梶浦雅弘との付き合いは長い。だからといって、個人的な交流などはないが、少なくともプロデビュー前、THE MODS以前の彼を知る貴重な生存者(笑)であると自負している。
随分前、コロナ以前の2019年3月10日(日)に 東京・下北沢「Club 251」で行った彼のバンド、The Blues One Nightsのライブリポートはいまだに多くの方に読まれているようだ。彼の名前で検索すると、同記事が度々、出てくる。彼がTHE MODSを脱退したのは15年以上前だが、いまだに彼のことを気にかけているものがいる。同時に彼が福岡を拠点としながらも地元のみならず、全国から求められている証拠ではないだろうか。
現在、福岡でシルバーアクセサリーや革製品を始め、アパレルを展開するショップ「viva la silva」(昨2022年10月に引っ越ししたばかり)を拠点として、様々な活動を続ける梶浦雅弘。自らのThe Blues One Nightsや大江慎也のShinya Oe And Mothers Sunshine、アナーキー(亜無亜危異)や仲野茂のソロのサポート、WILD CHILLUNとのコラボレーションなど、その精力的な活動は福岡の音楽シーンの新たな刺激にもなっている。
梶浦雅弘は東京から来るミュージシャンやロックファンに“福岡は音楽が盛んでいいですね”と言われるという。しかし、素直に首肯することができない自分もいるそうだ。その渦中にいながら、勿論、このコロナ禍もあったが、ロックシティと言われる福岡の名に恥じない音を発信し続けているかと言ったら疑問が残るという。“めんたいロック”誕生(!?)から40年が経とうとしているが、まだ、その魅力が充分に伝わっていなところもある。福岡には、まだ知る人ぞ知るというミュージシャンがたくさんいて、全国的には無名ながら隠れた大物、伝説のカリスマとでも言うべきアーティストも少なくない。
改めて福岡のロックシーンが誇るべき、知られざる逸材を掘り起し、それを全国に遍く知らしめる――そんな作業を梶浦雅弘はやろうとしている。それが“福岡ミュージシャンの底力を感じて頂きたい”と立ち上げたプロジェクト“ROCK’N’ROLL CIRCLE”だ。
そもそもの始まりは梶浦雅弘と矢野一成、2人のドラマーによるトークライブ&ドラマーズラボ『GANDr.〜元祖どらむ家〜』だった。彼らのトークを中心にユニコーンの手島いさむや渡辺圭一などをゲストに迎え、福岡のハートストリングススタジオより無観客生配信している。
その発展形として、二人がホストバンドを結成して、福岡のミュージシャンを紹介していく“番組”を作った。梶浦は“ミュージックフェア” (フジテレビの長寿音楽番組「MUSIC FAIR」)のような番組と言っている。実は、構想自体は1年以上前のことで、漸く形になったという。博多のヒーコンスタジオ(かつてTHE MODSが同所でレコーディングしている。その時は小さくて狭いところだったが、現在は大幅に拡張。撮影器材も入るところになった)に撮影器材を持ち込み、山部YAMAZEN善次郎のドキュメンタリー『6600ボルト』でお馴染みの下本地崇監督を始め、錚々たる面々が彼の企てに力を貸している。今回、彼らが紹介するのはフルノイズ(FULLNOISE)のMASAL(井上マサル)と武藤京介である。
フルノイズは1978年にボーカルの井上マサルとギターのルーク寺島(ルークは今回、ゲストとしてライブに出演)を中心に結成され、福岡市親不孝通りにあった伝説のライブハウス「80'sファクトリー」の常連でもあった。THE MODSやTH eROCKERS、THEROOSTERSなどと同じ時代に活動。彼らにも多大な影響を与えたと言われている。自主制作盤一枚を出したきりで1985年に解散した。
93年になりオリジナルメンバーは3人ながら、フルノイズとして再始動。当時のライブハウスの動員記録を塗り替えるなど、大いに注目を集めるが、2年ほどで、その活動に終止符を打つ。その後、マサルを中心に名前を変えながら断続的に活動を継続。
2002年、82年の大博多ホールでのライブCD『FULLNOISE 82』の発売を機に、ベースのサミーを除くフルメンバーで一度だけ復活するも、その後活動を休止する。今後もそんな展開が続くが、度々の再集結は、彼らが音楽を諦めていない証拠だろう。
2015年、突如フルノイズとして活動を再開。2019年12月8日(日)には山口洋や百々和宏with有江嘉典などを共演に迎え、東京の渋谷「LOFT HEAVEN」でライブを行っている。なお、「LOFT HEAVEN」公演の前、12月6日(金)に下北沢「251」でもライブを行なっている。同公演には花田裕之と近藤智洋がゲストとして出演した。
2020年にはフルノイズオリジナルメンバー3人(マサル・ルーク寺島・武藤京介)とフルノイズのヴィジュアルを担当して来た板野ミミ、映像作家の石川亮介の初のコラボレート作品「愛をばらまけ」を発表し、話題になる。同作は福岡市 文化・エンターテインメント活動支援事業出品作品だった。
その気まぐれで自由奔放な活動ゆえ、生の彼らに触れる機会はなかなかないが、今回、制作された約20分の『SHORT FILM』は彼らの魅力を充分に伝えるものである。骨太のビートに魂が伝わる歌が届けられる。勿論、“ハウスバンド”の壺を心得、時に寄り添い、時に刺激する演奏がフルノイズの世界を際立たせる。そのスタイリッシュな映像とともに作品というのに相応しい。スコセッシが手掛けたドキュメンタリーフィルムを彷彿させる。
今回、その“SHORT FILM”のライブ版&拡大版とでもいうべきイベントが5月21日(日)、福岡のライブハウス「CB」で開催される。MASALと武藤、ルーク寺島(ルークは前述通りゲストとして出演)というフルノイズのオリジナルメンバー3人がプロジェクト“ROCK’N’ROLL CIRCLE”とともに出演する。梶浦と矢野のツインドラム、梶浦の盟友・渡辺圭一のベース、矢野のMOON BEAMのKAKKINのギターによるSHORTではない、FULLの演奏を聞くことができそうだ。いずれにしろ、これだけのメンバーが揃うのは貴重な機会ではないだろうか。奇跡のような邂逅を見逃さないで欲しい。この“ROCK’N’ROLL CIRCLE”、フルノイズだけでもプロジェクトをまとめ上げるのに1年以上、かかったと言う“難事業”で、“大変な仕事”だったが、梶浦は挫けそうになりながらも続けていきたいという。それが彼にとって、ロックへの恩返しでもあるようだ。いま、梶浦は仲間とともに自らが福岡のロックシーンのためできることをしようとしている。
なお、梶浦雅弘の拠点「viva la silva」は、福岡の天神、親不孝通りにある「Public bar Bassic」にもほど近い。同所のライブの前、後に立ち寄って欲しい。お洒落でいて、寛げる場所である。コーヒーも美味しかった。また、別件があったため、突然の福岡行き、いきなりの取材にも関わらず、快諾してくれた梶浦に改めて感謝である。今回のプロジェクトにほんの少しでも協力できればという思いからである。それにしても既に還暦を過ぎた彼にいうことではないかもしれないが、自らの思いで、動き、そして、それを形にする。彼も随分と大人になった。ひとりのミュージシャンとしてインディペンデントな存在になろうとしている。まるで幼少期を知る親戚のおじさんと親戚の子供みたいな言い方になるが、人が成長するところを見られる、こんな嬉しいことはない。
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福岡が発信する
ロックンロールサークル
Rock'nRoll Circle LIVE @FUKUOKA CB【trailer】
福岡在住のミュージシャン、クリエイター、スタジオで制作されています。
この素晴らしいパワーをライブにしてお届けします。
5/21日 日曜日スタート19時
福岡ライブハウスCB
忘れずにインプットして下さいね。
久しぶりに、福岡に、ライブハウスに、
パワーと活気を取り戻したいと願っています。
是非是非お集まり下さい。
よろしくお願い致します。
5/21(SUN) 福岡ライブハウスCB
START19:00 前¥4500+1d 当¥5000+1d
前売り予約の方にステッカープレゼント
チケット予約(氏名.電話番号.枚数)
livehousecb@gmail.com
0927327575
vivalasilva@yahoo.co.jp
0927919422
梶浦のFacebookなどでも受付を致します。
(氏名.電話番号.枚数)
ROCK'N'ROLL CIRCLE 【Short Film】
GANDr. SESSION
『ROCK'N'ROLL CIRCLE』
MASAL Vocal
武藤京介 Guitar
KAKKIN Guitar
渡辺圭一 Bass
矢野一成 Drums
梶浦雅弘 Drums
【Stuff】SHO /AREINT 藍蓮 /TRAVEL HIGH
【題 字】真 照
【Still Camera】安武信吾
【Movie Camera】長谷川拓也
【進 行】齋藤寛和
【企 画】GANDr.
【制 作】 TRAVEL HIGH Heacon Labo
【Audio Engineer】 石橋三喜彦
【監督 撮影 編集】 下本地 崇























