もってませんよー”って言うの?
(治療者:笑い)>
「まーそんなことは変ですけどー」
<うーん、そうやろうー>
「うーん、でもいまの”毎回言うのか?”
って言われたの、
ちょっと攻撃を含んでませんでしたかー?」
<ああーそうかー(治療者:笑いがこぼれる)>
「ちょっと、意地悪いというかー(クライエント:笑い)」
<そうだねー、ちょっと意地悪だったねー
(治療者:笑い)、いやー、すいませんー>
「はあー・・・、まーそうですねー・・・
(クライエントは落ち着いた調子になって沈黙し、
何か考えている様子)・・・・・・
そういう相手がどう思っているかが・・・
分からなくてー・・・」
<そうだね、それは見えないもんねー・・・
(治療者はクライアントの苦悩に共感していた)>
「・・・それでー先生の方も、なるべくいまみたいに、
自分の意見とか、考えていることを
言ってほしいんですよー」
<ええ、そうしますよ>
「ええー・・・ それを言ってもらえないと、
何か、冷たく観察されているような感じがしてー・・・
”そう”と言われるだけでは、
それが否定なのか肯定なのか、
よく分からないんでー」
<あー、そうだね>
「以前、受けていたところの先生は、
わざとそうして、
分からないようにしていたみたいですけどね・・・
”言っていること、理解できるなー”
と思ってるのか、
”何を言っとるんや、こいつはー”
と思っているのか、分からなくてー・・・
どう思われているんだろうというのが、
すごく気になってきて、
それで最後は通うのも止めてしまったんですー」
(引用、終わり)
-----------------------------------------
何だか、
すごくフランクで、
カウンセリングっぽくないですよね(^^;
おもわず、
「笑い」が生じたりして・・・
カウンセラーも、
傾聴に徹するというわけではなく、
自分の正直な気持ちを、
伝えたりしています。
治療者は、
これらの交流を交わす中で、
そのように本音と本音で
対等にクライエントと
交流できていることの
喜びと楽しさを感じていた。
おそらく彼(クライエント)も
そうだったであろう。
そうですね。
それによって、
クライエントは、本音を話すことができた。
彼は、
以前の治療者は、
わざと自分の意見や考えを
クライエントに知られないように隠し、
自分は冷たく
「観察」
されていたように
感じていたことを語った。
これは、まさに
禁欲原則を維持する治療者が、
クライエントによっては、
そのように体験されていることを
具体的に示すものと思われる。
この「禁欲原則」というのは、
いわゆる古典的な一者心理学、
すなわち、
カウンセラーは、傾聴しかしない、
自分のことは話さない、
ということです。
それだと、
たしかに、クライエントの立場から見ると、
冷たく感じるのかもしれません(^^;
そうした安全感をベースとした、
お互いに安心して
自由に探索を続けあうことのできる
雰囲気が醸成されていれば、
そこには
創造的コミュニケーションである
「治療的相互交流」
が生じてくる可能性が
自然に高まるのではないかと
思われるのである。
深く同意します(^^)
もちろん、
カール・ロジャース
の来談者中心療法、
すなわち、
「傾聴」と「共感」が大切なのは、
いうまでもありません。
ベースに、しっかりとした、
「傾聴」や「共感」能力がなければ、
クライアントに、
まともな支援はできないと思います(^^;
しかし、
「傾聴」だけでは、
近年増加している、
パーソナリティー障害(自己愛の傷つき)
や依存症の傾向があるクライアントには、
なかなか対応できないといいます。
したがって、
カウンセリングの幅を広げていく
という意味でも、
二者心理学をプラスして
学ぶ価値はあると思います(^^;
二者心理学は、
臨床心理学の
「パラダイムシフト」
であるともいえます。
ちなみに、
物理学の世界でも、
「物質は客観的に観察できる」
というパラダイムが転換しているそうです(^^;
物質を構成する、
分子、原子の最小単位である素粒子は、
波動である。
その波動は、
何と、観測する人間の意識の影響を受けて
存在のありようが変わるというのです!
(ちょっとびっくりですが)
物質でさえ、
そうなのですから、
カウンセラーが、クライアントのことを、
客観的に観察したり、
分析することはできない。
(カウンセラーによって変わるわけですから(^^;)
カウンセリングとは、
カウンセラーとクライアントの、
二人の主観が出会う場である。
したがって、
カウンセラーも、
ひとりの主観をもった人間として、
生身の人間として、
自分のキャラクターを生かしながらも、
謙虚に、誠実にやっていく必要が
あると思います。
(上から目線に、なることなく(^^;)
---------------------------------------
以上、
共感と自己愛の心理臨床
というカウンセリングの専門書から、
「二者心理学」
(間主観的アプローチ)
の考え方について、
解説してきました。
「二者心理学」
(間主観的アプローチ)
は、私も絶賛修行中!
の身ですので、
頭では理解できても、
実際には、なかなか、
引用した臨床例のように、
フランクには、できないのですが・・・
今回は、ちょっと背伸びをして、
解説をさせていただきました(^^;
「二者心理学」
(間主観的アプローチ)
の考え方は、
カウンセリングだけでなく、
日常生活でも生かせると思います(^^)
私たちは、
なまじ、心理学の知識があったりすると、
ついつい、相手のことを、
心理学的に分析して、
わかった気になってしまいます。
(どきっ、私のこと?)
いわゆる、
ダウンローディングというやつですね(^^;
たとえば、
やたらと自慢する人と接すると、
「あの人は、自己愛性パーソナリティ障害に違いない」
と勝手に決めつけてしまったり・・・
でも、人は、
それぞれに主観があり、
お互いに影響し合いながら、
二人の関係を共に創り上げているわけです。
たとえ、私の前では、
パーソナリティ障害の傾向があったとしても、
別の人の前では、違うかもしれません(^^;
「人のパーソナリティは、対人関係の数だけある」
(社会心理学者サリバンの言葉)
そう思っていれば、
より友好的な人間関係が、
築きやすくなるような気がします。
今回も最後までお読みくださいまして、
有り難うございました(^^)
次回は、
フィナーレに向かって、
盛り上がっている、
NHK大河ドラマの主人公についての本を、
紹介、解説します!