天国④ | ごっこ遊びdeキャラメイク☆ヒカリサス☆山本麻生(ヤマモトマイ)

ごっこ遊びdeキャラメイク☆ヒカリサス☆山本麻生(ヤマモトマイ)

成長するまでに封印したキャラをやりたいことに合わせてごっこ遊びで開放するキャラメイキングのお手伝い
漫画好き

「おつかれさまでした」

と、口々に言いあい、
カートを自分のロッカーにしまって仕事を終える。

貴子と晴美は、仕事を終えると
すぐに食堂へ行くことにしていた。

終業は五時とは言え、体を使うので、
ものすごくおなかが減るのだ。


「今度はアメリカだって」

貴子はハンバーグをほうばりながら、
モニターを見る。

モニターには、次にいつどこへ寄るかと、
降りれるかどうかが表示されている。

モニターの表示が変わり、

「甲板に出て陽に当たろう」

「電波時計、時刻の修正、確認を。

うっかり遅刻を失くそう」

「とびこむな。泣きたくなったら、保健室」

など、この船の中で注意すべきことが
CMのように流れている。

二人がぼんやりモニターを眺めていると、
隣のテーブルに、うるさい男三人が座った。


人数が多いとはいえ、
数カ月もいればなんとなく顔を覚えてくる。

晴美は顔をしかめて、貴子を見た。

貴子も気づいたらしい。

横に来たのは、二人が苦手なグループだった。

 

「ここブラックだよなぁ」

「給料安すぎなんだよー」

「こんな刑務所とはオサラバしてぇ!」

「あー、地上が懐かしい!」

男どもは、叫ぶようにさんざん愚痴った後、
十分ほどで夕食を終わらせ、嵐のように去っていった。