JOY-POPS(村越弘明+土屋公平)“35th Anniversary Tour ”開催! | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

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Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

80年代の日本のロックを語るとき、欠かすことのできないバンドが“The Street Sliders”だろう。しばし“孤高のロックンロール・バンド”といわれる彼らだが、その歩みはシーンに確かな足跡を残し、その影響を受けたものは数知れず。“おいら”や“Baby”、“のら犬”などのロックンロールのクリシェを用いながらも、とてつもなく深淵な世界を垣間見せてくれた。品行方正で熱血的なロック・バンドが多い中、そのダルでルーズな雰囲気もたまらく魅力的だった。

 

ロックンロールやブギー、ブルースをベースにしながらも同時代にいかに音を響かせ、転がりさせるかに拘り、佐久間正英やジェレミー・ グリーン、今井裕などともに革新的な音作りをしてきたことも印象深い。

 

私自身、何度かライブを見て、数回、取材をしている。正確な年月日や経路、交通機関はうる覚えだが、彼らの九州ツアーに同行したことがあった。彼らと福岡で合流して、バスで小倉へ移動。小倉での公演後、列車で大分まで移動したと思う。小倉と大分の2公演の模様をリポートしている。そのライブはバブルも終わり、不景気の風が吹きすさび、かの地で所在なさげなキッズ達を奮い立たせた。彼らや彼女達の不安や不満、退屈を蹴り飛ばす。そんなライブとともに印象に残ったのがサウンド・チェックの際、ふざけながら音出しをしていたローディを村越が客席からステージへ駆け寄り、平手打ちしたことだ。その場の空気がとたんに張り詰めたことを覚えている。いまなら“パワハラ”などと言われかねないが、それは彼らのプロとしての真摯な姿勢や態度の発露であり、同時に彼への“愛の鞭”ではなかったのではないだろうか。

 

と、枕が長くなったが、スライダーズのデビュー35 周年企画として、村越“HARRY”弘明と土屋“蘭丸”公平のユニット“JOY-POPS”がツアーを行っている。フロントマンだった二人が同じステージに立つのは18年振り。20001029日の日本武道館での『LAST LIVE』以来だという。そのツアーはJOY-POPS(村越弘明+土屋公平)『 35th Anniversary Tour Wrecking Ball”』と命名され、425日(水)の浜松「窓枠」から7 8日(日)青森「Quarter」まで開催されることが発表された。その反響は大きく、各地でソールドアウトだという。

 

その2日目、428日(土)、東京・渋谷「CLUB QUATTRO」の公演を見た。ツアー中なので、お約束として、詳しいことは書けないが、スライダーズを知っている人も知らない人も見たほうがいいと言わせていただく。

 

ステージに立つのは村越と土屋の二人のみ。ゲストなどはない。アコーステックやエレキなど、ギターを持ち変えながらひたすら弾きまくり、歌いまくる。二人といってもゆずやコブクロではない、二人はギターと歌で、2時間30分、ロックンロールし続けるのだ。スライダーズ独特のうねりと粘りは、市川“JAMES”洋二のベースと、鈴木“ZUZU 将雄のドラムスが生み出したものだが、それには二人のローリングし、クロールするギターの絡みが必要であることを再確認する。独特のグルーブがスライダーズの世界を形作っていた。

 

ある種、危うさのあった村越の歌や土屋のギターも円熟の境地といっていい、熟成具合で、安心して聞いていられる。演奏曲目などは敢えて書き記すことはしないが、新旧合わせ、昔から彼らを知るものならにやりとさせられるものばかり。郷愁というには生々しく、懐古によりかかるくらいなら、“35周年”でも二人は再結集などしないだろう。スライダーズ解散後の個々の活動が充実し、いまなら新しいものとして打ち出せるという自信のようなものを音や佇まいから感じさせる。同時に日本のロックンロールのミッシングリンクを埋めつつ、ロックンロールの異人たち“JOY-POPS、ここにあり”と高らかに宣言しているかのようでもある。

 

既に多くの方がつぶやいているが、村越や土屋がいつになく雄弁で、MCもたくさんあった。緊張感いっぱいというイメージがスライダーズのステージにはあったが、それを考えると雲泥の差である。ステージの上も下も会場に笑顔が絶えず、多幸感に包まれていたのが印象的。会場からの“ひろあきー”呼び掛けに気安く答える村越など、当時なら誰も想像もできないだろう。

 

35周年に浮かれ、お祭り気分になったわけではないが、特別な空間であることは確かである。同時にいま、見逃すと、次はないかもしれない。JOY-POPSHPには“One night only GIG!! There is no next time to miss. ”と、書かれている。次という機会はない。この日、小さなロックロールの革命が起こり、ロックの新しい風が吹いていた――。見逃してはいけない。

 

35th Anniversary Tour “Wrecking Ball”』は既にソールドアウトだが、当日券も出るところもあるらしい。また、69 日(土)仙台「Rensa」、 620日(水) 福岡「Gates7 」、628日(木)大阪「BIG CAT」、 722日(日)東京・有楽町「ヒューリックホール」の追加公演も発表され、728日(日)には『FUJI ROCK FESTIVAL18』、83日〜5日に開催される『オハラ☆ブレイク‘18夏』など、フェスにも出演する。今年の夏はJOY-POPSと過ごすのも悪くない。どこかで見ておくことをお勧めする。35周年ということで、スライダーズそのものの復活も期待したいところだろう。村越はここ数年、市川や鈴木とも共演し、先日、429日(日)の『ARABAKI ROCK FEST.18』では“スライダーズ・トリビュートバンド”(THE STREET SLIDERS 35th ANNIVERSARY BAND)などでも演奏している。ひょっとしたら、ひょっとしたら……あるかもしれないのだ。

 

JOY-POPS.com  http://www.joy-pops.com

the HARRY-STATION.com  http://www.harry-station.com

UP&Down.com http://www.up-down.com/kohey/

 

 

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