瑞々しく映像的--ニュースタンダードを奏でるセンチメンタルボーイズ | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

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Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

 

出会いはお気に入りのレコードショップだった。ほんの数時間前のこと、ディスクユニオンお茶の水駅前店で、気になるプログレ・バンドのCDを漁りつつ、音楽書コーナーを覗き、国内アーティストのフロアへ行ったら、そこで流れていた音に耳を奪われる。

 

すわ、四人囃子の未発表音源か? と思ったが、長野県上田市出身の4人組ロック・バンド、センチメンタルボーイズの本日、829日(水)発売のセカンド・アルバム『Festival』だった。まさに出たばかり。同バンド、初耳バンドながら、お店の方の強いお薦めもあり、迷うことなく、買い求める。これも運命というか、縁かもしれない。いつもだったらあれこれ悩んで、数日後に結局、密林買いになったりするが、何故か、この日は衝動買いである。一仕事(仕事ではないが)やり終えて、少し気も大きくなっていたのだろう。その音は瑞々しく映像的である。四人囃子を引き合いに出したが、プログレというより、フェルトなどのギターポップに近いだろう。実は瑞々しく、映像的というのは、プログレ以前に四人囃子の肝であると思っている。そんなところが四人囃子に繋がるのではないだろうか。家に戻り、繰り返し、聞いている。気にいった。私からもお薦めだ。

 

バンドについて何一つ、詳しいことは書いてないが、彼らのHPがあるので、それを参考にしていただきたい。検索などをすると、いろいろ記事も出てくる。長野県の上田市は、数年前は大河ドラマ『真田丸』で脚光を浴びたが、私も何度か、訪れている。中でもとりわけ印象深いのは上田駅から徒歩15分ほどの場所にある柳町通り。石畳や長屋が軒を連ね、真田氏による城下町形成以来の長い伝統を誇る。かつては参勤交代の大名や佐渡金山の金の通路として多くの往来があったところだが、現在はベーカリー、酒屋、ワインショップ、蕎麦店などの店舗が並ぶ。それらの店を切り盛りするのは若い方が多く、伝統と進取の気風が合一する。新たなスタンダードが構築されているのかもしれない。居心地のいいところだった。センチメンタルボーイズの音を聞くと、そんな街並みや人達の息遣いを感じることができる。名古屋の“センチ”(中野督夫の一日も早い回復を祈る)もいいが、長野の“センチ”もいい。

 

私の勘など、あてにならないが、先日のGOODBYE APRILに続き、一目(耳)惚れ系。すんなりと音は入り、知らぬ間に心と身体に馴染んでいく。彼らは新しいスタンダードを奏でる。素晴らしい音がこの国には溢れている。

 

ちなみに私が四人囃子の未発表音源と空耳したのは、「Festival」というアルバムのタイトル・トラック。リズムの溜めや曲の緩急の付け方が四人囃子を彷彿させる。こじつけるが、四人囃子には「おまつり」という楽曲がある。末松康生は同曲に“やっぱりおまつりのある街へいくと 泣いてしまう”という歌詞をつけている。センチメンタルボーイズのアルバム『Festival』のテーマは「誰もいない夏」そうだ。“おまつり”と“Festival”という華やかで賑やかな場所にも関わらず、疎外感や喪失感を抱く。ここでも繋がるような気がしているのだ。

 

 

 

 

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