ブルースはカッコいいを再確認するー永井ホトケ隆率いるblues.the-butcher+山岸潤史 | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

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Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

かのサンハウスが1983年9月21日に東京・日比谷野外音楽堂で行った再結成ライブ「Crazy Diamonds」。同公演を収録したライブアルバム『Crazy Diamonds(absolutely live)』(オリジナルリリースは1983年11月5日)が2017年に復刻された際、鮎川誠さんに取材し、ライナーノートを書いている。それは、こんな文章から始まる。

“昨2016年12月2日にリリースされたザ・ローリング・ストーンズのニュー・アルバム『ブルー&ロンサム』。同作は11年ぶりのスタジオ・アルバムにして、リトル・ウォーターやジミー・リードなど、彼らの原点であるブルースをカヴァーしたアルバムだ。同じく2016年3月26日にリリースされたのがサンハウスの『タイガーインユアタンク(マディに捧ぐ)』である。同作は2015年9月12日、東京・下北沢GARDENで開催された「マディー・ウォーターズ生誕100年祝賀ライブ」でのサンハウスの演奏を収録。ロックを“DIG”し、ブルースに行き着いたバンドが時を同じくしてブルースのカヴァー・アルバムをリリースする。これは偶然ではなく、必然だろう。偉大なるシンクロニシティだ。”

改めてブルースはカッコいい――上記の作品たちに限ったことではないが、ロックを長く聞いていると、ルーツミュージックの“復習”(同時に“予習”)をする中で、それを再確認する機会に度々、ぶち当たる。いまに限ったことではないが、福岡発のBEAT MUSICを聞いていると、そんなルーツを辿ることになる。このところも、“穴山淳吉”との“音楽を巡る旅”で、ブルースなどのルーツミュージックのカッコよさに出くわすことになる。

同時に日本のブルース発祥は大阪や京都などから70年代に続々と登場した上田正樹&サウス・トゥ・サウス、ウエスト・ロード・ブルース・バンド、憂歌団、ソー・バッド・レビュー、ブレイクダウン……など、関西ブルースだった。勿論、それ以前にもカッコいいブルースバンドもいたが、やはり大きな脚光を浴びることになったのは、彼らの活躍があったからだろう。私自身も“夕焼け祭り”や“ブルースフェス”などで、彼らを追いかけたものだ。80年代はかの高円寺の「次郎吉」にも山岸潤史などのライブで、度々、訪れていた。90年代にブレイクダウンの近藤房之助(愛知出身)がソロデビューした際にもライブを度々、見ている。幸いなことに近藤房之助、山岸潤史、村上ポンタ秀一、佐山雅弘など、豪華メンバーによる北海道ツアーに同行する機会もあった。彼らのライブと、ライブよりも時間が長い打ち上げでのブルース大会を堪能させてもらった。


おそらく、他にもブルース再確認の機会はたくさんあったと思うが、いまのところ、これしか思い出せない。ちなみに来日組ではロバート・ジュニア・ロックウッド&エイシズ、スリーピー・ジョン・エステスとハミ-・ニクソン、オーティス・ラッシュ、ボー・ディドレー(with ロン・ウッド)、BBキング(with U2)、ロバート・クレイ(with エリック・クラプトン)などを見ていたはず。一部、記憶が曖昧(笑)。

ブルースの東京の聖地「次郎吉」への久しぶりの再訪は昨2022年12月26日(土)のリクオ、Dr.kyOn、伊東ミキオが集結。ピアノでロックンロールする3者の夢の競演「リクオ・プレゼンツ 〜 JIROKICHI HOBO CONNECTION 〜 第2夜 CRAZY PIANO NIGHT」だった。それ以後、この2月3日(金)のアカネ&トントンマクートのライブまでは足を踏み入れていないが、次郎吉のYoutubeチャンネルはチェックさせてもらっていた。そんな中で、これはと思ったのが3月22日(水)に同所で行われたライブを収録した「【最高のブルーズバンドに世界の山岸潤史】blues.the-butcher-590213 <ゲスト>山岸潤史」という“番組”だった。永井ホトケ隆 (Vo、G)、沼澤尚( Dr )、中條卓 (B)、KOTEZ (Vo、Harp)という強者揃いのblues.the-butcher-590213にゲストとして山岸潤史(G)が加わる。永井と山岸という、ウエスト・ロード・ブルース・バンドの盟友の共演など、まさに日本のブルースの歴史が凝縮されたかのようだ。同時に目を引いたのがblues.the-butcher-590213の面々が黒のスーツをお洒落に着こなし、髪などもきちんとしていて、まさにイケおじ状態(永井は70代だが、他のメンバーは50代、60代と若手!?)。えっ、この人達、こんなカッコ良かったかと驚く。

彼らのプロフィールやセットリストなどはリンク先で確認いただきたいが、まさに永井ホトケ隆率いる全日本選抜のダンディなブルース集団に、ブルースの本場、ニューオリーズで活躍するメジャーリーガー、山岸潤史が加わる。粋で鯔背な男たち(ブルースマン)の夢の共演だ。ブルースはカッコいいを改めて感じさせるライブである。無料視聴は本日、3月25日(土)23時まで。特典映像付き後売りチケットもある。絶対見るべき、ブルースのWBCやー。

 

 

 

 

【最高のブルーズバンドに世界の山岸潤史】blues.the-butcher-590213 <ゲスト>山岸潤史 - YouTube