Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 ! -29ページ目

Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

梶浦雅弘との付き合いは長い。だからといって、個人的な交流などはないが、少なくともプロデビュー前、THE MODS以前の彼を知る貴重な生存者(笑)であると自負している。

 

随分前、コロナ以前の2019年3月10日(日)に 東京・下北沢「Club 251」で行った彼のバンド、The Blues One Nightsのライブリポートはいまだに多くの方に読まれているようだ。彼の名前で検索すると、同記事が度々、出てくる。彼がTHE MODSを脱退したのは15年以上前だが、いまだに彼のことを気にかけているものがいる。同時に彼が福岡を拠点としながらも地元のみならず、全国から求められている証拠ではないだろうか。

 

 

現在、福岡でシルバーアクセサリーや革製品を始め、アパレルを展開するショップ「viva la silva」(昨2022年10月に引っ越ししたばかり)を拠点として、様々な活動を続ける梶浦雅弘。自らのThe Blues One Nightsや大江慎也のShinya Oe And Mothers Sunshine、アナーキー(亜無亜危異)や仲野茂のソロのサポート、WILD CHILLUNとのコラボレーションなど、その精力的な活動は福岡の音楽シーンの新たな刺激にもなっている。

 

 

梶浦雅弘は東京から来るミュージシャンやロックファンに“福岡は音楽が盛んでいいですね”と言われるという。しかし、素直に首肯することができない自分もいるそうだ。その渦中にいながら、勿論、このコロナ禍もあったが、ロックシティと言われる福岡の名に恥じない音を発信し続けているかと言ったら疑問が残るという。“めんたいロック”誕生(!?)から40年が経とうとしているが、まだ、その魅力が充分に伝わっていなところもある。福岡には、まだ知る人ぞ知るというミュージシャンがたくさんいて、全国的には無名ながら隠れた大物、伝説のカリスマとでも言うべきアーティストも少なくない。

 

改めて福岡のロックシーンが誇るべき、知られざる逸材を掘り起し、それを全国に遍く知らしめる――そんな作業を梶浦雅弘はやろうとしている。それが“福岡ミュージシャンの底力を感じて頂きたい”と立ち上げたプロジェクト“ROCK’N’ROLL CIRCLE”だ。

 

そもそもの始まりは梶浦雅弘と矢野一成、2人のドラマーによるトークライブ&ドラマーズラボ『GANDr.〜元祖どらむ家〜』だった。彼らのトークを中心にユニコーンの手島いさむや渡辺圭一などをゲストに迎え、福岡のハートストリングススタジオより無観客生配信している。

 

その発展形として、二人がホストバンドを結成して、福岡のミュージシャンを紹介していく“番組”を作った。梶浦は“ミュージックフェア” (フジテレビの長寿音楽番組「MUSIC FAIR」)のような番組と言っている。実は、構想自体は1年以上前のことで、漸く形になったという。博多のヒーコンスタジオ(かつてTHE MODSが同所でレコーディングしている。その時は小さくて狭いところだったが、現在は大幅に拡張。撮影器材も入るところになった)に撮影器材を持ち込み、山部YAMAZEN善次郎のドキュメンタリー『6600ボルト』でお馴染みの下本地崇監督を始め、錚々たる面々が彼の企てに力を貸している。今回、彼らが紹介するのはフルノイズ(FULLNOISE)のMASAL(井上マサル)と武藤京介である。

 

フルノイズは1978年にボーカルの井上マサルとギターのルーク寺島(ルークは今回、ゲストとしてライブに出演)を中心に結成され、福岡市親不孝通りにあった伝説のライブハウス「80'sファクトリー」の常連でもあった。THE MODSやTH eROCKERS、THEROOSTERSなどと同じ時代に活動。彼らにも多大な影響を与えたと言われている。自主制作盤一枚を出したきりで1985年に解散した。

 

93年になりオリジナルメンバーは3人ながら、フルノイズとして再始動。当時のライブハウスの動員記録を塗り替えるなど、大いに注目を集めるが、2年ほどで、その活動に終止符を打つ。その後、マサルを中心に名前を変えながら断続的に活動を継続。

 

2002年、82年の大博多ホールでのライブCD『FULLNOISE 82』の発売を機に、ベースのサミーを除くフルメンバーで一度だけ復活するも、その後活動を休止する。今後もそんな展開が続くが、度々の再集結は、彼らが音楽を諦めていない証拠だろう。

 

2015年、突如フルノイズとして活動を再開。2019年12月8日(日)には山口洋や百々和宏with有江嘉典などを共演に迎え、東京の渋谷「LOFT HEAVEN」でライブを行っている。なお、「LOFT HEAVEN」公演の前、12月6日(金)に下北沢「251」でもライブを行なっている。同公演には花田裕之と近藤智洋がゲストとして出演した。

 

2020年にはフルノイズオリジナルメンバー3人(マサル・ルーク寺島・武藤京介)とフルノイズのヴィジュアルを担当して来た板野ミミ、映像作家の石川亮介の初のコラボレート作品「愛をばらまけ」を発表し、話題になる。同作は福岡市 文化・エンターテインメント活動支援事業出品作品だった。

 

 

その気まぐれで自由奔放な活動ゆえ、生の彼らに触れる機会はなかなかないが、今回、制作された約20分の『SHORT FILM』は彼らの魅力を充分に伝えるものである。骨太のビートに魂が伝わる歌が届けられる。勿論、“ハウスバンド”の壺を心得、時に寄り添い、時に刺激する演奏がフルノイズの世界を際立たせる。そのスタイリッシュな映像とともに作品というのに相応しい。スコセッシが手掛けたドキュメンタリーフィルムを彷彿させる。

 

今回、その“SHORT FILM”のライブ版&拡大版とでもいうべきイベントが5月21日(日)、福岡のライブハウス「CB」で開催される。MASALと武藤、ルーク寺島(ルークは前述通りゲストとして出演)というフルノイズのオリジナルメンバー3人がプロジェクト“ROCK’N’ROLL CIRCLE”とともに出演する。梶浦と矢野のツインドラム、梶浦の盟友・渡辺圭一のベース、矢野のMOON BEAMのKAKKINのギターによるSHORTではない、FULLの演奏を聞くことができそうだ。いずれにしろ、これだけのメンバーが揃うのは貴重な機会ではないだろうか。奇跡のような邂逅を見逃さないで欲しい。この“ROCK’N’ROLL CIRCLE”、フルノイズだけでもプロジェクトをまとめ上げるのに1年以上、かかったと言う“難事業”で、“大変な仕事”だったが、梶浦は挫けそうになりながらも続けていきたいという。それが彼にとって、ロックへの恩返しでもあるようだ。いま、梶浦は仲間とともに自らが福岡のロックシーンのためできることをしようとしている。

 

 

なお、梶浦雅弘の拠点「viva la silva」は、福岡の天神、親不孝通りにある「Public bar Bassic」にもほど近い。同所のライブの前、後に立ち寄って欲しい。お洒落でいて、寛げる場所である。コーヒーも美味しかった。また、別件があったため、突然の福岡行き、いきなりの取材にも関わらず、快諾してくれた梶浦に改めて感謝である。今回のプロジェクトにほんの少しでも協力できればという思いからである。それにしても既に還暦を過ぎた彼にいうことではないかもしれないが、自らの思いで、動き、そして、それを形にする。彼も随分と大人になった。ひとりのミュージシャンとしてインディペンデントな存在になろうとしている。まるで幼少期を知る親戚のおじさんと親戚の子供みたいな言い方になるが、人が成長するところを見られる、こんな嬉しいことはない。

 

 

 

 

     ―――――――――――――――――――――――――――――

 

福岡が発信する

ロックンロールサークル

 

Rock'nRoll Circle LIVE @FUKUOKA CB【trailer】

 

 

 

福岡在住のミュージシャン、クリエイター、スタジオで制作されています。

この素晴らしいパワーをライブにしてお届けします。

 

5/21日 日曜日スタート19時

福岡ライブハウスCB

忘れずにインプットして下さいね。

久しぶりに、福岡に、ライブハウスに、

パワーと活気を取り戻したいと願っています。

是非是非お集まり下さい。

よろしくお願い致します。

 

 

5/21(SUN) 福岡ライブハウスCB

START19:00 前¥4500+1d 当¥5000+1d

前売り予約の方にステッカープレゼント

 

チケット予約(氏名.電話番号.枚数)

livehousecb@gmail.com

0927327575

vivalasilva@yahoo.co.jp

0927919422

梶浦のFacebookなどでも受付を致します。

(氏名.電話番号.枚数)

 

 

 

ROCK'N'ROLL CIRCLE 【Short Film】

 

 

 

GANDr. SESSION

『ROCK'N'ROLL CIRCLE』

MASAL  Vocal

武藤京介  Guitar

KAKKIN  Guitar

渡辺圭一  Bass

矢野一成  Drums

梶浦雅弘  Drums

 

【Stuff】SHO /AREINT   藍蓮 /TRAVEL HIGH

【題 字】真 照

【Still Camera】安武信吾

【Movie Camera】長谷川拓也

【進 行】齋藤寛和

【企 画】GANDr.

【制 作】 TRAVEL HIGH    Heacon Labo

【Audio Engineer】 石橋三喜彦

【監督  撮影  編集】 下本地 崇

5月5日(金・祝)の“こどもの日”は東京・下北沢「CLUB Que」で子供ばんど。やはり格別だろう。こどもの日に子供ばんどを見れる、なんて幸せなことか。「DVD発売記念『子供ばんどやります』東名阪ツアー2023」は、2021年7月10日(土)大阪「BIG CAT」でのライブを収録したDVD「一夜限りのスペシャルナイト!『子供ばんど』復活祭!」の発売を記念した5月5日(金・祝)東京・下北沢「CLUB Que」、10日(水)大阪「Music Club JANUS」、11日(木)名古屋「ElectricLadyLand」を回るツアーの初日でもある。うじきつよしによると、DVD発売記念『子供ばんどやります』(生存確認)東名阪ツアー2023」と、“()”で“生存確認”が入るそうだ。


うじきつよし(Vo、G)、谷平こういち(Vo、G)、山戸ゆう(Vo、Dr)という1980年 にキャニオン・レコードからデビュー・アルバム『WE LOVE 子供ばんど』リリースした時のメンバー(デビューを機にメンバーになったベースの湯川トーベンは今回、都合で参加できず)にマブダチ、ソウルメイトであるDr.kyOn(Kb、Accordion)、子供ばんどデビュー直前、1979年に生まれたというハピネス徳永(B)をサポートに迎えている。Dr.kyOnとは数日前、4月29日(土)、 30日(日)に埼玉県狭山市「県営 狭山稲荷山公園」で開催された「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2023」で、彼がバンマスを務めた“小坂忠トリビュートバンド”(同公演は同フェスの2日目、30日)で共演したばかり。

5月5日(金・祝)のこどもの日の子供ばんどの公演、発売早々にソールドアウトになり、会場は超満員の入り。文字通り、立錐の余地なしである。聞けばコロナ明け(!?)では最高の入場者だったらしい。いかに多くのファンが子供ばんどを待ち焦がれていたかがわかる。会場があるビルの入口は開場しても入場がを待つ人で溢れる。店頭に本来は5月20日からのオンライン限定発売での“通販”になるDVDが発売に先駆け、“現物”が並ぶ。購入者にはちゃんとサイン会も行われるという。

開演時間の午後7時を過ぎると、メンバーが登場し、演奏が始まる。Dr.kyOnも最初からステージに上がる(と言うか、彼はメンバーより先に登場し、ライブの開催とメンバーの登場を告げる音を奏でる)。始まりはお馴染みの“テーマソング”である。ツアーも初日、アーカイブ配信もあるので、曲名、曲順は一部を除き、匂わす程度にしておく。会場は一気に大盛り上がり。いきなり酸欠状態になる(!?)。演奏を終えると、うじきは会場に気遣い、大丈夫ですか、と問いかける。客席(席はなく、オールスタンディング!)は満杯、ステージも満杯という超過密状態、そして観客も演奏者も高齢者状態。うじきならずとも誰もが心配になるというもの。うじきはデビュー直後の屋根裏などでのライブを思い出したという。観客も超満員の酸欠ライブを思い出していたようだ。いきなりのヒートアップだが、その辺は心得たもの、パワフルでハードなナンバーで会場を熱狂させながらもほっこりした楽しいトークで観客を笑わす。いい按配でペースを作っていく。流石、ベテランである

途中からデビュー前に参加していた安部王子がスペシャルゲストとして、ベースをハピネス徳永に代わり務める(彼は後半、ハピネス徳永に代わるまでかなりの曲数を担当した)。これも生存確認だろう。子供ばんどの結成の礎を作り、バンド結成時のメンバーがやめる中、うじきに谷平と山戸を紹介している。彼がいなかったらこの日の子供ばんどはなかったかもしれない。彼は子供ばんどデビュー前に脱退。その後、ボーイズ・クラブを経てBARBEE BOYS結成に参加したが、同じく同バンドがデビュー前にやめている。彼自身は音楽プロデューサーとして活躍、大沢誉志幸、川村カオリ、ZELDA、ZABADAK、PSY・S、プリンセス プリンセスなどを手掛けている。12年前、7年前に喉の手術によって声をなくしたが(機械の使用で会話はできる)、音楽活動を続け、元シュガー・ベイブの村松邦男との双頭バンド、R・O・M・A、窪田晴男、有近真澄、矢壁アツノブ、小滝満とのバンド、Nombres、Yonafy や小澤亜子とのバンド、

島へ行くボートなどで活躍中。現役のプロデューサー、ミュージシャンとして、ライブにレコーディングに忙しいのだ。



お馴染みのナンバーが続く。まさにベスト・オブ・子供ばんどというセットリストである。改めて子供ばんどの魅力に気づく。うじきはMCだけでなく、いい意味で音に緩急をつけつつ、歌詞やパフォーマンスにギャグやユーモアをぶち込む。コミックバンドなどではないが、音楽的な主義主張に絡めとられ、空回りする融通のきかない、堅苦しいものではなく、楽しい遊びのようなものがある。極上のエンターテインメントを提供してくれる。音楽自体は「サマータイム・ブルース」や「ロックンロール・フーチー・クー」など、ロックの名曲に日本語を付けた正統派のハードロックながら幸いなこと(!?)にヘヴィメタルまで行かず(かつてうじきは右手を使う練習をしたことがあるそうだ)、ほどよい軽さが魅力。ポップである。やはり、“あんたはまだまだ子供だよ”なんていう掛け声は子供ばんどならではだろう。決して堅物なものではない。敢えていうなら“パワーポップ”か。昔ならチープトリックやラズベリーズ、バッドフィンガー、パイロットなど、最近なら(と言うには時間が経っているが)マシュー・スウィートやヴェルヴェット・クラッシュ、ジェリーフィッシュ、ウィーザーなどだろう。自分の中では、そんなバンドと比べると、どこか、しっくりとくる。

そして、リクオ直伝(!?)の“実演販売”も忘れてはいない。この日も前述の子供ばんどの最新ライブDVDを始め、現在、店頭では購入しにくい“幻の名盤”(失礼!)である『CAN DRIVE 55』(2013年)、『ロックにはまだやれることがあるんじゃないのか』(2015年)もちゃんと用意してある。子供ばんどだけでなく、各メンバーのCDなども揃っている。うじきは“誰がつかっているかわからない包丁ではなく、ちゃんと本人がやっているDVD”を売っていると、名調子で宣伝している。このツアーで、出来たばかりのDVDを直接、観客に届ける。照れなどではなく、清々しいものを感じる。何か、メンバー自らがそのことを喜び、率先してやっているのだ。

子供ばんどの熱の籠った演奏を汗をかきつつ、心と身体で受け止め、いい意味での変化球に笑いが込み上げる。気づけば子供ばんどの奔流に巻き込まれていく。2時間を超す“立ちっぱなし”、それも超満員、さらに酸欠状態は身体に応えるが、なんとか、全身で受けとめる。

とりわけ、印象的なシーンがいくつかあった。“CAN DRIVE 55”ならぬ“CAN DRIVE 65”。55歳の時の同作の「55」をリリースから10年の経過に合わせ、歌詞を“55”から“65”に変えて歌っている。“いけるとこまで行ってみよう”だ。65歳になっても“ロックにはまだやれることがあるんじゃないのか”の(生存確認)と(存在証明)である。また、『ロックにはまだやれることがあるんじゃないのか』に収録された「Blackbirdがないた時」をDr.kyOnのアコーディオンをフィーチャーしたアコースティックセットで披露する。8年前の曲ながら、まさに今と言う不穏な時代を灯す。その光りとなるべき曲だろう。静かな曲ながら胸が熱くなり、何か頬を伝うものがあった。“涙は心の汗”である。そして、改めて“STOP THE ROCK’N ROLL!! (Never)”と声も上げたくなるもの。

子供ばんどの熱演と観客の熱狂。拍手や歓声、掛け合いの解禁など、決して若くない観客も子供ばんどと一体になることを望み、楽しむ。その歌や演奏は懐古や郷愁に寄りかからない。2023年に本質や様式を変えることなく、現在進行形の彼らを見せてくれる。ゲストにDr.kyOnが入ると聞き、子供ばんどにキーボード?--と訝しがる方も多かったかもしれない。しかし、これが見事に嵌まる。悪目立ちせず、音に厚みを付けつつ、新たなニュアンスを加える。化学反応を起こす。子供ばんどの果敢な挑戦は成功したといっていいだろう。名古屋ではフラワーカンパニーズのベーシスト、グレートマエカワがゲストに入る。これも新たな化学反応を起こしそうだ。

今回の子供ばんどの東名阪のツアーは10日(水)の大阪と11日(木)の名古屋と、残り2公演、配信も12日(金)まで。やはり機会を逃さず、見て欲しい。子供ばんどというバンド、そしてうじきつよしというミュージシャンから目が離せない。7月にはうじきとリクオのツーマンの北海道ツアーもある。それも札幌とともに北見、釧路、苫小牧、芦別など、全5カ所を回る。実演販売の輪が広がっていく……。



うじきも配信についてSNSに言及している。音も映像もクリアで必見、必聴である。


https://twitter.com/ujizo/status/1654756900007989248

 

 


配信は2023-05-12 21:30までアーカイブ再生可能である。直接のアクセス先は以下になる。


https://www.danke-v.com/videos/234?fbclid=IwAR038Z9xvNxGh_20rZxmRikodAlTsqd6rlnMdXZYZNjka2Pcx6xTxA1gcNo

 

 


リクオとうじきのツアーは下記のリクオのSNSに詳細が公開されている。注目のツアーである。

https://twitter.com/Rikuo_office/status/1654737976063303680

 

 

 

いよいよ、今週末から始まる『ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2023』。本2023年4月29日(土・祝)・30日(日)の二日間、埼玉県狭山市にある稲荷山公園 で開催される。同フェスは2005年と2006年に行われた野外音楽フェスで、伝説のフェスティバルと言われているのだ。17年ぶりの復活になる。

 

 

稲荷山公園は、かつて「ハイドパーク」という名称で狭山・入間市民に親しまれたところ。同公園の付近にはアメリカのジョンソン基地で働く、多くのアメリカ軍人やその家族が住んでいた。アメリカそのものの生活と文化がある場所だったという。1970年代初頭には細野晴臣、小坂忠、麻田浩、洪栄龍、吉田美奈子、はちみつぱいの和田博巳、ムーンライダーズの岡田徹、ラストショーの徳武弘文などのミュージシャン、デザイン工房 WORKSHOP MU!!(眞鍋立彦、中山泰、奥村靫正)などのデザイナーやイラストレーターたちがかの地の“米軍ハウス”へ移り住んでいた。細野晴臣の『HOSONO HOUSE』(タイトル通り、稲荷山公園の近く、アメリカ村にある細野の家でレコーディングされている)が生まれた場所としても知られている。(細野の盟友・大瀧詠一が移り住んだ、米軍横田基地のある東京都福生市とも15キロほどと、そう遠くはない。この距離感が彼ららしい!)

 

 

同フェスについては開催が近づき、漸く充実してきたオフィシャルサイトを参考にしてもらいたいが、実は開催の一週間前、4月23日(日)に会場になる稲荷山公園へ行ってきた。気の早い話だが、たまたま、所沢へ行く用事があり、その前に一度、”現地視察”をしたかったのだ。私は用意周到な男である。10年ほど前に「フジロック」(50代になって、初めてフジロックへ行ったという超初心者)へ初めて行くときも1か月前から準備し、チェアーやレインウェアなど、アウトドア用の備品を買い集め、同時にフェス体験者のブログなどを熟読している。その後も「フジロック」を始め、「アラバキ」など、多少、“フェス感(勘!?)”も身に着いたが、やはり初めての場所は準備が必要だろう。まるでデート前に予め現地視察し、コースをシュミレーションするようだが、あれから10年ほど経ち、ところどころ、身体にもガタが来ている。準備はしておいた方がいいだろう。

 

会場の最寄り駅である「稲荷山公園駅」までは西武池袋線「池袋駅」から急行で 37分。所沢駅からも各駅で5駅、14分である。思いのほか、アクセスが良く、そんな遠いところに来たという感じはしない。

 

駅には公衆トイレ(所沢駅方面行のホームにある)やコンビニもある。同駅から狭山市駅へのバス(西武バス)も出ている。10分ほどである。「稲荷山公園駅」より会場まで徒歩5分ほどで、入口を入ると、当たり前だが、広大な敷地の公園である。芝生で宴会をするグループやテニスに興じるカップル、また、テントやタープを設置して寛ぐ家族もいる。芝生を囲む、歩道は周回コースのようになっていて、ジョギングをするスポーツマンも多い。当然だが、いわゆる郊外の公園の日常風景が広がる。

 

 

フェスの会場ということで勘違いをしていたのだが、野外音楽堂みたいなステージがあるものと思っていたら、ただ、広大な芝生の広場が広がるだけ。あとで公園の管理事務所で確認したらステージは一番大きい芝生広場に作られると言う。ステージやフェスのゲートなどもフェスに合わせ、建てられるそうだ。直前であれば、会場整備も整い、ライブ会場の雰囲気も味わえたかもしれないが、流石に一週間前ではフライングだろう。管理事務所の方に聞くと、フェスも直前になって、いろいろなマスコミ報道されるようになって、漸く始まると言う実感がしてきたという。

 

また、会場の環境だが、普通に公衆トイレも完備している、ウォシュレットなどはないが、ちゃんと水洗である。ゴミなどは基本的に持ち帰りになる。いずれにしろ、来た時よりもきれい――大切である。まるでWBCやワールドカップの日本選手のロッカールームや日本人観客の観覧エリアのようだが、基本である。同所に住む方たちの憩いの場所である。そんなところをゴミだらけにしてはならない。

 

同公園内にはキッチンカーや出店などもあった。当日は多くのキッチンカーが並ぶそうだ。HPを見るといろいろあって、目移りしそう。とりあえず、食事難民にならなくて済みそうだ。

 

後は天候次第だろう。雨が降ったら傘はさせないので、ポンチョやレインパーカーは必携。また、リュックカバー、バッグの中身を濡らさないため、ビニール袋(ゴミ袋にもなる)やジップロックも必要だろう。いずれにしろ、“No Rain”なんて、叫ばなくて済むことを祈る。

 

 

細かい注意事項はHPを参照してもらいたいが、5月8日からコロナ感染症の5類認定への移行やマスクなどの着用は既に個人判断、また、歓声なども解禁されてきたが、新型コロナウィルスの感染者そのものははかばかしく減っているわけではない。それなりに注意を払い、自己防衛も必要だろう。

 

公園をぐるっと回ると、当たり前だが、自然環境は豊かで、かのジョンソンタウンへのサイクリングコースの案内などもあった。残念ながら今回のフェスのための専用の駐車場はない。公園の近くにもコインパーキングは見つからない。公共機関の利用がお勧めである。

 

 

とりあえず、現地を探訪したことで、なんとなく野外フェスへの恐怖は薄れ、自信をもってフェスに臨めそうだ。

 

 

漸くフェスシーズンも本番(と言う言葉も3年間はなく、久しぶりのことだろう)、各地でこの春から夏へ様々なフェスが開催される。私の中ではこのフェスだけは特別である。出演者などは詳述しないが、数多あるフェスの中でもいい意味で出演者がハイドパークならではというラインナップである。いわゆる若者向け(笑)の人気バンドの類は出てこない。だからといって、年寄りばかりかというと、そうでもなく、若手もちゃんといる。そして、29日(土)には加藤和彦トリビュート(加藤は2006年にポーク・クルセダース<加藤和彦、足柄金太、坂崎幸之助>として出演)、30日(日)には小坂忠トリビュート(小坂は2005年に盟友・細野晴臣などと出演している)が行わる。このフェスの復活は主催者の麻田浩と小坂忠の“約束”が契機だった。

 

 

 

それ以外にも29日にはムーンライダーズ、30日はSIONが「ハイドパーク」でライブを行う。ちなみに1993年10月にリリースされたSIONの8枚目のアルバム『I DON'T LIKE MYSELF』のニューヨーク録音に立ち合い、麻田さんとともにSIONを撮影するため、ロケバスをチャーターしてウッドストックへの旅もしている。やはり、両日とも見たくなるというもの。

 

このフェス、主催は「HMF実行委員会」、制作は「トムス・キャビン」となっている。やはり、トムスと言えば麻田浩さんは当然として、その片腕的存在だった渡邉憲一さんである。渡邊さんは既に鬼籍に入られたが、私にとっては業界の大先輩であり、大恩人にして、多くのことを教えていただいた。最初の出会いは、中村俊夫さんが大学時代、音楽サークルの機関誌として発刊したミニコミ「ROCK STEADY」の時だった。学生が作った粗末な冊子だったが、しかし熱気だけは溢れるミニコミを最初に認めていただき、私達にも取材の許可を出してくれたのが渡邊さんだった。トムス以降も度々、お世話になっている。彼のプロデュースした寺山修司のトリビュートにも参加させてもらった。そんな恩義あるトムス・キャビンのイベントである。行かないわけにはいかないだろう。

 

そして同じく故人になるが、吉原聖洋からも度々、話を聞いていた。佐野元春も出演した2005年に開催された同フェスのお手伝いをしていたという。2005年当時のことを佐野元春のHPに当日のリポートとして寄稿している。

 

もし、彼が存命であれば、今年も真っ先に駆け付けただろう。同フェスのサブステージでポエトリーリーディングなどもしていたかもしれない。彼の幻影を追うのではないが、何故、吉原聖洋が同フェスに取りつかれたか、それが分かる気がする。

 

https://www.moto.co.jp/live/report/hpf2005/

 

 

 

 

17年ぶりに開催される「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2023」を記念し、70年代の記憶を伝えるフォトブック『狭山 HYDE PARK STORY 1971~2023』が4月12日に発売されている。これも復習・予習として、予め「購入」している。いわゆる写真集だが、麻田浩の回想などから当時の風景も見えてくる。

 

 

 

 

クラウドファンディングもある。残り2日となったが、目標額達成まで、後、一押し欲しいところ。返礼品もかっこいいものばかり、協力いただければと思う。返礼品のBIG T シャツが既に届いたが、やはりハイドパークのセンスが光る。恰好いい“作品”だ。

 

「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2023」開催応援プロジェクト

https://ubgoe.com/projects/299

 

 

 

 

開催まで、あと2日。明後日になる。フェスの規模としては4000人と、決して大きくなく、小さなものだが、しかし、こうしたフェスの成功が新しい流れを作るもの。事実、2005年に始まったオルタナティブな流れが地下水脈となり、いまも続いている。このフェスに出演するアーティストのパフォーマンスを見ながら、そんな過去や歴史を懐古しつつ、明日への希望や夢を繋ぐ――まるでJポップの歌詞のようだが、そんな機会になるのではないだろうか。まずは、物は試し、足を運んでみて欲しい。そんな怖いところではないので、安心して欲しい。虚弱体質(!?)の私でも身体に優しそうだ。少なくとも某所ようにステージからステージへと、ハードなウォーキング(トレッキング!)の必要はない。とりあえず、足元だけは防水で堅ろうなシューズがいいだろう。私はお気に入りのKeenのシューズにARC'TERYXのパーカーで行く予定だ。