異形のビートルズ『アンダーグラウンド・ビートルズ』(藤本国彦+本橋信宏)発売記念トーク&サイン会 | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

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■2024年6月16日、日曜日の印象Ⅰ

 

 

6月16日(日)は炎天下の中、動き回る。普段、行かないところへ顔を出した。最初に出没したのは高田馬場。同所は久しぶりである。といっても一昨年、2022年12月にジョリッツのサード・アルバム『妖しいビルディング』の発売を記念して、新宿ロフトで開催された“全曲完全再現ライブ”を配信で見て、高田馬場へ出没している。実は同アルバムのタイトルトラックは、メンバーの吉田仁郎が高田馬場へ移り住んだことが契機で生まれているという。ならば高田馬場へ聖地巡礼、フィールドワークのため、同所を訪れている。その時のガイドブックが本橋信宏の『高田馬場アンダーグラウンド』(駒草出版)だった。『全裸監督・村西とおる伝』や『裏本時代』、『AV時代』などとともに『東京最後の異界 鶯谷』、『迷宮の花街 渋谷円山町』、『上野アンダーグラウンド』、『新橋アンダーグラウンド』など、彼の“東京の異界シリーズ“、いわゆるアンダーグランドシリーズ”は必読であり、私の書棚にも常駐している。

 


そんな“シリーズ”に新しく加わったのが『アンダーグラウンド・ビートルズ』(毎日新聞出版)である。気鋭のノンフィクション作家・本橋宏信と、ビートルズ研究の第一人者(別名“ビートルズやくざ”!?)藤本国彦が手を組んで、セックス。ドラッグ、DV、宗教――など、埋もれた事実や事件を掘り起こし、その真相を語り尽くしている。本の内容の詳述は避けるが、二人の対談をテーマごとにまとめ、お互いに加筆修正した“対談集”。流石、芸達者にして、書誌学とフィールドワークに長け、裏の裏を深掘りする二人だけある。その語り口は快活で鮮やか。読むと引き込まれるのだ。


彼らのSNSで知ったのだが、同書の発売を記念するトーク&サイン会が6月16日(日)の正午から高田馬場・芳林堂書店で開催されるという。これは行くしかない。二人には多少なりともご縁やご恩があった。これは行かないわけにはいかないだろう。しかも、開催場所が高田馬場である。こんなところにもご縁がある。

 


会場は人で溢れる。50名以上、来たらしい。ビートルズ・オタクだけでなく、二人のファン(おっかけ!?)と思しき人達も来ていた。


話しの内容は同書のダイジェスト版という趣きだが、生で聞く、彼らの当意即妙の受け答えは絶妙。ウイットとユーモアがあり、まるでビートルズのヒルトンの記者会見か、シェアスタジアムのコンサートか。本当は大歓声も欲しいところ。

 


同書が毎日新聞から出る経緯や同書に関わる人と人の出会いと再会、トルコ風呂入浴説、ビートルズになれなかった男、香月利一と落流鳥……など、面白く、かつ、ほろ苦い話のてんこ盛り。アングラでありつつ、その話は心温まる。「一人おかれた人」達への愛が溢れていた。これはファン以外の人達にも読んでもらいたい。また、もうちょっと、時間を取って、二人のトークイベントも開催して欲しい。二人の先生達、ちょっと胡散臭いけど、本当にいい顔をしている。是非、その尊顔を生で見ていただきたい。

 


ちなみにこの日は次の予定があったため、トークのみでお先に失礼させてもらった。残念ながらサイン会には参加できず。サインはまたの機会に貰うことにする(笑)。


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